「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
原作勝ち
★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2012年/日本/129分)
【 監督 】
土井裕泰
【 原作 】
東野圭吾
『麒麟の翼(講談社)』
【 出演 】
阿部寛
新垣結衣
溝端淳平
中井貴一
松坂桃李
三浦貴大
劇団ひとり
鶴見辰吾
松重豊
田中麗奈
山崎努
【あらすじ】
東京は日本橋。
ある夜、ひとりの中年男性が殺害された。男性は事件現場から腹部にナイフが刺さったまま麒麟像のもとまで歩き絶命、直後に加害者と思われる無職の八島が現場から逃亡、トラックにはねられ意識不明の状態に陥る。
日本橋署の刑事・加賀恭一郎と警視庁の若手刑事・松宮脩平は被害者の身辺調査を開始するが、被害者の所持品や縁もゆかりもない人形町での不可解な行動に疑念を持つ。
そして事件は意外な方向に展開していく―
【コメント】
正直、本作を観るにあたっては、僕は東野圭吾の原作を読んでおらず、TVドラマシリーズ「新参者」も観ていなかったことから、所々の設定の予備知識が全くなかったため、劇場で鑑賞するか否かを少々迷っていたが、なにやら評判もよろしいようで、意を決して本作を観に行ったところ、そこらへんは全くの杞憂に終わった。予備知識なしでも全然問題ない。
そして、観終わっていろいろと言いたいことはあるもののとりあえずは満足、十分に楽しめる作品であることは保証しましょう。まあ、僕が保証してどうなるものでもないが。
オープニングからいきなり投げつけられる謎から、淡々と捜査した先に次第に見えてくる意外な事実・・・僕はオープニングからさっそく物語に入り込んでしまいましたね。
前にもブログに書いた記憶があるが、かの巨匠・黒澤明監督曰く、「どんなに才能が無い映画監督でも、シナリオがしっかりしていれば、映画はある程度の面白さが保証される」とのこと。
本作が面白かったのは原作がしっかりしていた、逆に言うとある程度しっかりした原作というガイドラインがあったからこそ面白かった、つまりは原作勝ちということで結論付けられると思う。
まあ面白けりゃいいじゃん、ということで全く異論はないのだが、やはりどうも1,800円払って大スクリーンで観る‘映画’としてはちょっと弱い、TVドラマの2時間サスペンスの域を超えていないような気がしちゃったな~。映画たるモノの要素であるドラマチックな重厚感に欠けていたような気がする。
同じ東野圭吾原作でTVシリーズの映画化でもあった『容疑者Xの献身』と比べると、今一歩TVの枠から抜け切れていなかったように思える。
その辺は、本作のキャスティングからも感じ取れることで、阿部ちゃんはさすが見栄えのする存在感はあったものの、脇を固める役者たちに輝きが無いというか、TVでさんざ見飽きた役者ばっかりでイマイチ本編を固めきれていないな~と。まあ相変わらずガッキーは可愛かったけどね。
しかも、溝端淳平をはじめとしたジュノン・ボーイズみたいな若手俳優のなんと多いことか。顔かたちや髪形まで似たり寄ったりっておかしいだろ!ちょっとキャスティング考えろよと。あ~これはオッサンの意見だな。
まあともあれ、傑作とは言えないが2時間強飽きずにのめり込むことができる作品ではありました。
【2012年度 Myランキング】(2/5時点)
本作は、本年度のベスト10中1位(暫定)にランクイン。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:麒麟の翼~劇場版・新参者~ ★★★☆
2位:
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
ロボジーヒミズALWAYS三丁目の夕日'64
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