「三十九か、四十です」
「命とりになった病気は・・・・・・?」
「人生です」と、わたしは言った。
巻末の訳者小笠原氏による「ロス・マクドナルドの背景」と題された解説 (?あとがき?) が興味深い、本版は絶版でその刊行は1970年代中、それだけに当時のハードボイルド小説の立ち位置が慮れ、今読めばその隔世の感に驚かされる↓
ヴィクトリア女王時代の大英帝国に生まれた狭義の「探偵小説」は、少なくとも創造的な書き手にとっては、すでに存在意義を失い始めていました。
訳者小笠原氏による解説より
往年の名探偵譜にリアリティはなく、かくいうハードボイルド小説に見られる形態になるのは当然のなりゆきだというんだなあ... (がしかし、、)
絶版のままとなっている往年の名作を古書店に探し、そして見つけ出して読む面白さのひとつは、こういった当時の解説を読めるってところにあって✨
→ 最近読んだ 大いなる眠り / R.チャンドラー にあった解説しかり
「ぼくは彼女に夢中でした。それが犯罪でしょうか」
「しまいに犯罪になることは、ままあるね」
ウィチャリー家の女/ R.マクドナルド
変わった題名だなぁ、、まるで「犬神家の一族」のよう、またそもそも依頼人が訳ありふうで、依頼を受けた当初から L.アーチャー の調査はおぼつかない、さて、、
love (愛) の e の字が、行からすこしズレていた。
ひょっとすると、それが手がかりかもしれない。
これは悲劇なのか? あるいは当然の帰結なのか? ミステリィの核はオーソドックスにして、P.マーロウ なニヒルさよりも 時より見せるユーモアにクスクスしながら 若竹さんの書かれる H.アキラ の源流は、こちらの L.アーチャー か? などと
その彼の最後の決断は往年の名探偵 (S.ホームズ) 譜に通じもし、さながら 私立探偵の系譜 としては、その一点だけにおいても十分に正当な継承者であるように思えた
「代理というと、資格は?」
「私立探偵です」
会話も洒落てる✨
ちなみにこちら↓は L の字✨
十年ロマンス / ザ・タイガース
https://www.youtube.com/watch?v=SxIU8660sCw
十年ロマンスと
いわれた愛は
いまもきらめいているだろうか
うーむ、妙にリンクするような、、((((゜д゜;))))??
メドウ・ファームズの町は、
この豊かで醜い砂漠のはずれにあった。
遠くから見ると、
それはさびれきった典型的な田舎町だった。
シリーズ初作の「動く標的」も読んでみたい◎
ハードボイルド
■関連ブログ■
読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
・2019年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2019年のまとめ) ) 2020-01-18
・2020年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2020年のまとめ) ) 2021-01-06
・** あなたにとって読書とはなんですか? **
死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
読み終えたかったという願いは叶わない。
二都物語 / C.ディケンズ
※2021年に読んだ文庫本など
・斜陽 / 太宰治
・砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム
・鳥居の密室 / 島田荘司
・ウィチャリー家の女 / R.マクドナルド
・髑髏検校 / 横溝正史 再読
・宇宙の戦士 [新訳] / R.A.ハインライン
・斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 / 島田荘司 再読
・ガリレオの苦悩 / 東野圭吾
・獣眼 / 大沢在昌
・予告殺人 / A.クリスティ
・エクソシスト / W.P.ブラッティ 再読
・象は忘れない / A.クリスティ
・白骨街道 (ハヤカワミステリマガジン連載) / 月村了衛
・バスカヴィル家の犬 / A.C.ドイル 再読
・トム・ソーヤーの冒険 / M.トウェン 再読
・とるとだす / 畠中恵
・君たちは絶滅危惧種なのか? / 森博嗣
・大いなる眠り / R.チャンドラー
「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、
ドコニモ見出セナカッタ。
タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」
薔薇の名前 上 / U.エーコ