以下の記事の続きです。
前回はサピと早稲アカという大手塾を取り上げましたが、今回は比較的小規模な塾を取り上げます。
どこにしようか迷いましたが、最近難関校向けの実績が伸びているグノーブルとエルカミノはまず取り上げたいです。ジーニアスは過去の実績が探せなかったので、外します。
また、中小規模塾と言っていいのかわかりませんが、希首都圏もみていきたいと思います。まあこちらも関東での規模は大きくないですからね。
これらの塾の開成・麻布・桜蔭・JGの直近5年合格率を調べます。
グノーブル | |||||||
生徒数 | 開成 | 桜蔭 | 開桜率 | 麻布 | JG | 4校率 | |
2023 | 577 | 13 | 9 | 3.8% | 24 | 17 | 10.9% |
2022 | 504 | 16 | 14 | 6.0% | 17 | 20 | 13.3% |
2021 | 469 | 13 | 10 | 4.9% | 16 | 11 | 10.7% |
2020 | 404 | 11 | 12 | 5.7% | 19 | 10 | 12.9% |
2019 | 342 | 12 | 10 | 6.4% | 11 | 5 | 11.1% |
エルカミノ | |||||||
生徒数 | 開成 | 桜蔭 | 開桜率 | 麻布 | JG | 4校率 | |
2023 | 119 | 13 | 2 | 12.6% | 5 | 0 | 16.8% |
2022 | 104 | 13 | 2 | 14.4% | 7 | 1 | 22.1% |
2021 | 98 | 14 | 3 | 17.3% | 5 | 1 | 23.5% |
2020 | 79 | 10 | 5 | 19.0% | 3 | 2 | 25.3% |
2019 | 86 | 12 | 1 | 15.1% | 7 | 1 | 24.4% |
希首都圏 | |||||||
生徒数 | 開成 | 桜蔭 | 開桜率 | 麻布 | JG | 4校率 | |
2023 | 141 | 9 | 3 | 8.5% | 5 | 3 | 14.2% |
2022 | 145 | 7 | 6 | 9.0% | 8 | 1 | 15.2% |
2021 | 176 | 9 | 5 | 8.0% | 9 | 1 | 13.6% |
2020 | 128 | 7 | 5 | 9.4% | 4 | 3 | 14.8% |
2019 | 128 | 5 | 5 | 7.8% | 1 | 0 | 8.6% |
詳細は前回の記事をご覧頂きたいと思いますが、サピックスの2023年度開桜率は7.0%、4校率は12.1%です。比較としてサピも載せます。
サピックス | |||||||
生徒数 | 開成 | 桜蔭 | 開桜率 | 麻布 | JG | 4校率 | |
2023 | 6730 | 274 | 197 | 7.0% | 197 | 149 | 12.1% |
2022 | 6435 | 282 | 187 | 7.3% | 192 | 128 | 12.3% |
2021 | 6179 | 269 | 160 | 6.9% | 207 | 145 | 12.6% |
2020 | 6013 | 271 | 172 | 7.4% | 183 | 148 | 12.9% |
2019 | 5516 | 273 | 175 | 8.1% | 183 | 125 | 13.7% |
分析
グノーブル
・サピックスの講師陣が分離独立したとされるグノーブルです。生徒数は順調に伸びています。
・開桜率、4校率で見ると、今年はやや振るわなかったようです。ただ、中小規模塾はどうしてもブレがあるのは致し方ないところです。
・直近5年で見ても、4校率ではサピに肉薄していますが、開桜率はややサピに水をあけられています。この点からすると、現状では開成・桜蔭を目指すならまだサピックスに一日の長があるといえるかもしれません。
エルカミノ
・理数系に強いとされるエルカミノですが、こちらも徐々に在籍数を伸ばしていますね。
・開桜率、4校率で見ると、今年はやや振るわない感じではありましたが、それでもサピックスを優に上回っています。それまでの4年間は4校率20%越えですからすごいです(ただ、これはおそらくサピや他塾との併用者も含んでいる数字と推測します)。
・エルカミノは理数系に強いとされるだけに、男子の実績が素晴らしいです。男子の開成・麻布率を出すと、今年も20%近くになります。
・他方、女子実績は伸び悩んでいます。もともと女子の在籍数が少ないということもありますが、今後は女子の在籍数・合格実績の伸長が課題でしょうね。
希首都圏
・関西では灘合格数などでトップ争いをする希学園ですが、関東ではあまり規模が拡大していません。サピックスも関西校は苦戦しているように見えますし、それだけ関東の受験と関西の受験のノウハウや文化は異なるということなのでしょう。
・ただ、開桜率、4校率はなかなかのものです。サピックスを上回っています。
・希学園は関西ベースだけに理数系に強みを持っているからか、やはり男子の方が層が厚そうです。エルカミノと同様に、女子の在籍数・合格実績を伸ばせるかが重要だと思います。
まとめ
・サピ派生系ともいえるバランス型カリキュラムを持つグノーブルよりも、理数系に特に強みを持つエルカミノ・希首都圏の合格率が高いのが印象的です。やはり中学受験は算数が重要、ということを裏付けているように思います。
・グノーブルの目標がどこにあるのかは把握していませんが、個人的には、サピと同じようなカリキュラムだとすると、規模・ノウハウ・集客力で優るサピを超えるのは難しいように思います。
・エルカミノや希首都圏は、サピとは異なり、算数に注力してアドバンテージを築こうというカリキュラムと理解しています。これが一定の成果を上げているように見えます。
・ただそれと裏腹の関係になりますが、エルカミノ・希首都圏は女子の在籍数・実績が伸び悩んでいるように見えます。理数系に強いという印象が、逆に女子の入塾のハードルになっていることが考えられます。女子でも、やはり算数ができることは強みになることは間違いないです。例えば、桜蔭の算数はかなりの難度ですし、渋幕や渋渋などの共学校では算数男子と同じ問題を解くことになります。女子も算数でアドバンテージを築こう、という方向性をよりアピールできれば、女子の入塾者を増加させることができるのではないでしょうか。
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