都市 / C.D.シマック | カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

カーツの歴史散策&御朱印作庭  庭は眺めるものではなく、       出てみるものなのだ、、

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電光影裏斬春風

知っているようで知らない歴史の裏側をそっと、

御朱印帳をたずさえぶらり、ふらり、、つれづれに、、、

日々徒然に

  ああ、われわれがずっと一緒に住めさえしたら。
 そうしたら、何か生甲斐というものも出て来るはずだ。
 もしずっと一緒だったら、
 サラも冷凍睡眠に入る気になぞなりはすまい、
 夢想帽をかぶって液体を充たしタンクの中に
 仮死の眠りを眠る気になんかならなかったろう。
 
 
幼年期の終り / A.C.クラーク とはまた違った、これもひとつの黙示録

1953年度国際幻想文学賞受賞のSFの古典 (1952年発表) 、全8篇からなる連作もので、人類を含めた地上、否、地球に生きるものの行く末とは?

 

 

たしか何かで、押井守さんがこの小説のことを語ってたかな、だから前々から読んでみたかったんだなぁ 

 

 

でも、

 

押井さんはひょっとして犬つながりってのがひとつのきっかけ? エピグラムにはこうあった

 

 

 わがスコッチテリア

  故ナサニエルのために

 

 

第1話は、本書の題名にもなっている「都市

 

都市」というと「イノセンス」にも次のようなバトーのセリフがあったね

 

 

 生命の本質が遺伝子を介して伝搬する情報だとすると、

 社会や文化もまた膨大な記憶システムに他ならない。

 都市は巨大な外部記憶装置ってわけだ。

 バトー「イノセンス」 / 押井守

 

 

その都市から人口が流出し機能しなくなった世界は、何かこのコロナ禍でのテレワークの有様を見ているようなそんな錯覚すら覚える

 

全篇、様々なアイテムが盛り込まれ、とくに第6話が印象に深く、国際幻想文学賞というのもうなずける

 

 

 「ミス・サラのことは、お気の毒に存じます」

 ウエブスターはかぶりを振った。

 「いや、オスカー、あれは彼女が望んだことなんだ。

 一つの人生を脇へそれて、

 別の一つの人生を新たにはじめる、

 それだけのことだ。

 彼女は〈寺院〉にひきこもって、

 くる年もくる年も眠りつづける、

 そしてもう一つ別の人生を生きるんだ。

 しかもこの方はな、オスカー、

 幸福な人生になるはずなんだ。

 何故といって、

 そうなるように自分でお膳立てさせてあるのだから」

 

都市 / C.D.シマック

 

 

 

そう言うジョン・ウエブスターに悲哀を感じるのは、大拙博士のいわれる通りだと思うから

 

 

 永遠の生命などというが、

 そんなものはあり得ない。

 生命は移り変わるのが生命、

 移りかわるそのことが生命だから、

 そのほかに移り変わらぬものがあるとはいわれない。

 移り変わらぬ永遠の生命があるとすれば、

 その生命は生命ではなくて、

 死そのものである。

 時間と永遠 / 鈴木大拙

 

 

先人の言葉をかりるということがある、「イノセンス」のセリフは全てその引用にしたかった とは押井守監督の言葉

 

 

 「わたくしにはお姿が見えませんが」

 とオスカーが言った。

 「うん。いない。にもかかわらず、

 おそらく、わたしはいるんだな。

 あるいはわたしの一部が。

 わたしを生んだもの、

 わたしが生れ出たものの一部が。

 絵にあるあの家ね、あれはオスカー、

 北アメリカのウエブスター邸なのだ。

 そして、わたしはウエブスター家の一員だ。

 それにしても、あの家からずいぶん遠く──

 あの家を建てたものたちからはずいぶん遠くへだたったものさ」

 

 

悲哀だなぁ... 悲哀、そう囁くんだなぁ、、僕のゴーストが、、、

 

 

 「北アメリカはそれほど遠くないでしょう」

 「そうだな」ウエブスターは言った。

 「距離はそれほど遠くない。

 だか、別な意味で遠いのだ」

 

 

 

■関連ブログ■

読書遍歴:ひとはなぜ 物語 を読むのか? 2018-11-28
・特に好きな日本の作家さん
・無人島に持っていく五冊
・そして死ぬまでに、XXX を読み終えたい、、
・2018年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2018年のまとめ) ) 2019-01-08
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・2020年は、こんな本を読んできた ( ひとはなぜ 物語 を読むのか? (2020年のまとめ) ) 2021-01-06
** あなたにとって読書とはなんですか? **


 死ねば大好きだったこの大切な本のページはめくれず、
 読み終えたかったという願いは叶わない。

 二都物語 / C.ディケンズ
 

 

※2021年に読んだ文庫本など

本陣殺人事件 / 横溝正史 再読

黄色い部屋の謎[新訳] / ガストン・ルルー 再読

黒猫の三角 / 森博嗣 再読

フォックス家の殺人[新訳]/ E.クイーン 再読

モロー博士の島 / H.G.ウェルズ

斜陽 / 太宰治
砂漠の惑星 / スタニスワフ・レム
鳥居の密室 / 島田荘司

屋上 / 島田荘司

イルカの島 / A.C.クラーク

鹿の王 水底の橋 / 上橋菜穂子

人斬り彦斎 / 五味康祐

さよならの手口 / 若竹七海 再読

静かな炎天 / 若竹七海

錆びた滑車 / 若竹七海

不穏な眠り / 若竹七海

書楼弔堂 炎昼 / 京極夏彦

ウィチャリー家の女 / R.マクドナルド

髑髏検校 / 横溝正史 再読

宇宙の戦士[新訳]/ R.A.ハインライン

斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 / 島田荘司 再読

ガリレオの苦悩 / 東野圭吾

獣眼 / 大沢在昌

予告殺人 / A.クリスティ

エクソシスト / W.P.ブラッティ 再読

象は忘れない / A.クリスティ (上)

 象は忘れない / A.クリスティ (下)

アンチノイズ / 辻仁成

合唱 (コーラス) 岬洋介の帰還 / 中山七里

コンビニ人間 / 村田沙耶香

機龍警察 白骨街道 (ハヤカワミステリマガジン連載) / 月村了衛

バスカヴィル家の犬 / A.C.ドイル [3] 再読

トム・ソーヤーの冒険 / M.トウェン 再読

・とるとだす / 畠中恵

君たちは絶滅危惧種なのか? / 森博嗣

大いなる眠り / R.チャンドラー

・新編 東洋的な見方 / 鈴木大拙著、上田閑照編 [番外]

爆身 Burn To Death / 大沢在昌

・さよならジュピター / 小松左京

藤井聡太論 将棋の未来 / 谷川浩司[番外]

・ゴッドファーザー/ M.プーヅォ

化人幻戯 / 江戸川乱歩 再読

幻魔大戦1 / 平井和正 再読

・むすびつき / 畠中恵

虚像の道化師 / 東野圭吾

・都市 / C.D.シマック

・虎よ、虎よ! / A.ベスター

アリアドネの弾丸 / 海堂尊

・依頼人は死んだ / 若竹七海

 

 

 

 

 「アラユルモノノウチニ安ラギヲ求メタガ、

 ドコニモ見出セナカッタ。

 タダ片隅デ書物ト共ニイルトキヲ除イテハ」

 薔薇の名前 上 / U.エーコ