あさが来たネタバレ・あらすじ　 25週　149話「誇り高き人生」

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あさが来たネタバレ・あらすじ　 25週　149話「誇り高き人生」

寝付いてしまった惣兵衛のために、またはつは台所でみかん果汁を絞っていました。

惣兵衛の枕元には、養之助と赤ん坊を抱いた節が心配そうに見守っておりました。
そこへ大阪から藍之助が帰って来ます。

藍之助＞「お父ちゃんの様子は？」
養之助＞「お父ちゃん…笑てる。」
何故か、眠っている惣兵衛の顔は穏やかで微笑んでいるように見えました。

[主題歌　AKB48の「365日の紙飛行機」挿入]

「お父ちゃん。僕やで。帰ってきたで。」
藍之助の呼びかけに惣兵衛は目を開けずに「おお…。」と声だけ上げました。

養之助は藍之助に惣兵衛が肺の病である事、熱がずっと下がらない事、医者にもう覚悟をしておくようにと言われた事を話します。

寝ながらも咳き込む惣兵衛の背中を摩りながら、はつが心配そうに顔を曇らせていると、
惣兵衛は、そんな顔をせず笑って欲しいと言うのですが、
はつは笑えずに「どないしよ…。笑われしまへん。笑いたいのに…。笑たらちょっとは力になるか思うのに…。」
と言って泣いてしまいました。

はつ＞「旦那様がいてへんようになったらうち…もう笑われしまへん。」
惣兵衛＞「ようよう弱いとこ見せてくれましたがな…。わし、助けてもろてばっかりやったさかいなぁ。」
惣兵衛の脳裏を、若い頃に毅然とした顔で惣兵衛に手を差し伸べたはつの言葉と姿が浮かびます。
（以下、惣兵衛の回想）
はつ＞「あなた様を迎えに来たんだす。」（惣兵衛を探しに賭場の近くまで来た時のはつ）
はつ＞「今更、ええ旦那様になろうやなんて思わんといとくなはれ。ええお父ちゃんに、なってください。」
（山へ戻った惣兵衛が、幼い藍之助と初めて対面した時のはつ）

涙を零すはつの手をしっかり握り、身を起こしてもらった惣兵衛は、ありったけの力を振り絞り、
大声でで藍之助と養之助を呼びました。

布団の回りに、はつ、藍之助、養之助、そして赤ちゃんを抱いた節が揃うと惣兵衛は
苦しそうな息の下「お前らに、言うときたい事がある。」と、話し始めました。
「…わしなぁ…ええ人生やった…。ええ人生やったぁ～。
誰に愛想笑いして、頭下げる事ものう、土の上に立って、自分で耕して、
みかん作って、家、建てて、子ぉ育てて…。こないな誇りあれへん。
孫まで見さしてもろて、有難過ぎて…お釣りくるわぁ。なぁ、せやさかい…笑てくれ。」
はつの手を取って顔を見て、そう告げる惣兵衛にはつは泣きながら笑いました。

その夜、惣兵衛の枕元に座り、はつは琴を奏でました。
その琴の音に聞き入る惣兵衛の顔は、穏やかに微笑んでいました。

[ナレーション]
その日の、明け方、惣兵衛は、静かに息を引き取りました。
傍らで、みんながすすり泣くのですが、はつは、惣兵衛の手を握りながら泣くのも忘れて放心していました。

惣兵衛死去を知らせる電報を立ち尽くしたまま、あさと新次郎は読みました。
お葬式が済むと、はつは魂が抜けた人のように座ったきりになってしまいました。
養之助と藍之助が心配しているところへ、
新次郎とあさが訪ねて来ます。
「ごめんやす。はぁ…。えらい遅なってしもて…。」入るなり、出迎えた養之助と藍之助に新次郎が詫びます。
あさは、はつのいかほどばかりかの傷心を思い家の中を見渡します。
そして縁側に座り尽くすはつを見つけると「お姉ちゃん。」と声を掛けました。
はつの「あさ…。」という震えた声が、はつの心細さを物語っていました。

あさは黙って、はつの方を向いて座ると、膝の上に置いたはつの手の上に自分の手を重ねます。
すると、さめざめと涙を流すはつです。

家の中の炉辺脇に座り、あさは惣兵衛の思い出話をします。
「なぁ、初めて、惣兵衛さんに会うた日の事、覚えてる？」

はつ＞「そら覚えてます。あんたが、旦那様の前に、ポ～ンて転がってなぁ。あの時は…まさか、
自分がこないな思いになるやて、思いもせぇへんかったなぁ。」
あさ＞「そやけど、惣兵衛さんは、そうやなかったみたいやで。惣兵衛さんは、あの時から、お姉ちゃんに一目惚れやったて。」
はつは、あさの顔を直視すると、みるみる涙が込み上げて来ました。
あさ＞「旦那様が、こないだこっち寄せてもろた時、そないな話したそうだす。」
惣兵衛は、その時、新次郎にこう語ったそうです。
「初めて会うて、お琴聴いた日ぃから、わし…はつに一目惚れやったさかいなぁ…。
あの頃は、よう笑う事も、笑わせる事もでけへんで…。へっ…。いや、今はええわ。
今はなぁ、もう、何やちょっと言うたら、も、すぐ笑てくれまっさかいな！」

あさ＞「お姉ちゃんが、笑て傍にいててくれさえしたら、もう、な～んも要らんのやて。」
はつは泣きながら「笑て生きなあかんなぁ。せやけど…悲しいなぁ。寂しいなぁ。」と言っては泣きました。
あさは、その姉の肩を抱き、摩ります。

新次郎は、縁側で、二つの湯呑に酒を注ぐと、和歌山の空に向かい「惣兵衛さん。そっちは、どないだす？」
と呟き杯を傾けました。

数日後。

成澤が加野銀行にやって来ました。
あさは嬉しそうに出迎えますが、忙しくて、相手をしている時間はなく、
遊びに来ていた女子大学生に、お茶の用意だけ言いつけて、会議へと出向いて行きます。

新次郎が「すんまへんな。いつものとおりバタバタしてまして。」と成澤に詫び、
二人は少し話をします。
成澤が「うちの学生達も、休みの度にしょっちゅうお邪魔してるみたいで…。」と恐縮そうに言うと、
新次郎は「いいや。賑やかで助かってますわ。此の頃はなぁ、近しい人がどんどんいてへんようなってしもて…。
まあ、もう自分の年考えたら、当たり前の事だすけどな。」
と、近頃、亡くなる近親者が多い事を、ふと、話題にしました。

成澤＞「あの…慰めになるかどうかは分かりませんが。私にとって、生と死というものは、
あまり違いはないのです。実は私も、女子大学校設立の運動中に、大事な人を亡くしました。
しかし、生があるから死があり、死があるから生がある。
この２つは常に、一つのリズムとして、我々の日常を流れています。
そして、この体はただの衣服であり、本当の体はもっと、奥にある。そしてそれは、永久に滅びません。」

その日の夕方、三味線の手入れをしている新次郎のところへあさが来て、声を掛けます。
「旦那様。」
新次郎＞「ん？」

[ナレーション]
あさには、ずっと、気がかりな事がありました。
あさが来たネタバレ・あらすじ　 25週　150話へ続く。

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