いつも記事の下の方で紹介していますが、改めて考えると本腰を入れて紹介したことがなかったと思うので、今日は平面図形・立体図形を得意にするための問題集をご紹介します。
もう定番ですがこちらです。
東京出版『図形の必勝手筋』
この問題集を、付属のカード問題まで一通りやれば、開成や渋幕の算数の図形問題を優に攻略できるレベルになれます。灘の図形問題はさらにもうワンステップ必要な気がしますが、これだけでも合格レベルには達しうるでしょう。
ただ、さらっと1回流しただけでは難しいかもしれません。本書の冒頭にあるように、何度も繰り返して問題を見たらすぐに解法が思い浮かぶくらいになれば、もう図形問題で怖いものはなくなります。そのレベルに達した子ができない問題は、誰も出来ないからです。
サピックスの算数に加えてこれをやる必要があるか?というところですが、我が家では意味があったと思います。サピックスは5年生の終わりまでは図形問題がやや手薄だと感じます。6年生で一気にギアを上げていくイメージで、それについていければいいのですが、図形問題に苦手意識があると苦しいかもしれません。6年生のSS開始前(夏休みの終わり)くらいまでにこちらの問題集を一通りこなしておくと、余裕が出てくると思います(図形苦手な場合はA・B問題まででもいいと思います)。
本書の構成
本文はだいたい1冊あたり45問くらいの例題があります。そこで図形問題の基本的な「作法」が網羅されています。
そして切り離し可能なカード問題が付属しています。これがそれぞれ200問以上あります。2冊合計で450問くらいですね。
カードには、それぞれ本文の例題のどれに関連するかと、難易度がA-Dで表示されています。表面が問題、裏面が解答です。
とにかく問題の量が凄いので、これだけやればそりゃできるようになるよね、という感じですね。
なお、カード問題の解説編はスペースの関係上かなり簡略化されています。難易度CとかDの問題になると、場合によっては子供だけでは理解できず、さらに解説をしてあげる必要があるかもしれません。
いつやるか?
我が家では5年生の春、コロナ休講があった時くらいから取り組み始めました。下記の⑧(立体図形編のカード全て)まで終わったのが6年生の冬~春くらいだったでしょうか。少しずつじっくり取り組んだので、およそ1年間かかりました。そこからはメンテナンス的に何回も間違えたカードをたまに見返すくらいでした。
従って、5年生で、ある程度図形が得意な子はそろそろスタートしてもよいかも知れません。その場合かなり余裕をもって進めることができます。
6年生が今から取り組み始めるのであれば、もうちょっとスピードアップしたいですね。SS・過去問が始まると時間がなくなるので、夏休みまでにある程度終わらせておきたいです。図形が得意な子なら例題+A-C問題まで(D問題は余裕があれば)、図形があまり得意でない子なら例題+A-B問題まで、とカード問題を絞って取り組んでもいいと思います。
我が家の取り組み方
進め方は以下のとおりです。全てノートにやりました。5年生の春にスタートしているので、毎日地道に少しずつやる感じです。1日15分から長くても30分というイメージです。
平面図形編
①例題+AB問題
②AB問題(間違えたもの)+C問題
立体図形編
③例題+AB問題
④AB問題(間違えたもの)+C問題
平面図形編
⑤ABC問題(間違えたもの)+D問題
⑥間違えた問題をできるようになるまで繰り返し
立体図形編
⑦ABC問題(間違えたもの)+D問題
⑧間違えた問題をできるようになるまで繰り返し
以下少しご説明します。
①まず例題を解きます。そして、その例題に関連するカード問題のうち、AとB問題を解きます。まずはそれを平面図形編の例題がすべて終わるまで続けました。
②そして平面図形編の例題+カードのAB問題が終わったら、次に一度解いたAB問題と、C問題に取り組みました。その段階でできなかった問題にはチェックを付けておきました。
③④同じことを立体図形編でも行います。
⑤立体図形編のABC問題までおわったら、平面図形編に戻って、A-C問題で間違えたもの+D問題に取り組みました。
⑥⑤で間違えた問題にはチェックをつけて、繰り返し解きました。なおD問題は非常に難しいので、まあできなくても問題ないと思います。ただ息子は全部完璧にできるまで繰り返したがったので、そのような状態になるまで取り組みました。一番回数を要したので4回くらいだったでしょうか。
⑦⑧平面図形編が終わった後に、図形の移動・立体図形編にうつって同じ事を行います。
⑨あとは適宜苦労した問題のみたまに見返しました。
ちなみに取り組むといっても、問題数が非常に多いので、2-3回目以降はかなり省力化しました。いちいち式などは書かず、問題を見て解法を考えたら答えを確認し、あっていればOK、間違っていたらもう一度、という感じですね。
基本的に私が解説したものはほぼありませんでした。カード問題も自分で解答をみて解決できていたようです。
効果
息子は図形問題がもともと得意といえば得意だったのですが、さらに伸ばすことができたと思います。本人曰くですが、サピの校舎では図形は一番できるという自負があったそうです(真実はわかりませんが。笑)。
確かに過去問のできなどを見ていても、難問が多い開成や渋幕の図形問題も概ね解き切れることが多かったですし、少なくとも図形問題である程度のアドバンテージを取れるくらいにはなったと思います。
今年の開成の大問1(4)(平面図形)や大問2(立体図形)は難問ではなく、本人曰く「もっと難しい図形問題を出してほしかった」と偉そうに言っていました(笑)。渋幕の大問4(平面図形)、大問5(立体図形)は「大問4は完璧、大問5もたぶんできた」ということです。もちろんこの問題集だけのお陰ではないですが、図形問題を得意にするエッセンスはここに詰まっていると感じます。
なお、図形があまり得意でないお子さんについては、例題とAB問題に限定して取り組んでもいいかも知れません。それだけでも効果は見られると思います。
おまけ:立方体の切断の攻略
6年生は立体切断の演習がそろそろ始まってますかね?立体切断は実物でイメージできるといいので、こちらも定番商品ですが下記などはお勧めです。
ただ、立体図形感覚がもともと相応にあるよ、という子には必要ありません。我が家でも買ったはいいですが結局ほぼ使いませんでした。立方体限定ですので、灘や開成などもっと複雑な図形の切断の問題には対応していません。あくまで立体切断の基礎の基礎の理解のための教材だと思ってください。
従って、立体切断の易しい問題に取り組ませて、それでもちょっと理解できてないな、という場合にはいいと思います。
なおたまに売り切れるので、そうするとプレミアが乗って高騰しますので注意です。
最後に
最後に、同じ東京出版の『必ず解きたい算数の100問』が発売されましたね。こちらも別記事でご紹介しましたが、大変おすすめです。
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我が家の中学受験総括記事はこちらです↓
中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)
中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)
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↓A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。
↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。
↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。
↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。
↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。
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