フォックス家の殺人[新訳]/ E.クイーン 再読 | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

ひとは誰しも三人介せば誰とでもつながるという理論があるそうだ、なんという理論かは忘れたけれど、たしかにそれはあるのかも(・ω・)? 

 

 

例えば、山岡鉄舟居士と僕はどうだろう?

 

 

白山道場での坐禅会に通いはじめたきっかけは管長さんが兼務住職住職をされている円覚寺山内にある塔頭黄梅院さんにお参りした折りにいただいた冊子に坐禅会のことが記載されていたからだった

そのときはじめて、龍雲院というお寺の名前を知り、ほどなく、どきどきしながらも意を決して道場の門をたたき、以来、関東にいる間は末席にて坐らせていただいた、物理的には四年ほどであったけれど、十年にも二十年にも相当するような濃密な時間に感じたんだなぁ、、

その坐禅会のあと、管長さんの禅の語録の提唱のなかで、全生庵さんのことや渡邊南隠老師の逸話などを聴く機会があり、はじめて知ったときはびっくりしたね、朝比奈宗源という方がどういう方なのかを知ったとき以来の衝撃というか

まさか道場をお開きになった南隠老師が全生庵の住職をしておられた方だったとは、しかも、山岡鉄舟居士の葬儀の大導師も務められた方だったなんて、、

 

 

世の中はどこでどうつながっているかわからないものだな と

 

 

と、長い前置きで💦×💦

 

 

「無謀かもしれないし──子供じみてるかもしれない。

 けど、頭を絞って考えて、

 思いついたなかでまだ試してない手立てはこれだけなの。

 まずはそのエラリイ・クイーンへ手紙を書き送って、

 会う約束を取りつけるのよ、デイヴィー・フォックス」

 

 

そうしてクイーンはこの事件にかかわることに

 

 

そして、

 

 

なにかを守りたい、守り抜きたい、残りの生涯をかけて

 

そういう使命に目覚めたとき、人は真に強くなるんだろうなぁ、、

 

 

いわゆる回想の殺人の部類

クリスティでいえば「五匹の子豚」とかかな (・ω・)?

 

 

 太陽のない日が暮れて、月のない夜が訪れた。

 午後の喧騒がおさまり、ライツヴィルは静寂に包まれた。

 まるで何もかもがいっせいに死滅したかのようだ──

 太陽も、月も、風も、そしてフォックス家の希望も。

 

 

時系列では「災厄の町」につづく、本格ものによりドラマ性を持ち込んだクイーン中期の名編ライツヴィルものの第二弾✨

それを、実に14年ぶりに待望の新訳にて再読、、へ〜そんなに前に読んだきりかーと自分でも少しビックリしたけれど、初読のときの印象があざやかだったから時間の経過をそれほどには感じていなかった

 

 

 夜と死は兄弟だ。

 ここはその両者が十二年間住まっていた場所だった。

 

 

10年ひと昔なんていうフレーズがあるけれど、ここでクイーンが対峙するのは12年も前におきた毒殺事件で有罪の刑に服す男の"無実" を証明することだった

 

 

 エラリイはリンダの手をとった。

 「ぼくは百万分の一の見こみが好きなんだ」そう言って微笑む。

 「特に、ひとりの男のことばと、

 ふたりのすばらしい若者に対する信頼のほかに、

 拠りどころとなるものが何ひとつないとなるとね」

 

 

一見、どこにも手がかりがなさそうな中で、クイーンは、たった一杯の飲み物に一縷の望みを託す、、そして語られる "真" の真相とは?

 

 

とても読後感がよいなぁ... 

 

 

一縷の望みを手繰り寄せる場面の、その細い一本の枝が徐々に幹となりやがて大きな太い木となってゆく様を深読みすれば、それは、地方のいち田舎町であるライツヴィルが世界とつながっていたという裏設定にも読めて中々に興味深い、またそこには、本作刊行が1945年だったというところの意味も見え隠れする

 

 

 「たぶん父親はそのためにいるんですよ、クイーンさん」

 

 

そして、ふと帯の裏表紙を見ると、、ん (゚-゚)? 

 

ほ〜✨

 

新訳版シリーズはライツヴィルもの第三弾へ✨探偵小説としては、いわゆる問題作だねぇ これも楽しみだー◎

 

 

 ベイヤードが部屋から出ていくと、エラリイは荷造り再開した。

 だが急に面倒になったので、煙草に火をつけ、窓辺に行って外をながめた。

 ツイン・ヒル墓地に眠るジェシカ・フォックス・・・・・・

 

フォックス家の殺人[新訳]/ E.クイーン 再読

 

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■関連ブログ■

読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
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・2020年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2020年のまとめ) ) 2021-01-06
** あなたにとって読書とはなんですか? **


 死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
 読み終えたかったという願いは叶わない。

 二都物語 / C.ディケンズ
 

 

※2021年に読んだ文庫本など

本陣殺人事件 / 横溝正史 再読

黄色い部屋の謎[新訳] / ガストン・ルルー 再読

黒猫の三角 / 森博嗣 再読

フォックス家の殺人[新訳] / エラリイ・クイーン 再読

モロー博士の島 / H.G.ウェルズ

・斜陽 / 太宰治 
・砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム 
鳥居の密室 / 島田荘司

屋上 / 島田荘司

 

 

 

 

「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、ドコニモ見出セナカッタ。

 タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」

 薔薇の名前 上 / U.エーコ