「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
ムリヤリどんでん返し作らなくても…
★★★
（★…1点 ☆…0.5点，★5つで満点）
（2011年／アメリカ／91分／BRAKE）
【 監督 】
ゲイブ・トーレス
【 出演 】
スティーブン・ドーフ
カイラー・リー
JR・バワーン
トム・ベレンジャー
【あらすじ】
男が目を覚ますと、そこは密閉された透明な箱の中。その上には、何かをカウントしているデジタル表示、そして、足元には一台の無線機。
なぜこうなったのか訳が分からぬまま必死に脱出を試みるが、箱はびくともしない。突然箱が動き始めたところで、車のトランクに詰め込まれていることが分かる。そして、箱の外から1枚のメモが投げ込まれる。
「“ルーレット”の位置を教えろ」
箱に閉じ込められた男＝シークレットサービスのジェレミーは、国家機密情報を知りたがっているテロリストに拉致されたのだった―
【コメント】
『フローズン』、『［リミット］』に続き、本ブログで三度登場の“ワン・シチュエーション・スリラー”である本作。
僕が思うに、この手の、場面がほとんど変わらない映画は、いくらスリリングな展開をもってしても90分が限界と思われ。やっぱどうしても飽きる。先に話した2本も、90分強の長さの作品なので、作り手はもうこれ以上の長さはもたないな、とすでに気づいているのかもね。
というわけで、シチュエーション的には『［リミット］』の設定に似通っている本作であるが、『［リミット］』が電話のやり取りのみに終始した作品であるのに対し、本作『ブレーキ』は、いろいろなインシデントが発生するので、思ったほどワン・シチュエーションという感じはせず、視覚的に楽しむことはできる。まあでも、会話だけでサスペンスフルな展開を見せた『［リミット］』のほうが上手だとは思いますけどね。
ワン・シチュエーションものでポイントとなるのが、やっぱりラストのオチとなると思うのだが、本作はそのワン・シチュエーションから脱してのオチとなり、さらに2回どんでん返しがある。
（最下部のネタバレを参照）
この2回あるオチをどうとらえるかによって、本作『ブレーキ』の評価が左右されると言っても過言ではないのだが、個人的にはもうちょっとひねってほしかったな～と。しかも、2度目のオチは強引に挿入してしまった感が否めない。ムリヤリどんでん返し作らなくても…
まあ、かと言って1度目のどんでん返しで終わらすのもちょっとモヤモヤ感は残るけどね。もっとハッとさせるような粋なアイデアが欲しかったし、どんでん返しの天丼でごまかしちゃうのもいかがなものかと。
てなわけで、贅沢極まりないイチ鑑賞者からの意見でした。まあ、そこそこ面白かったです。
【2012年度 Myランキング】（10/13時点）
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
（ベスト）… ★★★☆以上が基準
１位：ムカデ人間２ ★★★★☆
２位：アウトレイジ ビヨンド ★★★★☆
３位：ライアーゲーム ‐再生（REBORN）‐ ★★★★
４位：ドライヴ ★★★★
５位：ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
６位：最強のふたり ★★★★
７位：ダークナイト ライジング ★★★☆
８位：アイアン・スカイ ★★★☆
９位：ゾンビアス ★★★☆
１０位：アーティスト ★★★☆
次点：テルマエ・ロマエ ★★★☆
愛と誠 ★★★☆
劇場版SPEC～天～ ★★★☆
（ワースト）… ★★☆以下が基準
１位：KOTOKO ★
２位：ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
３位：フライトナイト 恐怖の夜 ★★
＜その他ランク外一覧＞
ロボジーヒミズALWAYS三丁目の夕日'64麒麟の翼～劇場版・新参者～メランコリア逆転裁判ヒューゴの不思議な発明TIME／タイムバトルシップ捜査官XREC/レック3ジェネシスダーク・シャドウメン・イン・ブラック３イップ・マン誕生月光ノ仮面ジョニー・イングリッシュ気休めの報酬タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツらアタック・ザ・ブロックアメイジング・スパイダーマンミッドナイト・イン・パリ崖っぷちの男ラバーペントハウスおおかみこどもの雨と雪シャーロック・ホームズ シャドウ ゲームトータル・リコールアベンジャーズアフロ田中プロメテウス踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望バイオハザードⅤ リトリビューション鍵泥棒のメソッド楊家女将伝 女ドラゴンと怒りの未亡人軍団アポロ18ハンガーゲームブレーキ
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よ～し、おじさんネタバレしちゃうぞ！
緊急時の大統領の避難場所＝“ルーレット”の所在に口を割らなかったため、箱の中に液体が注がれ、絶体絶命のジェレミー。
しかし、間一髪のところでジェレミーは箱から助けられる。そこには携帯電話で話していた妻と、無線機で話していた男が…
実は一連の出来事とは、ジェレミーが命に関わる事態に陥っても国家機密を漏らさないかを試す昇進試験だったのだ。
最後まで口を割らなかったジェレミーは無事試験に合格、ケガの治療のため、妻とともに救急車に乗る。
ホッとしたジェレミーの目にワシントン記念塔が入り、思わず苦笑いをしてしまう。
そう、ワシントン記念塔こそ、大統領の避難場所“ルーレット”なのだ。
その所作を見逃さなかった妻は、ジェレミーに無理やりガスを吸わせる…
“昇進試験”というのも罠、妻を含めた全ての人間がテロリストの仲間だった―