『中学への算数』の活用方法について | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

難関校受験生の算数を鍛える雑誌として名高い『中学への算数』。今年の5月以降ゆっくりと取り組んできた。そこで簡単に感想めいたものをまとめてみたい。なお、まだ5年生の保護者としてはちょっと先走りすぎている意見かもしれないが、現時点の個人的見解としてご容赦頂きたい。

 

 
1 対象となる受験生
最初に結論めいたものを書いてしまうと、個人的な考えだが、中数に取り組んだ方がいい受験生は、だいたい以下のような感じだろう。   ①大手塾に通っておらず、自宅学習で中学受験算数を完成させたい。 ②大手塾に通っているが、先取りして算数を完成させたい。 ③算数の難易度の高い難関校(特に男子)志望。 ④大手塾の算数では物足りない算数好き。   算数の配点、難易度が高い関西ではまたちょっと違うかもしれないが、関東で中数に取り組むべき受験生はそこまで多くないと思う。特にサピやその他の大手塾に行っていれば、普通はその算数だけでも十分ではないだろうか。まだ私は6年生のカリキュラムは未経験なので推測だが。  

ただ、関東でも筑駒や御三家レベル狙いで、算数を得点源としたいという子であれば、取り組んだ方がいいと思う(サピでもすすめる講師もいるそうだ)。ただその場合も毎号毎号やる必要はなく、苦手分野の補強や得意分野を伸ばすなど、必要に応じて活用すればいいのではないか。

 

息子に取り組ませている理由は②から④か。算数が好きだし、かつて算数塾に通い、問題集で一応すべての分野を先取しているので、5年生のサピの問題は物足りない(思考力や入試問題に挑戦はできないものもあるが)。そして、志望校の選択肢を広げるという点からもできれば難関校の算数に十分対応できるようにしたい、というあたりが理由である。ただ、コロナ休校時に時間があったというのもきっかけではある。

 
2 中数の内容

 

 

まず毎号の特集から。なお、下記は後述する「日々の演習」のテーマであり、レベルアップ演習はまた異なるテーマなので気を付けて頂きたい。

 

4月号 中数必須手法

5月号 和と差の文章題

6月号 角度・面積・体積

7月号 比と文章題

8月号 図形と比

9月号 速さと比

10月号 立体

11月号 整数

12月号 規則性

1月号 場合の数

2月号 論理

3月号 総合演習

 

 

 

なお、各号の主要な内容は以下の通り。

  ①レベルアップ演習 ②要点整理 ③日々の演習 ④発展演習 ⑤学力コンテスト ⑥中数オリンピック

 

 

3 中数の各記事の紹介

    ①レベルアップ演習

 

おすすめの利用方法

 

5年生

算数得意な子-既習単元を固める、未習単元の先取り

 

6年生

算数得意でない子-苦手分野の強化(但し、大手塾のカリキュラム優先)

算数得意な子-入試に向けての基礎固め

 

    

各号ごとのテーマに沿った基本問題がまとまっている。中数の中では一番取り組みやすい。

  ただ基本問題と銘打っているものの、出典は入試問題なので、それなりの難度である。5年生で算数が凄く得意な子や6年生の上位層には比較的容易でも、5年生の算数ちょっと得意くらいの子や、算数がさほど得意とは言えない6年生は苦戦してもおかしくない。サピの5年生でその分野習いたて、くらいだと、算数が得意でもできない問題はそれなりにあると思う。   ただ、このレベルの問題は5年後半以降いくらでもサピでやることになるので、先取りを考えていなければ、あえてレベルアップ演習だけを目的として中数を購入する必要はないだろう。また、5年生でも6年生でも算数がさほど得意とはいえない子は、まずはサピや通っている大手塾の算数を完璧にした方が効果が大きいと思う。   なお、レベルアップ演習については息子は間引きして取り組んでいる。正答率は8割くらい。   ②要点整理   日々の演習に取り組む前提となる知識を習得するためのページ。日々の演習をやるならやるべき。   さすがに日々の演習より難度は低いが、それでも骨のある問題。また、要点整理を習得したら日々の演習がすべてできるか、というとそんなわけはない。   ③日々の演習

 

おすすめの利用方法

 

5年生

算数かなり得意な子-既習単元(先取り含む)の強化

 

6年生

算数得意な子-入試レベルでの応用力強化

 

 

中数の根幹をなすパート。今年の入試問題から出題。

算数が得意で、更に算数を伸ばしたい子にはちょうどいい難度だと思う。

 

ただこのレベルも6年生後半になったらいくらでもサピでやると思うので、5年生で算数が得意でもっと伸ばしたい、サピの算数では物足りない、という子向けだと思う。

 

6年生の場合は、特に得意単元の応用力強化の目的で取り組むのがいいのではないか。ただ、取り組ませたい単元の特集時期が入試に近い場合(場合の数や規則性など)は、前年のバックナンバーを購入してやらせるのがよいと思う。

 

なお、時間無制限とするといくらでも時間をかけてしまう子は、時間制限してやらせた方が良い。

  また、未習分野についていきなり日々の演習をやるのはやめた方がよい。時間の無駄になってしまう可能性が高い。もしやるのであれば、プラスワンやステップアップ、予習シリーズなどでその単元の基礎から典型問題までをきちんと習得してからの方がいいだろう。   ④発展演習

 

おすすめの利用方法

 

5年生

算数かなり得意な子-日々の演習で飽き足らなければ

 

6年生

算数得意な子-難関校算数において差をつけられるレベルに向けて

 

 

各号の特集テーマで、日々の演習よりも難度の高い問題。難関校の入試問題でも、このレベルの問題ができればかなり差をつけられる、というくらいの難易度。   6年生でもこのクラスまで取り組んだ方がいいのは、灘、開成、筑駒など、算数の難易度が高いとされる学校を志望する子に限られると思う。これらの学校を志望する子ですらできる必要のないレベルのものも含まれると思う。   息子はテーマによってつまみ食い程度にやっている。正答率はかなり低い。   ⑤学力コンテスト

 

おすすめの利用方法

 

5年生

算数が趣味の子-本人がやりたい場合のみ、時間を使いすぎない

 

6年生

算数が趣味の子-勉強時間以外の自由時間のお伴に

 

 

中数の肝である。難度の高い新作問題。内容も特集テーマから1題出るが、残りの3問は各分野満遍なく出題。算数好きの趣味の世界とも言える。受験だけを目的とするなら全然必要ない。たとえ灘、筑駒、開成狙いであってもである。その意味で「趣味」なのである。  

解答はその号には付いていないので、とにかく自力で解かなければならない。私も毎号問題を見て解いてみるが、なかなか一筋縄ではいかない問題も多い。正直これを(私が)やるのが楽しくて中数を買っているようなものである。

 

 

学コンは成績優秀者の名前が掲載されるので、それを目標に算数好きが競う場として、モチベーションが掻き立てられる受験生も多いだろうし、難問を考えるのが大好きな受験生も多いだろう。気持ちはとてもよくわかる。ただ、学コンに十分な時間をかけてよいかは、親がコントロールすべきだろう。苦手科目があるならそちらに時間を使うべきである。なので、特に6年生の場合は「余暇」として勉強時間以外にやってほしいものである。

     なお、息子はまだ参加していないが、いずれ参加したいとは言っている。趣味の時間を使うように予め言っておかねばなるまい。   ⑥中数オリンピック   学コンでも飽きたらない算数マニアむけ。本当に算数が趣味の子用。       息子の場合は5年時はレベルアップ演習と日々の演習メインに取り組み、6年生になったら日々の演習、発展演習、(本人が望めば)学コンも取り組ませたいと思っている。   ただ6年生はやることが沢山あるだろうから、予定通り行くだろうか