東京出版 算数「ステップアップ演習」 | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

メッセージで、東京出版「ステップアップ演習」についても「必ず解きたい算数の100問」と同じくらい内容などの解説をして欲しいとのご要望を頂いたので、ご説明したいと思う。まだ受験も終わってないのに、あまり書評のようなことはするべきではないのではないかとも思うが、主に後輩の皆様のためにご参考になれば。

 

 

 
概要
この問題集は「中学への算数」で有名な東京出版から発行されているもので、初版は平成12年ともう20年以上前になる。問題は過去の入試問題からピックアップされており、21の章立てに分けられて、全部で346題掲載されている。
 
東京出版基準で、基本~標準レベルの問題とされていて、「プラスワン問題集」と双璧をなすものだ。「プラスワン問題集」と「ステップアップ演習」は難易度が類似しているので、どちらかをやる人が多いと思う。
 
私は安易に「ステップアップ演習」に決めてしまったので、「プラスワン問題集」についてはあまりコメントできないが、結果的に「ステップアップ演習」だけで問題なかったということは言えると思う。
 
内容・構成
章立ては以下のとおり。結構細かく分かれているので、全部やらなくても、この単元を固めたい、とかそのような目的にも使いやすい。
 
数と計算の20題
整数の20題
数列の20題
規則性の20題
発想と論理の20題
場合の数:整理して数えあげる16題
場合の数:考え方の工夫を身につける16題
グラフ、ダイヤグラムの15題
角度の17題
面積の19題
相似と面積比の23題
図形の見方と移動の18題
立体の基本19題
立体の応用15題
比と相当算の20題
線分図で解く10題
面積図で解く11題
仕事算などの10題
レベルアップのための16題
速さの基本11題
速さの応用11題
 
難易度表示は、中数方式のA-Cではなく、難易度が高めの問題に印がついているという形式だ。
 
章ごとにまとまって問題が並んでおり、その後に解答解説、という構成になっている。
 
難易度・対象
東京出版のサイトの紹介だと、難易度は「基礎から標準」を謳っており、「小5春頃から『ステップアップ演習』で基礎固めをしましょう」と書いてある。
 
しかしながら、東京出版の難易度表示はあくまで「6年生の難関校受験者」を標準としているので(※公式見解ではなく、私の個人的な感覚です)、これを真に受けてはならない。「基礎から標準」といっても、算数が比較的得意な子にとっての「基礎から標準」なので、算数が苦手な子には少々難しいはずである。もともとが入試問題なので、当然それなりに骨がある。サピックスの5年生の教材の「デイリーサピックス」でいえば、★2個から、場合によっては★3個くらいの難易度とお考え頂ければと思う。
 
(なお、サピックスの★3個は幅が大きくて、特に「思考力」は★4個以上つけてもいいような問題もよくあるので、そのあたりの難易度表示はもうちょっと細かくして欲しい。)
 
従って、サピックスでそこそこ算数ができているのに、この問題集に取り組み始めてあまりできないと、「うちの子は大丈夫なのか」と思ってしまうかもしれないが、この時期にそこまでできなくてもあまり問題はないと思う。むしろそのくらいの受験生にこそ実は丁度良い問題集だと思う。
 
一方で、算数が明らかに苦手な子に関しては、この問題集に手を出すより、サピックスの算数の基本問題の復習に注力するべきではないかと思う。
 
まとめると、お勧めの学年・受験生は算数の得手不得手に応じて以下の通り(個人的見解です)。
 
新5年生の場合
算数が得意な子:既習分野のやや応用問題の演習、先取り用
(目安:サピ算数偏差値65以上)
算数が平均的な子:既習分野の基礎~標準問題演習
(目安:サピ算数偏差値55以上)
算数が苦手な子:手を出すべきでない(むしろサピックスの★1から★2の問題を復習して完璧に)
(目安:上記以外の子)
 
新6年生の場合
算数が得意な子:苦手単元に絞って基礎固め(苦手がないなら不要)
(目安:サピ算数偏差値60以上)
算数が平均的な子:既習分野の基礎~標準問題演習
(目安:サピ算数偏差値50以上)
算数が苦手な子:手を出すべきでない(むしろサピックスの問題を復習して完璧に)
(目安:上記以外の子)
 
なお、私の基本的な考え方は、通塾しているのであれば塾のカリキュラム最優先、というものなので、他の参考書・問題集はあくまで+αである。その塾のカリキュラムの修得が甘いのであれば、学年を問わず、まずはそちらを完璧に仕上げるべきだと思う。
 
ちなみに新6年生で、サピの算数はできます、苦手単元はあるけど基礎は大丈夫です、ということであれば、ステップアップ演習はやらなくてよく、月刊「中学への算数」「必ず解きたい算数の100問」がおすすめである。
我が家の場合
以前記事にしたが、息子は上記カテゴリーでいうと、算数の得意な5年生だったので、春くらいから基礎固め・先取り用に取り組んだ。ただ、コロナ休校があったので、想像以上に短期間で終了できた。
 
やり方としては、既習単元については1時間でできるだけやって、答え合わせし、分からなかったものは解説を読む(あまりなかったが、それでも分からなかったものは私が解説)、というのをひたすら繰り返した。
 
未修単元については、私がまず一般的な解説、その後1問ずつやっていく、という形式だ。未修単元について教えられる方がいない場合は、この1冊だけで子供が未修分野を修得できるわけではないので、ご留意頂きたい(その点は予習シリーズあたりがいいと思う)。先取り用、というのはあくまで先取りした場合の問題演習用、ということである。
 
 
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