R172のSLKが手元にやってきてから2回めの車検が巡ってきました。
購入は2019年12月、そこそこ程度の良い中古車でした。
2年半で1万5千kmくらいの走行です。若い頃から比べると走行距離もあまり伸びていませんね。
車検そのものは取り立てて問題はなく、メンテナンスと言えば、少し開閉が重くなってきたリヤトランクのダンパーとスタビリンクのブーツをそれぞれ交換した程度でした。
ただ本当に交換するべきパーツは別にありました。
実は以前から履いているタイヤがやばいかなぁって思っていたのですが、まぁ車検と同時に交換すればいいかと高をくくっていました。
ところが改めて見たところ、このままでも車検には通るけれど、近頃の豪雨に見舞われたら危険なレベルまで損耗が進んでいて居ることが発覚(^_^;)
昨夕車検も整備も終了して主治医が仕事場まで納車に来てくれました。
で本日、事前に予約していたタイヤ交換専門店に行ってきました。
お店の名前はタイヤフィッター武蔵村山店さんです。
↓
今までずっとタイヤ交換は主治医のところでお願いしていたのですが、なぜ今回は主治医のところで交換しなかった（できなかった）かというと、SLKはRFT（ランフラットタイヤ）が標準装着されているからです。
RFTタイヤの抜き嵌めは一般的なタイヤチェンジャーでは交換作業が難しいのです。
それは後述するタイヤのビードとサイドウォールの硬さに由来します。硬いビードを持つRFTタイヤは専門店での作業が望ましいと、主治医からの助言がありました。
RFTはご存知のようにパンクして空気が抜けてもタイヤのサイドウォールが潰れずに走行可能なタイヤです。一般的には時速80km/h以下で80km程度の距離は走行可能だということになっているようです。
その構造はビードが固く出来ていて、ビードとリムの耳が非常に強固に接合されています。これにより内圧が下がってもタイヤはホイールから脱落せずに済むというわけですね。
そしてもう一つ、空気が抜けてもタイヤがぺちゃんこにならないよう、サイドウォールが潰れない構造になっています。
とはいえ、タイヤ断面は図のように変形することは確かです。つまりパンクしたタイヤ側のボディが下がるわけですから直進安定性も悪くなりますし、急制動などをしてしまうとハンドルを取られてまっすぐに停止しない可能性もあります。
一般道でしたら常識的な速度でパンク修理ができるお店まで走れますが、高速道路上ですとあまりにも低速度では追突される可能性もありますね。80km/hを保証しているのは、きっと高速道路でのアクシデントを防ぐために求められる基準なのではないかと思います。
その反面、タイヤウオールに強度を持たせている構造は乗り心地の悪化を招きます。
ですのでRFTをライン装着してある車はそのタイヤ特性に応じた足回りのセッティングがされていると聞きます。
で、本日午前10時の予約を入れてお店に参りました。
新青梅街道沿いのこじんまりとしたお店。
ネットショップで購入したタイヤを直送してもお受けしてくださるので便利です。
今回は私もそのようにさせていただきました。用意した銘柄はブリジストン・ポテンザS001RFTです。
実はこれ、BMW承認のタイヤでサイドウォールにはその旨の表記がされています。
これを選んだ理由、というか選ばざるを得なかった理由はSLKのタイヤサイズにあります。
SLKの前輪サイズは225/45R17、後輪は245/40R17なのです。つまり前後で幅とアスペクトレシオが異なるのです。
一般的にはタイヤは前輪と後輪が同銘柄のものを選ばなければなりません。ところがこのサイズを同一銘柄で且つRFTタイヤで、となると選択肢がとても少ないのです。
加えて、SLKはすでに生産が終了しているため純正のタイヤ供給もありません。
純正のタイヤはグッドイヤーでした。諸元を見てみると、Li（ロードインデックス）は91以上あれば大丈夫。速度記号はV（240km/h）でよろしいかと思われます。で、このポテンザはLiが91で速度記号はW（270km/h）ですので必要な条件を満たしてくれています。
たぶん店主の山本様。丁寧な接客もさることながら、それ以上に丁寧で手際の良い作業は見ていて気持ちが良いですし安心させられます。
上の写真はタイヤを外したあと、リムのエッジに残ったタイヤカスを真鍮ブラシで磨くように落としているところ。このあとエアーガンで細かな削りカスを吹き飛ばしてくれます。
ホイールが嵌っているのは交換を待っている前輪です。
積んであるのがポテンザS001RFT。トレッドパターンがレーシーに過ぎないところに好感が持てます。走行音も少なそうですし排水効率も良さそうなタイヤですね。
ま、交換すれば検証できますが。
そろそろ嵌め変えが終わりに近づきました。積んであるタイヤが外したグッドイヤーのタイヤ。そして壁にかけてある時計に注目です。
10時からの予約で出向いたのですが9時45分ころには到着して、作業開始は50分すぎからでした。つまりまだ作業開始から20分弱しか経っていません。バランス取りは別な方がやってくれてますから効率的な作業なのですね、きっと。
上2本が前輪、下2本が後輪です（幅が違うのがよくわかります）
矢印を付け加えたのは、後輪がスリックタイヤの如くツルツルになっていることをお知らせしたかったからです(笑)
やはり後輪駆動で過給器付きエンジンですからリヤタイヤにはシビアな状況なのかもしれません。それにエンジンは1.8Lの直4オールアルミでロングノーズ。つまり着座位置は後輪の直前というレイアウトも、フロント荷重よりリヤタイヤへの負荷が大きい理由の一つかもしれません。
こうやって見ると前後でタイヤ幅を変えてあるのはきちんとした理由があるのだと理解できます。
さて交換後にタイヤサイドにワックスを掛けてくださって、尚且つブレーキダストで汚れてるホイールまできれいに拭き上げてくれました。
お支払いを済ませて車に乗り込み、さてそろそろと動かすと・・・・・
動いた瞬間に驚くほどの違いを感じます。まず路面との当たりがソフトなこと、キャビン内がガタつかないこと、それとステアリングの感触が素直になったことです。
RFTタイヤはその構造上、一般的なタイヤよりサイドウォールが硬いのでしなやかさにかけてしまい、どうしても乗り心地に悪影響を及ぼすとされています。
ポテンザS001を選んだ理由は、その点が対応できているとの評判を聞いていたからでした。
海外はいざしらず、日本ではあまりにもゴツゴツとしたタイヤは不評です。ブリジストンはその点でも抜かりなく、このS001はRFTの中ではしなやかで、乗り心地を犠牲にしない開発をされているという評判でした。
ポーランド製なのですね。ま、今はそういう時代ですからそれをどうのこうのとは思いません。
156で履いたポテンザRE050（アドレナリン）はとても素直なタイヤでしたが、アジアンメイドでしたものね。
交換が済んで帰路についたわけですが、少し遠回りして乗り心地とステアリングの変化を確かめながら帰ってきました。
乗り出した瞬間に感じた乗り心地の良さは変わりません。土曜日でしたので幹線道路は交通量が多かったのですが、流れが早いところでは指定された法定速度（60km/h）を超える速度で流れていました。
タイヤノイズは低く、穴を修復するためにところどころアスファルトで補修されたツギハギの路面でも、今までとは遥かにスムーズなキャビンを提供してくれます。
これまではアスペクトレシオが45％とか40％とか薄べったいタイヤだから仕方ないと諦めていた「揺すられ感」も今は全くありません。
太陽のギラギラが苦しいほどに照りつける日ですのでウエット走行はお預けですが、太い3本のグルーブはウエット性能も高いのではないかと思わせます。
このタイヤ、良いかも～！と思わず口に出してしまいました。
新しいタイヤに履き替えたときは、それがどのような銘柄であっても大抵良い印象になるものです。ところがこのS001だけは明らかにそれとは次元が異なります。
新しいシューズに履き替えて、酷暑が過ぎたらロングツーリングにもでかけてみたい。
今年の秋はどこに行こうかなぁ～
また明日ね(^O^)／~~~
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