「騒音から逃れるために人間はアルミサッシの窓を持った。
騒音は確かに消えたが、同時に鐘の音も聞こえなくなった。
・・・・・・それに忙しくなったんだ。みんな鐘の音どころではない」
三者三様の女の描き方 (生き方っていうのかなぁ) が、サイドストーリー的には面白かった
最後のカミングアウトには口があんぐりだったけど💦
一方、男どもは少々心許ない
アルミサッシの取り付け方がまだまだ不得手なようだし、その都度、梵鐘を撞く姿を見ては実際に聞こえることを目で確かめている
とはいえそれは、
本当の意味での自立の始まりを意味しているようにも思えるし、
そう見ると、
一見自立しているように見える三者三様の女も、目を凝らせば、ただただ、自らが作った牙城にこもっているだけのようにも思える (?)
「今や、聞く気にならないと聞こえないということですね」
アンチノイズ / 辻仁成
三島由紀夫賞候補作
同年発表の「海峡の光」で芥川賞を受賞するのは翌1997年
本作は耳の三部作のひとつのよう
グラスウールの城、1993
パッサジオ、1995
アンチノイズ、1996
それはそれとして、、
僕も男だからこれから先いつどんな女を的に
激烈な恋に陥らないとも限らない。
然し僕は断言する。
若しその恋と同じ度合の激烈な競争を
敢てしなければ思う人が手に入らないなら、
僕はどんな苦痛と犠牲を忍んでも、
超然と手を懐ろにして恋人を見棄ててしまう積でいる。
彼岸過迄 / 夏目漱石
僕は、こっちの方が好きだな◎
芥川賞作家
■関連ブログ■
読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
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・** あなたにとって読書とはなんですか? **
死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
読み終えたかったという願いは叶わない。
二都物語 / C.ディケンズ
※2021年に読んだ文庫本など
・斜陽 / 太宰治
・砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム
・鳥居の密室 / 島田荘司
・ウィチャリー家の女 / R.マクドナルド
・髑髏検校 / 横溝正史 再読
・宇宙の戦士 [新訳] / R.A.ハインライン
・斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 / 島田荘司 再読
・ガリレオの苦悩 / 東野圭吾
・獣眼 / 大沢在昌
・予告殺人 / A.クリスティ
・エクソシスト / W.P.ブラッティ 再読
・象は忘れない / A.クリスティ
・アンチノイズ / 辻仁成
・白骨街道 (ハヤカワミステリマガジン連載) / 月村了衛
・バスカヴィル家の犬 / A.C.ドイル 再読
・トム・ソーヤーの冒険 / M.トウェン 再読
・とるとだす / 畠中恵
・君たちは絶滅危惧種なのか? / 森博嗣
・大いなる眠り / R.チャンドラー
「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、
ドコニモ見出セナカッタ。
タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」
薔薇の名前 上 / U.エーコ