本気で考える渋幕対策⑨-ギリギリ合格を狙う場合- | 2022中学受験(息子)と2027中学受験(姪) -A stitch in time saves nine-

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2022中学受験を終了した男子を持つ父のブログ
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息子は開成・筑駒をはじめ受験校全てに合格しました。
現在は2027年組の姪っこの中学受験アドバイザーです。

本気で考える渋幕対策シリーズ最終回です。

ここまで教科別の対策を論じてきました。

 

ここまで書いた対策は、いずれも基本的には「合格者平均点」を目指すレベルの対策で、これが4科目でできれば余裕で合格です。

 

ただ、特待生でも狙わない限り、入試は合格すればいいのです。上位合格でもギリギリ合格でも結果は変わりません。

 

そこで、今日は普段の4科の偏差値はちょっと足りてないけれども(合格判定が30~50%くらい、サピックス偏差値で55-60くらい)、「ギリギリ合格」を目指したい、という場合の戦略について考えてみたいと思います。

 

↓算数編はこちら

 

 

↓国語編の前編はこちら

 

 

↓国語編の後編はこちら

 

 

↓理科編の前編はこちら

 

 

↓理科編の後編はこちら

 

 

↓社会編の前編はこちら

 

 

↓社会編の中編はこちら

 

 

5 ギリギリ合格を目指す

 

受験者平均点・合格者平均点・合格者最低点

 

まずはここ5年の1次試験のデータを見てみましょう。

ちなみに下の表で「合最低」というのは合格者最低点のことで、科目毎の数値は「合格者の中での最低点」になっています。従って、科目毎の最低点を合計しても、4科目合計での合格者最低点にはなりませんのでご留意下さい。

 

2022① 国語 算数 社会 理科 合計
受平 56.5 52 44.5 42.8 195.8
合平 64.9 64 49.4 50.3 228.7
8.4 12 4.9 7.5 32.9
合最低 35 28 23 24 209
(合格者最低点-受験者平均点) 13.2
           
2021① 国語 算数 社会 理科 合計
受平 56.7 41.9 34.8 38.3 171.7
合平 64.3 52.1 39.6 46.7 202.6
7.6 10.2 4.8 8.4 30.9
合最低 29 18 21 24 182
(合格者最低点-受験者平均点) 10.3
           
2020① 国語 算数 社会 理科 合計
受平 48.8 45 43.1 48.9 185.8
合平 56 61.3 47.4 57.1 221.8
7.2 16.3 4.3 8.2 36
合最低 27 27 32 36 204
(合格者最低点-受験者平均点) 18.2
           
2019① 国語 算数 社会 理科 合計
受平 46.7 39.4 45.7 42.7 174.6
合平 54.7 53.2 51.2 52.2 221.2
8 13.8 5.5 9.5 46.6
合最低 22 12 30 27 188
(合格者最低点-受験者平均点) 13.4
           
2018① 国語 算数 社会 理科 合計
受平 50.3 48.9 36.8 29.3 165.3
合平 59.7 59.2 42.5 38.9 200.3
9.4 10.3 5.7 9.6 35
合最低 32 26 20 13 179
(合格者最低点-受験者平均点) 13.7

 

以上を踏まえてギリギリ合格を狙う方策を考えてみましょう。

 

・差が付く科目は算数と理科

 

上記の科目別の受験者平均と合格者平均のデータに着目すると、算数と理科でかなり差がついていることがわかります。

 

算数では例年10点以上、年によっては16点、理科でも例年7.5~9.6点の差がついています。特に理科は75点満点であることを考えると、算数並に差がつきやすい科目であることが分かります。他方、国語や社会の数値をみると、国語は10点以下、社会も5点前後の差です。

 

ここから何が言えるかというと、渋幕の入試問題は理系科目が得意な子に比較的有利ということです。

 

上記の表で、算数の受験者平均と合格者平均の差、4科目合計での受験者平均と合格者平均の差に着目してみて下さい。実は算数の差の数値と、4科目合計での差の数値はあまり違わないのです。これが何を意味しているかというと、「算数が合格者平均レベルを取れていれば、他の3科目は受験者平均レベルそこそこでよい」ということです。

 

逆に、文系科目が得意な子はなかなか大変です。同様に受験者平均と合格者平均の差を見てみると、国語と社会の差の合計点でようやく4科目の受験者平均と合格者平均の差を少し超えるくらいです。2020年に至っては全然それでも足りません。つまり「国語と社会がいずれも合格者平均レベルを取れていても、算数と理科が受験者平均を少し下回ると合格できない」ということになります。

 

なので、理系科目得意か文系科目得意かで、ギリギリ合格を目指す時の戦略は変わってきます。

 

・理系科目得意型の戦略

 

これはある意味簡単です。まずは渋幕向けの算数と理科を磨きに磨きましょう。特に算数で一発ホームランを飛ばせばかなり合格が近づきます。

 

他方、理系得意型ですと国語と社会を苦手とする子が多いですが、これは受験者平均を取れるレベルでいいのです。もちろん渋幕受験者の中での平均ですので、それでもレベルは高いのですが、「受験者の平均でよい」と思えば心理的負担感は多少低くなるでしょう。

 

国語を苦手とする場合、まずは選択肢問題と漢字・語彙は落とさないようがんばりましょう。そして記述式問題で少しでも部分点を取ることです。

 

社会も最低限の知識は覚えきりましょう。現場思考型記述問題も空欄がないように、貪欲に埋めて下さい。渋幕の社会は、問題の難易度にかかわらず、毎年そこまで受験者間で極端な差はつきません。難しいと思っても周りも皆できないと思ってがんばりましょう。

 

・文系科目得意型の戦略

 

これはなかなか大変です。算数・理科を苦手とする程度にもよりますが、算理が苦手で、かつ4科合計の偏差値が50台後半くらいのイメージですと、そのままでは合格可能性は低いといわざるを得ません。

 

前述のとおり、国語・社会は受験生間で差がつきにくいのです。これらの科目が出来る子であっても、アドバンテージは築きにくいため、「文系科目のみ打法」で渋幕を攻略しようとするのはリスキーです。

 

従って、文系科目得意型であっても、算理について、うまくいけば受験者平均を数点上回るくらいとれるようにしておきたいところです。

 

渋幕の算数対策の記事で見たとおり、受験者平均を少し上回るだけを目標とするなら、難問は捨て、基礎・標準問題のみで何とかなります。取れるところを確実に取れるようにがんばりましょう。

 

理科については本校の問題になれましょう。理科苦手な子が本校の理科で知らないテーマに当たるとパニクる可能性が高いです。受験者平均レベルでいいのですから、やはり確実に取れるところは取り、現場思考問題も冷静に容易な問題を見極めて取れるようがんばりましょう。

 

・科目別合格者最低点の希望と受験生の精神力

 

上記の表にも記載しましたが、渋幕は科目毎の合格者の最低点を公表しています。例えば、今年でいえば算数28点でも合格している子がいるのです。昨年に至っては算数18点でも合格している子がいます。国語でも、例えば2019年は国語22点で合格している子がいます。これは受験生にとっての希望になりますよね。

 

もちろんその点数を挽回するくらい他の三科目で取ったということなのですが、1科目くらい派手に沈没しても何とかなることはあるわけです。

 

さて、ここで想像してみて下さい。算数18点だった子の当日の心境はどうだったでしょう?手応えがある筈もなく、おそらく空欄の山だったでしょう。「やっちまった。。」と真っ青になっていたのではないでしょうか。それでも諦めずに気持ちを立て直して、その後の理社で点数を取り切って合格を勝ち取った訳です。

 

また、本校の入試の1科目めは国語です。そこで22点の答案となってしまった子が2019年にはいた訳です。国語は算数ほど手応えがわかりやすくはないですが、結果22点の答案ですし、さすがに受験生本人もしょっぱなの1科目めから最悪の感触だったでしょう。それでも諦めずに、残りの3科目で合格点に達したのです。

 

 

ギリギリ合格を目指す場合、案外そのような精神力、心の強さというのは合否を分けるポイントなのかも知れません。スラムダンクの安西先生ではないですが、「諦めたらそこで試合終了」なのです。是非お子さんには「試験中、感触が最悪でも、何がトラブルがあっても、絶対に諦めてはならない」ということを伝えてあげて欲しいと思います。

 

さて、長くなりましたが本気で考える渋幕対策シリーズはここでおしまいとさせて頂こうと思います。次は「本気で考える聖光対策シリーズ」を考えています。

 

 

 

 

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我が家の中学受験総括記事はこちらです↓

中学受験総括①-項目の検討と前書き

中学受験総括②-開始時期と塾・校舎選び

中学受験総括③-塾の掛け持ちについて

中学受験総括④-6年開始から夏休み前まで(算数)

中学受験総括⑤-6年開始から夏休み前まで(国理社)

中学受験総括⑥-6年開始から夏休み前まで(1週間スケジュール)

中学受験総括⑦-6年夏休み

中学受験総括⑧-6年9月から12月(1週間スケジュール)

中学受験総括⑨-6年9月から12月(サンデーサピックス)

中学受験総括⑩-6年9月から12月(過去問)

中学受験総括⑪-6年9月から12月(平常・土特)

中学受験総括⑫-6年9月から12月(必須の模試と他塾模試の必要性)

中学受験総括⑬-6年冬期講習・正月特訓

中学受験総括⑭-6年1月の家庭学習(総論・算数)

中学受験総括⑮-6年1月の家庭学習(国理社)

中学受験総括⑯-入試前日

中学受験総括⑰-前泊について

中学受験総括⑱(最終回)-中学受験 思い付きメモ

中学受験思い付きメモ 補足①-プラスαについて

中学受験思い付きメモ 補足②-自然・社会への興味

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中学受験思いつきメモ 補足④-『中学への算数』の使い方

中学受験思いつきメモ 補足⑤-保護者の留意点その1

中学受験思いつきメモ 補足⑥-アンガーマネジメント

中学受験思いつきメモ 補足⑦-子供のやる気を引き出す

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A3プリンタはいずれ重宝するので安い時期に購入されるのがおすすめです(定番ブラザーの2段トレイ機(MFC-J6983CWD)で現在なら40,000円くらいで購入できればいいと思います)。

 

A3プリンタ導入のススメ【アップデート】

 

↓これまでに書いた低学年~5年生くらいまでに使用した家庭学習用問題集に関する記事です。

5年生で取り組んだ問題集 算数編

東京出版 算数「ステップアップ演習」

5年生で取り組んだ問題集 国語編

【レビュー】「中学受験国語 選択肢問題の徹底攻略」

5年生で取り組んだ問題集 理科・社会編

低学年時に使った問題集 算数編

5才頃からのパズル本

 

↓社会科を得意とする子向けに、さらに一歩先に行くためオススメの本の紹介です。

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 歴史編

社会科でさらに一歩先行く資料集・読み物 公民編

 

↓以下は主に6年生向けのオススメ問題集に関する記事です。

英俊社『合格トレイン 理科計算問題』はオススメ

東京出版『図形の必勝手筋』はオススメ

東京出版『必ず解きたい算数の100問』

『記述問題の徹底攻略』シリーズの使い方

 

↓以下は幼少時のオススメ知育玩具などに関する記事です。

幼少時の知育玩具や教材(就学前①)

幼少時の知育玩具や教材(就学前②)

幼少時の知育玩具や教材(就学前③)

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