本気で考える渋幕対策⑧-社会編(後編)- | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
淡々と息子の学習(主にテスト)の記録をつけていたブログです。
息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

本気で考える渋幕対策シリーズ、今日は最後の社会対策の続きです。

 

↓算数編はこちら

 

 

↓国語編の前編はこちら

 

 

↓国語編の後編はこちら

 

 

↓理科編の前編はこちら

 

 

↓理科編の後編はこちら

 

 

↓社会編の前編はこちら

 

 

↓社会編の中編はこちら

 

 

 

4 渋幕の社会(続き)

 

今日は前回の続きで地理問題対策と、記述問題対策です。

 

・地理問題対策

 

地理は毎年難問が多いです。特に現場思考型記述問題は難しいです。部分点もつくと思いますが、難しい年は地理の記述で殆ど点が付かない子が続出なんてこともあると思います(想像ですが)。ただ、今年の大問3は平年と比べるとそこまでの難度ではなかった印象ですね。

 

現場思考型問題としては以下のような問題が多いです。

 

・標準的な知識があることを前提に自ら考えて回答を導く問題

・統計資料を読み取った上で、その理由や背景を考えさせる問題

・地形図を読んでその地形となった理由などを考えさせる問題

・現在の日本の課題(少子化・高齢化・過疎化など)と絡めて考えさせる問題

 

ここから導かれるのは、非常に一般的な話で申し訳ないのですが、統計資料と地図帳に慣れ親しみましょう、ということです。といっても、それらを眺めて、主要な地名や統計をひたすら暗記するということではありません。そこからさらに深く考えることが必要です。

 

今年の大問3から

 

・平年値

 

例えば、今年の大問3の一つ目の問題にフォーカスしてみましょう。「平年値」をテーマとして問題で、猛暑日の年間日数・熱帯夜の年間日数・年間降雪量の統計資料があり、それぞれどれの数値が熊谷・東京・銚子にあたるかを回答させる問題でした。

 

この問題程度は瞬殺できるレベルが必要です。

 

当然、このようなマニアックな統計を暗記している受験生はいません。しかし、前提知識として、①内陸は寒暖差が激しい、②海沿いは寒暖差が緩やか、ということを知っていれば、容易に推測できるわけです。

 

・空き家率条例

 

もう一つ見てみます。日本全国の都道府県ごとの空き家率と空き家に関する条例の施行数を示した図があり、それをもとに、空き家条例の施行数が秋田県、山形県、新潟県、富山県、福井県など日本海側で多く、これらの地域で空き家対策を積極的に行わなければならない理由を、その地域の自然環境を考慮して答えなさい、という問題です。

 

まず空き家条例のことなどサピックスのみならずどこの塾でも取り扱わないでしょう。大人でも知らない人が多いと思います。そこで「はぁ?空き家条例?知らん!わからん!」 とならずに、知っている基本知識をもとに考えることが必要です。

 

この問題は渋幕にしては答えやすい問題です。まず問題文に「自然環境を考慮して」とありますから、日本海側=降雪量が多い、とピンときます。そして、空き家が増加すると何が問題になるか?と考えて、空き家では雪下ろしや周辺の除雪を行う人がいない=雪下ろしをしないと家屋倒壊の危険がある上、除雪をしないと歩行者等に危険が生じる、ということに思い至る必要があります。またそれを50-60字程度でまとめなければなりません

 

ちなみに、これらの地域では過疎化が進んでいるため空き家が多いから、と考える子もいたかも知れません。しかし、それは問題に記載されている各都道府県の空き家率の図を見れば、この地域が特筆して空き家率が高いわけではないことがわかるので否定されます。またこの理由は「自然環境を踏まえて」という問題の要求に答えていません。

 

このように問題で与えられた情報と、既に持っている社会科の基本知識をもとに考え、過不足なく記述する、ということが高いレベルで要求されるわけです。

 

具体的にどうするか?

 

サピックスで学習した事項を、普段から地図帳、統計資料で見ながら考え、確認していくことを意識させることが必要です。

 

「日本のすがた」はその点で良い教材です。これを読み込むと、統計資料で出てくる数字の背景のつかみ方がわかってくるように思います。是非、統計の数字を覚えるだけではなく、解説も読ませて下さい。

 

 

 

 

また、地理にさほど興味がない子にはあまりおすすめできませんが、下記の記事で紹介した本も参考になるかも知れません。

 

 

 

・記述問題について

 

最後に記述問題について一言。記述問題の対策はとにかく書くことです。渋幕を第一志望とするなら、サピの6年生の社会のB問題をしっかりやりましょう。その際に注意したいポイントを指摘しておきます。

 

社会科の記述問題で注意すべきは、「何が書いてあるか」だけに注目して、「どのように書いているか」つまり文章の正しさを軽視しがちな点です。てにおはや主語と述語の対応がきちんとできているか、主語を省略してしまってないかなど、「正しい日本語」を書くことは実は大切だと思います。また、当然ですが漢字も正確に書けるようにしましょう。

 

本校の社会の記述式解答で、日本語的な誤りがどの程度マイナスになるのかはわかりませんが、「自調自考」の精神には「自分の考えを正確に伝えられるようにすること」まで含んでいると思います。従って、きちんとした文章で解答を作成することは必要だと思うのです。もし保護者が記述の解答を見ることがあれば、そこができているか注意して見てあげると良いと思います。

 

渋幕の社会対策まとめ

 

長くなりましたが、最後に一つ注意点です。渋幕の社会は雲に知識だけを増やしても対応できるようにはならないということです。

 

もちろん、サピックスの社会で取り扱うような知識を確実に習得することは当然の前提です。しかし、それができていれば、知識をそれより広げても得点には結びつかないと思います。繰り返しになりますが、渋幕の社会で求められているのは、マニアックな知識ではなく、標準的な知識を基礎に、図表やリード文の趣旨を把握し、自分で理論的に考えて、それを端的に解答で表現する力です。

 

 

次回ももう少し渋幕対策の記事を続けようかと思います。

 

 

 

 

 

-------------

我が家の中学受験総括記事はこちらです↓

中学受験総括①-項目の検討と前書き

中学受験総括②-開始時期と塾・校舎選び

中学受験総括③-塾の掛け持ちについて

中学受験総括④-6年開始から夏休み前まで(算数)

中学受験総括⑤-6年開始から夏休み前まで(国理社)

中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)

中学受験総括⑦-6年夏休み

中学受験総括⑧-6年9月から12月(1週間スケジュール)

中学受験総括⑨-6年9月から12月(サンデーサピックス)

中学受験総括⑩-6年9月から12月(過去問)

中学受験総括⑪-6年9月から12月(平常・土特)

中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)

中学受験総括⑬-6年冬期講習・正月特訓

中学受験総括⑭-6年1月の家庭学習(総論・算数)

中学受験総括⑮-6年1月の家庭学習(国理社)

中学受験総括⑯-入試前日

中学受験総括⑰-前泊について

中学受験総括⑱(最終回)-中学受験 思い付きメモ

中学受験思い付きメモ 補足①-プラスαについて

中学受験思い付きメモ 補足②-自然・社会への興味

中学受験思い付きメモ 補足③-辞書・辞典

中学受験思いつきメモ 補足④-『中学への算数』の使い方

中学受験思いつきメモ 補足⑤-保護者の留意点その1

中学受験思いつきメモ 補足⑥-アンガーマネジメント

中学受験思いつきメモ 補足⑦-子供のやる気を引き出す

-------------

A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。

 

A3プリンタ導入のススメ【アップデート】

 

↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。

5年生で取り組んだ問題集 算数編

東京出版 算数「ステップアップ演習」

5年生で取り組んだ問題集 国語編

【レビュー】「中学受験国語 選択肢問題の徹底攻略」

5年生で取り組んだ問題集 理科・社会編

低学年時に使った問題集 算数編

5才頃からのパズル本

 

↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 歴史編

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 公民編

 

↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。

英俊社『合格トレイン 理科計算問題』はオススメ

東京出版『図形の必勝手筋』はオススメ

東京出版『必ず解きたい算数の100問』

『記述問題の徹底攻略』シリーズの使い方

 

↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。

幼少時の知育玩具や教材(就学前①)

幼少時の知育玩具や教材(就学前②)

幼少時の知育玩具や教材(就学前③)

--------

 

↓よろしければ押して頂けると嬉しいです。