中学受験 思い付きメモ 補足④-『中学への算数』の使い方 | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

中学受験総括記事の補足記事です

 

これまでの記事はこちら↓

中学受験総括①-項目の検討と前書き

中学受験総括②-開始時期と塾・校舎選び

中学受験総括③-塾の掛け持ちについて

中学受験総括④-6年開始から夏休み前まで(算数)

中学受験総括⑤-6年開始から夏休み前まで(国理社)

中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)

中学受験総括⑦-6年夏休み

中学受験総括⑧-6年9月から12月(1週間スケジュール)

中学受験総括⑨-6年9月から12月(サンデーサピックス)

中学受験総括⑩-6年9月から12月(過去問)

中学受験総括⑪-6年9月から12月(平常・土特)

中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)

中学受験総括⑬-6年冬期講習・正月特訓

 
コメントで、『中学への算数』の使い方について説明して欲しい旨ご要望頂きましたので、こちらでご説明します。
 
1 4月号は入門編
 
月刊の『中学への算数』最新号(4月号)はこちらです(↓)。
 

 

実は毎年4月号は、中数のお試し号としてオススメです。なぜなら、中学への算数は原則として月毎に対象となる単元があるのですが、4月号は特定の分野を対象としておらず、『中数必須手法』を対象として、中数への入門編みたいな内容になっています。

 

もしこれから中数を始めようか検討中、ということであれば、まずはこの4月号を手にとって実際にお子さんに取り組んでもらい、定期購読するか、購読したとしてどの記事に取り組むかなど、その後の方針を決めるのがいいように思います。

 

2 活用方法
我が家では5年生の春くらいから『中学への算数』をスタートしました。何ヶ月か分を進めた上で、上記の記事をまとめています。5年生の春から入試まで2年分の中数に取り組んだことになります。
 
上記の記事で書いたことは、今振り返って読んでも違和感はありません。ただ、この記事の時点で息子はまだ5年生の夏なので、こなすのはそれなりに大変だったと思います。
 
3 取り組むかどうかのガイドライン
 
どのレベルであれば中数に取り組むべきかについて、個人的な意見ですが、志望校別にシンプルなガイドラインを示したいと思います。関東の男子校・共学校限定です。
 
筑駒・開成・聖光・渋幕志望:推奨
 
→特に筑駒・開成は算数の受験者レベルが非常に高いです。そこで負けないようにし、あわよくば差を付けるためには、中数に取り組んだ方がいいと思います。
 
聖光・渋幕では、中数で算数を得意にできればかなりアドバンテージになります。特に聖光の速さや場合の数渋幕の平面・立体図形など、難問が出題されがちな分野を強化する目的で、その分野の特集月だけ活用する、という使い方もあると思います。
 
麻布・武蔵・栄光・渋渋・駒東志望:算数が得意で差を付けたいなら推奨
 
→算数の出題難易度は上記の学校に匹敵するものがあります。従って、算数で大きく差を付けて合格を勝ち取るという戦略を取るのであれば、中数はオススメです。
 
海城・早稲田・慶應普通部・慶応中等部:必要なし
 
→もちろんこれらの学校でも難しい問題が出題されることはありますが、総じて標準問題をきちんと取れれば合格できる内容です。中数に手を出すよりも、サピの算数を完璧にした方が効率的だと思います。
 
我が家でその後どのように取り組んできたかは、随時記事の中に書いていますが、以下で簡単にまとめます。
 
 
4 実際の取り組み方(5年生)
 
基礎固めはステップアップ演習
 

まずは中学入試の算数の単元の基礎を一通り終わらせるために、新5年生の頭くらいから東京出版の『ステップアップ演習』に取り組みました。ステップアップ演習については、以下にまとめていますのでご覧下さい。ちなみにこれは先取りのために5年生で取り組んでいるので、サピのカリキュラム通りに進めて、6年生になって中数をやろうという場合は特に必要ないかもしれません(算数の力次第)。

 
 
取り組んだ項目
 
これが完了した後に、応用・発展問題にさらに取り組もうということで、中数に取り組み始めました。5年次に取り組んだ問題は以下のとおりです。
 
『レベルアップ演習』
『要点整理』
『日々の演習』
『発展演習』
 
これらの項目の詳細は上記の記事に書いていますので、ご覧下さい。サピの算数の復習はかなり省略していたこともあり、割と余裕がありました。そこで、家庭学習として、だいたい上記を3週間くらいで終わるように取り組んでいたと思います。次の号がくるまでには必ず終わらせる、というスケジュール感です。
 
なお、1回やって終わりではなく、間違えた問題については2回目をこの3週間で終わらせていました。
 
注:中数の問題は概ね前年度の中学入試の過去問から取られています。志望校候補の問題は飛ばすようにしてください。6年夏以降に過去問演習をする際に初見でやれるようにするためです。
 
難問に時間をかける
 
ちなみにこの頃の正答率ですが、おぼろげな記憶ではありますがだいたい以下のような感じです。
 
『レベルアップ演習』-8割
『要点整理』-7割
『日々の演習』-6-7割(小問ベース)
『発展演習』-4割(小問ベース)
 
この頃はまだ時間もあったので、まずはできるだけ自力で解くこと、わからないからといって直ぐに解答をみないことを徹底しました。ただ息子は言わなくても自力で解きたがったので、下手をするとこちらが「もう解答みたら?」といっても「イヤだ」といって1時間くらい1問で粘ることも多々ありました。特に『発展演習』は難関校の算数の中でも骨が折れる問題ばかりなので、5年生ではそうおいそれとは解けません。それでも何とか食らいつこうとしていました。
 
今にして思えば、あの時間も無駄ではなかったのかも知れないなとお思います。6年生、特に9月以降になると、そのような贅沢な時間の使い方はできません。5年生のうちに時間を使って難問にチャレンジする経験を積めたのは、その後開成や筑駒レベルの問題で、「簡単にあきらめず、何とか正解に辿り着こうとする胆力・思考力」をつける上で役立ったように思います。
 
親の「待つ力」の鍛錬
 
また、副次的ですが、親の方の「待つ力」「子供を信じる力」のトレーニングにもなります。男子には結構多いと思うのですが、お子さんの勉強を見ていて、問題を考えているのか、ただぼーっとしているのかわからない、ということありますよね?
 
息子は基本的にあまり手を動かさず頭の中で思考するタイプです(一般的には推奨されないと思いますが)。なので、あまりにも長く考えている時には、ただぼーっとしているか寝ているようにしか見えないことがあります。将棋の長考みたいな感じで、ただじっと問題を見つめていたり、虚空を見つめていたりすることがあります。
 
最初は「考えてるの?」とか「手を動かしたら?」とか口出ししていましたが、その長時間の思考の後に、猛然と計算して正解を導くということがしばしばありましたので(もちろんそのまま分からず終わるということも多いのですが)、これが息子のやり方なんだと思って、こちらも息子が長考に入ったら何も言わず待つことにしました。やることが山積していると、こちらも忍耐力が必要ですが、中数に取り組んでいる時くらいは我慢しようと割り切りました。
 
後から考えると、これは受験期間を通して親の「待つ力」の鍛錬になりました。最初はヒントを出したり、教えたりたりすることも必要かも知れませんが、どこかのタイミングで親は手取り足取り教えるのをやめ、子供が自分で解決を導けるようにする必要があります。口出しせず待ってあげられること、これは受験生の親にとって結構大事な気がします。
 
そんな形で丸1年中数に取り組み続けたことによって、中学受験算数についてはほぼ全ての単元をカバーすることができましたし、本人の自信にも繋がったと思います。
 
5 実際の取り組み方(6年生)
 
取り組んだ記事
 
6年生になると、土特も始まりサピも忙しくなってきます。特に後期は時間がありません。また、我が家の場合は中数も2年目に入ることになるので、取り組みは以下の記事のみとしました。
右は正答率です。
 
『日々の演習』-8-9割(小問ベース)
『発展演習』-6-7割(小問ベース)
 
上記のとおり目に見えて正答率は上がりました。中数を2年やることの効用は、このように算数の力が付いていることを確認できる点にもあると思います。
 
取り組む記事を減らしましたし、正答率も上がって時間がかからなくなってきたので、だいたい10日から2週間もあれば終わるようになりました。
 
その他の記事に取り組んでもよかったのですが、それは息子がやりたい時にやりたいものだけやれば、という感じですね。
 
必ず解きたい算数の100問
 
そうすると、中数の最新号がくるだいたい毎月20日くらいから、翌月の頭くらいまでは最新号の中数をやるのですが、その後次の号がくるくらいまでは時間の余裕ができます。そこでは同じ東京出版の「必ず解きたい算数の100問」などに取り組んだり、志望校の過去問などに取り組んだりしていました。

 

 

 

ちなみにこの「100問」の難易度表示も、中数の難易度表示も同じAからCなのですが(Cの方が難しい)、「100問」の難易度表示の方が低めになっていると思います。つまり「100問」でB問題になっていても、中数ではC問題レベルになる問題が含まれていると感じます。なので、最初に「100問」に取り組む時に、B問題の出来がよくなくてもあせる必要はありません。

 
6 まとめ
 
このように、我が家は中数には大変お世話になりました。入試が終わった今振り返ると、本当に取り組んでよかったなと思います。
 
特に、我が家は算数先取り組でしたので、いつ数強勢に追いつかれるか常にヒヤヒヤしていました。私の見立てでは、息子は決して産まれながらの数強ではありません。「できない訳じゃないけど、まあそこそこだよね」というくらいです。例えば、筑駒や開成の受験生の中で、常に算数で圧倒的な差を付けられるというほどではありません。
 
それでも、本番入試では算数でもそれなりのアドバンテージを築くことができたと思います(もちろん採点結果がでているわけではないので憶測ですが)。これは、サピに加えて中数への取り組みのおかげだと考えています。
 
もちろん、中数なんて全然やらずに合格している受験生もたくさんいると思いますし、開成・筑駒合格のためには中数が絶対などということを言うつもりはありません。
 
ただ、算数が好きで、サピの算数だけでは少々物足りない、そういう子に取っては、中数は良問を潤沢に提供してくれる信頼できる雑誌です。私は自信を持っておすすめします。
 
 

 

 

 

 

 

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↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。

 

5年生で取り組んだ問題集 算数編

 
 
 
 
 
 
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↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。
 

 

 

実際に使用してお勧めできる参考書・問題集