中学受験総括記事の続きです
3 塾の掛け持ち
塾選びに関連して、塾の掛け持ちについて述べます。
4年生以前
我が家は3年生のサピ入塾時から4年生の終わりの算数塾を辞める時までは、ダブルスクールという形になっていました。
これが良かったか悪かったか、と言えば良かったと思います。それなりに負担はあったと思いますが、4年生のサピはまだ週2日ですし、算数塾は週1日でしたので、5年時の週3日の塾通いを1年前倒ししていたくらいの感覚です。
これによって算数の先取りを無理なく進めることができましたし、5年生以降の家庭学習での算数先取り継続の礎になったと思います。
何より、本人が楽しんで通ってましたから、本人も負担はあまり感じていなかったと思います。
ダブルスクールをする場合、「本人が楽しんで通えているか」が一番大事だと思います。無理矢理手を広げてもいいことはありません。無理矢理手を広げるくらいであれば、サピに通っているのであればサピのカリキュラムを完璧に仕上げることを優先するべきです。
5年生以降
新5年生の頃に、コロナ禍で塾が休講となったこと、私も在宅することが多くなったことなど、色々と条件が揃ったので、自宅学習で算数をどんどん進めようという方針に転換しました。
そのように決めたのは、筑駒・開成の算数を最終目標とすると、算数はできるだけ早く全単元の基礎を終了し、応用・発展問題の演習に力を入れた方がいいと考えたからです。そして、私が在宅が多くなったこともあり、全単元の基礎を終了させるまでは私が教えることで何とかなりそうだと感じたからでした。
今にして思えばギャンブルだったかも知れません。正直あまり人にお勧めできる方法論ではないと思います。普通であればそのまま算数塾に通っていたでしょうから、コロナ禍における特殊事例と言えるかも知れません。
ちなみに、5年生時の自宅での算数の進め方については、結構記事にしているのでここで多くは語りません。
詳細は以下の記事でご確認頂ければと思います。
なお、算数塾に通わせずに先取りすることも可能ではあると思いますが、①本人が算数が好きで、算数の先取りを楽しめること、②わからない時に、すぐに適切に教えられる者がいること、③適切な課題を与えられる者がいること、という条件が必要だと思います。1つでも条件が欠けるのであれば、家庭学習での算数の先取りはおすすめできません。
算数塾をやめて以降は、塾としてはサピ一本です。模試は早稲アカの模試をたまに受験していましたが、単科講座等を含めてサピ以外の講座を取ったことはありません。
6年生以降、他塾講座の要否(特に筑駒対策講座)
新6年生の今の時期、他塾からの誘惑は多いです。
新6年に上がる時期、6年後期開始時期、直前期が三大誘惑の多い時期でしょうか。特に特待生ですからどうぞ、という勧誘などがあると、タダとか割引価格ならいいかとついつい乗ってしまいそうになるでしょう。保護者の方で自制心を持つなど注意が必要です。笑
私は大手塾の掛け持ちについては原則として否定的な立場です。もともと併用前提の算数塾や、単科講座などであればまだいいですが、例えばサピックスと早稲アカNNの掛け持ちなどは、無駄が多くあまり有益とは言えないと考えています。
成功者バイアスじゃないか、というご意見もあると思いますが、仮に息子が不合格だったとしても、それは他塾の講座を取らなかったからではなく、サピでの課題を完璧にできなかったからだ、と捉えていたと思います。
さて、ではなぜ掛け持ちをしようとするのでしょうか?その動機は①志望校のレベルに足りていないと感じるから、講座を追加したい、②志望校のレベルに足りているが、サピだけでは筑駒や灘対策が足りないと感じるから、それに特化した講座を追加したい、あたりでしょう。
以下これらについて考えてみます。
①志望校のレベルに足りていないと感じるから、講座を追加したい
この場合、サピのテキストを完璧にするのが先決です。手を広げても何もいいことはありません。
サピでカバーしていない内容を、他の大手塾で教えてくれることということはまずないでしょう。まあ他塾を受講していないのでわかりませんが、あの膨大なサピのテキストでカバーされていない内容があれば教えて欲しいところです。もしサピのテキストを自力で完璧にできない、ということであれば、まずサピの先生に対策を相談するべきだと思います。それでどうしようもなければ、頼るべきは他の大手塾ではなく、プリバートなどの個別指導や優秀な家庭教師になるでしょう。
そして、もしサピがそもそも合わないから成績が伸びない、とお考えなのであれば、併用ではなく転塾を検討するべきです。その後の多忙な1年を考えると、新6年がギリギリのタイミングだと思います。
②志望校のレベルに足りているが、サピだけでは筑駒や灘対策が足りないと感じるから、それに特化した講座を追加したい
この場合、灘については息子は受験していないのでわかりませんが、筑駒対策はサピで十分だと思います。ここは最大限強調したいです。
正直、私も筑駒対策講座については追加を迷いました。過去問をご覧になるとお分かりになると思いますが、筑駒の入試問題はかなりユニークです。算数の出題は灘・開成とも異なり独特です。国語は関東の難関校では唯一ほぼ毎年詩が出題されます。理科の力学は力学の問題というより知能テストで、灘や開成の問題とは異なる難しさです。社会の長いリード文と「全て選べ」問題もやはり独特です。
おそらく、志望校の過去問を1年以上前から検討している熱心な保護者ほど、不安が募るはずです。サピは筑駒対策をあまり謳っていないけど、本当に大丈夫なのか?と思うでしょう。まさに私もそうでした。笑
サピは宣伝が下手なのだと思いますが、一見、筑駒についてはあまり対策講座がないように見えます。確かに筑駒単独の冠コースが設置されている校舎はおそらくないですし、校舎によっては筑駒と名の付くコースが一つもない校舎もあるようです(地理的要因もありますが)。
しかし、6年後期の土特では算数や国語で筑駒対策プリントをやります。また理科も筑駒・灘などをターゲットとした難関校対策プリントをやります。これは筑駒の力学・電気にも対応しています。もちろん筑駒の過去問をやれば添削して頂けます。結論として、筑駒対策は十分すぎるほどと感じました。
その結果はサピの筑駒合格者数を見れば明らかです。筑駒対策が弱かったら、あのような圧倒的な数字は残せません。
サピ以外の塾は、サピは筑駒対策が弱い、などと言って勧誘してくることもあると思いますが、不安にならずサピについていくだけで十分だと思います。
ちなみに他塾の筑駒対策講座ですが、受講していないのでそれが有益かどうか評価できる立場にありません。ただ、他塾だけが持っている筑駒対策のノウハウなどというものがあるのでしょうか?筑駒合格者数で圧倒しているサピにこそ、そのノウハウが集積していると考えるのが合理的だと思います。
すみません、私はサピ生の親なので、つい熱くなってしまいました。笑
誤解のないように言っておきますと、もちろん他塾メインで通われている筑駒志望の方も、その塾での筑駒対策カリキュラムを完璧に仕上げれば筑駒に合格できるよう作られているのだと思います。私がいいたいのは、何であれメインの塾のほかに、他の塾や講座に手を広げるのは慎重に、ということです。
なお、サピで筑駒を目指す場合に1点注意があります。地理的な要因などで筑駒志望者が多くない校舎では、筑駒対策プリントを土特などで取り扱わない場合がありえます。
従って、筑駒志望のお子さんをお持ちの場合、所属校舎で筑駒対策をどの程度するかについて、6年前期の個人面談で尋ねてみることをお勧めします。
それで、筑駒対策も十分やりますよ、ということであればそれに乗っかればいいですし、そうでない場合であっても、筑駒対策プリントをやらせて欲しい旨リクエストするといいと思います。おそらくどの校舎にも何人かは筑駒志望者がいると思いますので、その数人を対象に筑駒プリントを配布して下さると思いますし、もちろん添削もしてくれると思います(タイミングとしては6年後期になってからだと思いますが)。
↓A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で38,000円くらいで購入できればいいと思います)。
↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。
実際に使用してお勧めできる参考書・問題集