東大の学校推薦型選抜の合格発表がありました。
志願者253名で、合格者数は88名だったようです。約3倍弱ですね。
高校別東大学校推薦型選抜合格者ランキング
高校別の合格者数は以下です。
複数合格者を出した学校のみです。
3人:都立小石川・早稲田・灘
2人:立命館慶祥・八戸・秋田・県立千葉・都立日比谷・麻布・渋渋・広尾学園・聖光学院・金沢泉丘・藤島・岐阜・神戸大付中教・広島
ちなみに学校毎に4名まで、男女別では3名の推薦が最大です。
筑駒・開成・桜蔭の名前がない
さて、ここでちょっと気になるのは、関東の最難関である筑駒・開成・桜蔭の名前がないことです。過去の東大推薦入試の両校の結果をみてみましょう。
2022年:開成1(理)・筑駒3(法・理・工)・桜蔭0
2021年:開成1(工)・筑駒1(理)・桜蔭1(工)
2020年:開成1(教養)・筑駒0・桜蔭0
2019年:開成0・筑駒0・桜蔭0
2018年:開成1(文)・筑駒0・桜蔭1(工)
開成・筑駒とも過去5年で合計4名しか推薦合格者を輩出していません。桜蔭はわずか2名です。今年はいても各校最大1名です。
各学校とも毎年大勢の東大合格者を出しているのですから、推薦合格者も毎年のように複数名出していいように思いますが、そうはなっていません。
理由はどこにあるのでしょうか?
ここからは私の憶測です。
昔からある超進学校で使われない指定校推薦枠問題
昔は東大推薦入試はありませんでしたが、実はこれは昔からよくある「進学校で使われない指定校推薦枠問題」と同じだと思います。
まずこれについてご説明します。
今でもあると思いますが、私が大学受験の時には指定校推薦というものがあり、各学校に例えば早稲田の○学部1名、△学部1名など学校推薦枠があったのです。無事学校推薦枠で推薦されれば、無試験で100%入学できたと思います。
しかし、多くが東大を目指すような学校ですと、成績上位層はその枠に応募しません。もちろんそのような学校にも早慶志望の子はいますので、指定校推薦枠が使えれば使いたいはずです。しかし、この指定校推薦は誰でも使えるわけではなく、評定平均4.5/5以上など、学業優秀でなければならないのです。そうすると、多くが東大を目指すような学校ですと、早慶志望の子では成績要件を充足することができず、結局だれも枠を使わずに終わる、ということになります。
これと同じことが、現在の開成・筑駒・桜蔭では東大推薦入試において起きているのだと思います。
推薦合格を狙うより一般入試の方が楽
さらに言うなら、指定校推薦よりも東大推薦入試の方がはるかに面倒かつ成績等のハードルも高いです。しかも当然合格が確約されるわけでもありません。
東大の学校推薦型選抜の募集要項をご覧下さい。
準備が面倒くさいことこの上ないです。
提出資料は学部によって異なりますが、だいたい以下のようなものです。
・大学入試共通テスト受験
・願書
・推薦書
・論文など
・その他業績資料
・英語資格など
これらを11月上旬までに準備しないといけない訳です(大学入試共通テストは1月ですが)。開成・筑駒生など、文化祭の準備で忙しいので、そんなことやっているヒマはありません。笑
しかも学校推薦要件として、「学業成績に秀でていること」などが要求されています。なんと法学部では学業成績が学内で上位5%程度などと記載されています。
いくら学校での成績が大学受験の結果に直結しないとはいえ、開成・筑駒・桜蔭で上位5%に入ればまず東大安全圏です。もっといえば理系なら理Ⅲ合格圏です。
そのような子達が、わざわざ面倒な書類などの準備までして推薦入試に応募しようと思うでしょうか?たぶんしないでしょう。推薦入試でも不合格になるリスクは当然ありますし、不合格になれば一般入試を受験することになるので、推薦入試を選んだからといって受験勉強を回避できる訳でもありません。だいたい共通テストは受験しなければならないですし。
これらの学校で学校推薦に選ばれるような学業優秀な子達は、そんな二度手間のような面倒なことをするくらいなら、普通に一般入試で受験した方が遥かに楽に合格できます。
もちろんこれらの学校でも、一般入試で東大ボーダーだという子もいるでしょう。そのような子は推薦入試に興味を持つ可能性はあります。しかし、他校にいけば学業優秀でも、筑駒・開成・桜蔭内での学業成績はおそらく中位から下位になります。学校推薦要件にマッチしてこない可能性が高い訳です。
そうすると、開成・筑駒・桜蔭などの最上位校では、そもそも学校推薦型入試を利用しようという受験生が少ないのだと思います。過去の使われない指定校推薦問題と同じです。
いかがでしょうか?完全な憶測ですが、当たらずといえども遠からずだと思います。
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