依頼人は死んだ / 若竹七海 | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

 もしかしたら、この奇妙な造りの中庭は、
 太陽の光を最大限に取り込むためだったのかもしれない。
 
 
うわー ぞわぞわっ とする、、いわゆる 館シリーズ の変種とも読めるかなぁ... 

あるいは、そのために 建てた というなら 飛縁魔的 か (逆の意味で)

 

 

そして

 

 

 探偵業には波がある。

 

 

各話の材の取り方が、実に、実に ホームズ的 だなぁ と思って読んでいたら、その ホームズ譜 そのものな一編も✨

 

 

「前払いなしで動く探偵がいますか」

「前払いはお金じゃないの」

「では、なんなんですか」

「あなたの好奇心」

 依頼人は死んだ / 若竹七海 

 

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葉村晶シリーズ (古書店でバイトをはじめる前) の連作短編集

 

 

ところで、

 

世界的名作で連作ものといえば何だろう?

 

 

探しているというわけではないけれど、パッ とは思いつかなかったから、どういうのがあるんだっけ? と

 

 

連作もの

 

きっとどこかでつながるんだろうなぁ と思いながらも、その想定を超えてくると感情がそのままにもっていかれてしまう、、

 

 

一編のミステリー小説だと、伏線が効いているものは最後にそれがジグソーパズルよろしく綺麗に、かつ、華麗にまとまることでカタルシスが味わえて (*1) 、また一方で、ミステリー小説ではなくとも一見異なるストーリーが並行して展開し、最後に意外なつながりを見せることで更に感動が深まったり、、

*1:D.カーの「曲がった蝶番」とか

 

数は少ないけれど、今まで読んだ中でも連作ものは感涙率は高いなぁ、、スピンオフものも連作ものに近いかな?

 

 

で、

 

 

こういった連作ものって海外の小説では読んだことがなくて、というか、いわゆる世界的名作と呼ばれるものではあまり類を見ない小説の形態のような気がして、どうなんだろ (゚-゚)? もし何かあれば読んでみたいな と

 

連作に限らず、さも泣いてください 的なベタな設定ははなから興醒めだけど、そうではないのに (>_<) もってかれることも中にはあって、、

 

 

それはそれとそれとして

 

 

 「あんたって最高よ。ひとを泣かせておいて、微動だにしないんだから」

 「同情がなぐさめになった経験がないからね」

 

 

これはまた ハードボイルド だなあ、、

 

 

 

■関連ブログ■

読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
・2019年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2019年のまとめ) ) 2020-01-18

・2020年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2020年のまとめ) ) 2021-01-06
** あなたにとって読書とはなんですか? **

 

※2021年に読んだ文庫本など

本陣殺人事件 / 横溝正史 再読

黄色い部屋の謎[新訳] / ガストン・ルルー 再読

黒猫の三角 / 森博嗣 再読

フォックス家の殺人[新訳]/ E.クイーン 再読

モロー博士の島 / H.G.ウェルズ

斜陽 / 太宰治
砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム
鳥居の密室 / 島田荘司

屋上 / 島田荘司

イルカの島 / A.C.クラーク

鹿の王 水底の橋 / 上橋菜穂子

人斬り彦斎 / 五味康祐

さよならの手口 / 若竹七海 再読

静かな炎天 / 若竹七海

錆びた滑車 / 若竹七海

不穏な眠り / 若竹七海

書楼弔堂 炎昼 / 京極夏彦

ウィチャリー家の女 / R.マクドナルド

髑髏検校 / 横溝正史 再読

宇宙の戦士[新訳]/ R.A.ハインライン

斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 / 島田荘司 再読

ガリレオの苦悩 / 東野圭吾

獣眼 / 大沢在昌

予告殺人 / A.クリスティ

エクソシスト / W.P.ブラッティ 再読

象は忘れない / A.クリスティ (上)

 象は忘れない / A.クリスティ (下)

アンチノイズ / 辻仁成

合唱 (コーラス) 岬洋介の帰還 / 中山七里

コンビニ人間 / 村田沙耶香

機龍警察 白骨街道 (ハヤカワミステリマガジン連載) / 月村了衛

バスカヴィル家の犬 / A.C.ドイル [3] 再読

トム・ソーヤーの冒険 / M.トウェン 再読

・とるとだす / 畠中恵

君たちは絶滅危惧種なのか? / 森博嗣

大いなる眠り / R.チャンドラー

・新編 東洋的な見方 / 鈴木大拙著、上田閑照編 [番外]

爆身 Burn To Death / 大沢在昌

さよならジュピター / 小松左京

藤井聡太論 将棋の未来 / 谷川浩司[番外]

ゴッドファーザー / M.プーヅォ

化人幻戯 / 江戸川乱歩 再読

幻魔大戦1 / 平井和正 再読

・むすびつき / 畠中恵

虚像の道化師 / 東野圭吾

都市 / C.D.シマック

虎よ、虎よ! / A.ベスター

アリアドネの弾丸 / 海堂尊

・依頼人は死んだ / 若竹七海

DUNE 砂の惑星 / F.ハーバート

落下する夕方 / 江國香織

 


 死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
 読み終えたかったという願いは叶わない。

 二都物語 / C.ディケンズ
 

 

 

 

 「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、

 ドコニモ見出セナカッタ。

 タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」

 薔薇の名前 上 / U.エーコ