砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

未知との遭遇のキャッチコピーは、

 

 

 We are not alone. 

 

うらをかえせば、、

 

 

「この世には不思議でないものなどない」、否、“この宇宙には不思議でないものなどない“ 、不思議なことであふれている

 

 

いつだったか管長さんがこんな話をされたことがある

お弟子の雲水さんが「腰を立てるな」という本を読んでいたと云うんだなぁ

坐禅では腰を立てる「立腰」は基本中の基本、だから管長さんはその本を見かけたとき、これは反抗期か?と思ったんだとか (笑) 、そして顔を向けてこう問われた

 

「どうしたと思いますか?」

 

 

相互理解とは?

 

 

たとえこれが砂漠だけの惑星にすぎないにしても、ここには日の出と日没があり、地平線があり、雲があり、風がある。

 

砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム

 

 

 

 相互理解の成立は類似というものの存在を前提とする。しかし、その類似が存在しなかったらどうなるか?

 スタニスワフ・レム

 

 原題:Niezwyciężony 

 Niezwyciezony

 原題の意味は「無敵」

 invincible

 

 

米国が自由の国だとはよく聞くけれど、、どうなんだろ? 何やら枕言葉の感もある? しかしかつてはヴィトー・コルレオーネにしても目指した先は米国であった、その国では自分の身を守る (権利がある) という理由らしいけれど、銃も許可制とは言え所持出来るようだ、でもだからといってあそこまでの暴動は今の日本ではあり得ないし? あるとしても??? 

 

黒人差別の問題に際し、宇多田ヒカルさんは「知ろうとする機会に」と発信された、また、大阪なおみさんもそのような発言をされていた

 

 

相互理解とは?

 

 

日の出と日没、地平線、雲、風、、

 

体裁はSFだけれど、未知なるものに相対するのは人間で、その未知なるものは、究極的にも思える自然ともいうべき無生物だった

 

 

 ここは無人惑星じゃないか。この惑星には人間にとって探すべきものは何もない。それなのにどうしてあんなにかたくなになるのだろう? まるで嵐なり地震なりが人間を殺す意志をもっていると主張するのと同じことじゃないか。

 

 

相互理解とは?

 

 

 「交渉というのは価値観の異なる他者との対話だ。だから、ときにはまったく解決がつかない場合もある。どこまでいっても平行線にしか見えないことも... 

  けれども、それに対して知恵を絞り、言葉を絞り、体力を振り絞って、両者が進むべき道を模索しなさい。

 その行為は、人間が最も知的である瞬間なんだよ。たとえその場で、どれほど乱暴な、どれほど感情的な言葉が飛び交ったとしても、最後まで決してあきらめるな。」

 華竜の宮/ 上田早夕里

 

ここのところが好きで_φ( ̄ー ̄)ノ ✨

 

 

相互理解とは?

 

 

「どうしたと思いますか?」

 

その日、管長さんは次の言葉でしめくくられた

 

 

「わたしも同じ本を買って読みました」

 

 

どういう内容の本なのかをまず理解することから始めました、と

 

 

世界はまだまだ理解しえないということはないはずだ、そう信じたい

 

 

(ー人ー)

 

 

  その空気の鏡は、波打ちながら、〈黒雲〉につつまれて消えていった。すると思いがけなく、頭が暗闇につかえるほど人間の姿があらわれた。像そのものは絶えまなく揺れ動き、ふしぎなリズムで消えたり現われたりしていたが、その人間の目はじっとロハンを見つめていた。それが〈黒雲〉の両端にはさまれた空間に映し出された自分自身の映像だということにロハンが気づくまでには、ふただびなにがしかの時間がかかった。ロハンは驚きのあまり、呆然としてしまって、ほかのことはすべて忘れてしまった。〈黒雲〉はおそらくかれのことを知っているにちがいない、峡谷を埋めつくしている無数の石の間に米粒ほどの、最後の生き残りの人間がいることを知っているにちがいない、という考えがロハンの頭にひらめいた。

 砂漠の惑星/ スタニスワフ・レム

 

 

相互理解とは?

 

 

 

■関連ブログ■

読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
・2019年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2019年のまとめ) ) 2020-01-18

・2020年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2020年のまとめ) ) 2021-01-06
** あなたにとって読書とはなんですか? **


 死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
 読み終えたかったという願いは叶わない。

 二都物語 / C.ディケンズ
 

 

※2021年に読んだ文庫本など

本陣殺人事件 / 横溝正史 再読

黄色い部屋の謎[新訳] / ガストン・ルルー 再読

黒猫の三角 / 森博嗣 再読

フォックス家の殺人[新訳]/ E.クイーン 再読

モロー博士の島 / H.G.ウェルズ

・斜陽 / 太宰治 
・砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム 
鳥居の密室 / 島田荘司

屋上 / 島田荘司

 

 

 

 

「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、ドコニモ見出セナカッタ。

 タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」

 薔薇の名前 上 / U.エーコ