まえがき
中学受験の振り返りの中で、開成対策や筑駒対策については結構書いたように思うのですが、渋幕や聖光の対策についてはあまり書いていなかったように思います。
実際、渋幕と聖光は第三・第四志望でしたので、やはり開成・筑駒に比べて後回しにした感は否めません。それでも、合格という結果を出せたということは、それなりに十分な対策をした結果だと言えるように思います。
そこで、渋幕・聖光入試について、私が考える適切な学校別対策を記事にしたいと思います。
また、渋幕や聖光の志望度の高い受験生もたくさんいると思いますが、サピックスではどうしても御三家対策がメインとなりますので、渋幕や聖光の対策に時間を多く割く校舎は少ないでしょう。そのような悩みをお持ちの方の参考になればと考えています。
また、息子もそうでしたが男子は開成・筑駒志望者も多く受験します。渋幕や聖光を第一志望とする受験生は、そのようなライバル達の中で合格を勝ち取らなければならないわけですから、開成・筑駒対策に重点を置いている受験生と比べて、どこが弱いか、どこが強いかという視点からも何かしら参考になることが書ければと思っています。
まずは渋幕について述べ、続いて聖光について述べていきたいと思います。
おそらく長くなりますが、お付き合いください。
1 渋幕の算数
既に多くの保護者の方はご承知かと思いますが、渋幕の問題はユニークです。まずは算数からみていきましょう。
・頻出分野
算数の出題傾向はかなりはっきりしています。例年大問は5つ。頻出分野は以下のとおりです。
・平面図形
・立体図形
・場合の数
・速さ
・規則性・数の性質
これで80%くらい占めていると思います。
いわゆる○○算のような文章題はあまり見られません。
・難易度
例年合格者平均点は5割から6割です。感覚的なものですが、筑駒・開成ほどの難度はないですが、麻布・駒場東邦よりはやや難しい、というイメージです。
分野別に見ると、平面図形・立体図形・場合の数は難問が頻出です。合格者平均を目標とするなら捨ててもよいような小問も多いです。また、2次試験限定ですが、平面図形は作図も毎年のように出題されます。
・目標
合格者平均を目標とするなら、大問5つ中2つは完答、あとの大問3つはそれぞれ小問1つか2つ解答を目指すという感じですね。
平面図形・立体図形については、最後の小問は捨ててもいいような問題も多いです。また、特定の知識があればすぐ解けるが、なければほぼ解けない、という問題もあります。そこで悩むようであれば、比較的平易な問題でのミスがないかに時間を使った方がいい場合もあります。効率よく合格者平均を取るためには難問見切り力も必要です。
なお、平面図形・立体図形が得意であれば、合格者平均を取るのは比較的容易です。とはいえ、上述のように特別な知識が必要な問題もありますし、作図も出題されるので、図形が得意であっても相応の対策は必要でしょう。
・開成・筑駒受験生との比較
開成受験生は、平面図形・立体図形の対策はかなり重点を置いて行います。開成でも図形の難問は頻出なので、そこを疎かにすると開成受験生に水を開けられます。ただ、上述した特殊な知識まではあまりフォローしていません。そこがフォローされるのはむしろ灘の受験も考えている一部だけでしょう。つまり、灘の図形問題の対策でするような学習をすると、渋幕の算数では相当なアドバンテージになります。
また、開成受験生の多くは渋幕2次を受験しませんので、作図は手薄です。1次試験で合格できなかった場合で、かつ2次試験を受験する場合に限って、慌てて準備する感じでしょう。従って、渋幕第一志望であれば、作図はしっかり対策しておいて損はないです。サピックスでは渋幕作図プリントがありますので、それを秋くらいにもらって下さい(渋幕の近隣校舎なら授業で取り扱うと思いますが)。
もう一つ渋幕で難度の高い問題が頻出する場合の数ですが、こちらも開成・筑駒受験生も重点を置いている分野です。従って、やはり疎かにはできません。こちらも、アドバンテージを取りたいのであれば、実は灘対策が有用ではあります。
・具体的な対策
図形問題の強化
上述のとおり、平面図形・立体図形の強化は必須です。
この分野について、サピックス以上に何かプラスアルファをするのであれば、以下の教材が考えられます。
『図形の必勝手筋』
以前詳細な紹介記事を書いているので、説明はそちらに譲ります。
渋幕対策として、付属のカード問題は最高難度のD問題まで完璧にしましょう。
『必ず解きたい算数の100問』
またこれも以前紹介しましたが、『必ず解きたい算数の100問』もおすすめです。こちらは半分近く平面図形・立体図形の問題で占められています。
こちらも詳しい説明は以前の記事に譲ります。
『灘中・開成中・筑駒中受験生なら必ず解いておくべき算数101問』
また、灘の図形問題対策をすればよいとさらっと書きましたが、灘の過去問に取り組むのはなかなか大変です。灘を受験するのでなければ、普通はそこまでやるとtoo muchです。
そこで、あくまで余裕があり、図形が得意でアドバンテージを取りたいという場合に限りますが、以下の問題集の図形問題部分をやっておくことをお勧めします。
我が家では購入したもののほとんど取り組みませんでしたが、私が読んだ限り、灘の図形問題で必須のポイントはカバーされています。
作図問題対策
作図についてはサピックスの渋幕プリントのみでもいいですが、もし市販の問題集でさらに補強ということであれば、以下の中学生向けの問題集がお勧めです。あくまで作図のところだけです。取り組むのは6年の秋以降とか冬休みでいいと思います。
場合の数の強化
場合の数は苦手にしている受験生も多いと思います。とはいえ、上述のとおりこれを避けていては渋幕の算数で合格者平均を取るのは難しいです。
もちろんサピックスでも場合の数の問題は多く取り扱いますので、まずはそれを完璧にすることです。その上でさらに何かやるとすれば、やはり上記の『必ず解きたい算数の100問』と『灘中・開成中・筑駒中受験生なら必ず解いておくべき算数101問』の「場合の数」の問題をやりましょう。
次回は渋幕の国語対策について考えていきます。
-------------
我が家の中学受験総括記事はこちらです↓
中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)
中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)
-------------
↓A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。
↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。
↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。
↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。
↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。
--------
↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。