モロー博士の島 / H.G.ウェルズ | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

  ふりむいた顔を見て、わたしは、アッと声をのんだ。
 こんな醜怪な顔が、顔といえるだろうか! 
 顔面の中央が盛りあがって、ぜんたいが鼻に似たものになっている。

 

 

 

古書店にてカヴァ買い✨

 

この日の収穫はハヤカワ版での初版もの、H.G.ウェルズによるSFの古典、その映画化時のスナップをカヴァに

 

加えて、解説が荒俣宏さんだったしね、ということで(=゚ω゚)ノ〜さっそく✨

 

 

モロー博士の島 / H.G.ウェルズ

 

 
 

原作は意外にも?風刺の効いた「ガリバー旅行記」のような感じも受けて、でもあの獣人たちは、例えば、熊とか豚とかは何かの暗喩にもなっているのだろうか?とすると、熊とはロシアの暗喩??とまぁそんな読み方をしてみるというのも面白いかも

 

 

で、

 

ハイエナって、、(゚-゚)?

 

 

 その下に、口がなかばひらいて、白い大きな歯がのぞいているのだが、

 およそ人間の口としては、地上最大なものであろう。

 両眼はまっかに血走って、瞳孔だけははしばばみ色にきわだっているが、

 白目なんてものは見られない。興奮した表情がギラついていた。

 

 

仮面ライダー (改造人間) の源流をたどればここら辺りになるのかなぁ (・ω・)? つまりは、緑川博士はモロー博士というわけだ、もっともモロー博士がやったのは獣の人化のほうだが、、まぁここらあたりは、つまりは、野蛮なるもの(獣性) は秩序化しうるか?が本作で追及されるテーマのようだから (*1)

 

 

  道であう男も女も、これはけっして人間ではない。やはりこれも、

 あの島でみたと同様に、人間の魂をまねて作りあげた獣人のひとりで、

 人間の外貌こそそなえてはいるが、徐々にまた本来の獣性にもどり、

 凶暴なけものの姿をあらわすときがくるのではなかろうか──

 そういう奇妙な恐怖が、たえずわたしのこころをおびやかしつづけた。

 

 

自由とは何も好き勝手に振る舞うことを言うのではない、それはただ私欲に操られているだけ、私欲を追っているだけ、だからね、森さんのいうところの犬になるかな、、↓

 

 

 「狐は、どちらへも走ることができるんだ。でも、犬たちは違う。

 狐を追いかけなくちゃいけない。狐は自由で、犬たちは不自由」

 神様が殺してくれる/ 森博嗣

 

 

そして、

 

 

 思うに、われわれのうちにある獣性をこえるものは、日常の瑣事をすて、

 罪と悩みを去り、広大不変の宇宙の法則に身をゆだねたときにのみ、

 はじめてその慰藉と希望とを見出しうるのであろう。

 わたしはそれにすべてをかける。希望なくして生きることができぬからだ。

 

 

獣人を造り上げるという主題からして、また、このような文章からも創造主否定のような印象を持ったけど、はたせるかなウェルズは進化論 (人ならざるものが人に進化した) をかなり読み込んでいたようだ、なるほどなるほど 

 

 

_φ(..) と、、

 

 

かくしてわたしは、述懐と妄想のうちに、この感想文の筆をおく◎

 

 *1:この点において、いわゆる改造人間とは本質的に異なるんだなあ

 

 

  わたしはそのそばに坐って、頭を持ちあげてやった。

 かれは、また目をあけて、明けていく空を、しずかに見た。

 わたしの目にあうと、まぶたがたれた。

 「許してくれ」

 最後の努力で、かれはいった。

 

 

 

■関連ブログ■

読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
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・2020年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2020年のまとめ) ) 2021-01-06
** あなたにとって読書とはなんですか? **


 死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
 読み終えたかったという願いは叶わない。

 二都物語 / C.ディケンズ
 

 

※2021年に読んだ文庫本など

本陣殺人事件 / 横溝正史 再読

黄色い部屋の謎[新訳] / ガストン・ルルー 再読

黒猫の三角 / 森博嗣 再読

・フォックス家の殺人[新訳] / エラリイ・クイーン 再読

・モロー博士の島 / H.G.ウェルズ 

・斜陽 / 太宰治 
・砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム 
鳥居の密室 / 島田荘司

屋上 / 島田荘司

 

 

 

 

「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、ドコニモ見出セナカッタ。

 タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」

 薔薇の名前 上 / U.エーコ