ダークナイト ライジング (評価:★★★☆) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。



「現実にヒーローは必要か?」に対するひとつの回答

★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)

そんなことより恋をしろ-ダークナイト ライジング


(2012年/アメリカ・イギリス/165分/The Dark Knight Rises)

【 監督・脚本・製作 】
クリストファー・ノーラン

【 出演 】
クリスチャン・ベール
ゲイリー・オールドマン
マイケル・ケイン
アン・ハサウェイ
トム・ハーディー
ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
マリオン・コティヤール
モーガン・フリーマン




【あらすじ】

 トゥー・フェイスとの戦いから8年。ゴッサム・シティは“デント法”により、犯罪は激減していた。
 トゥー・フェイスの表の顔であったハービー・デント殺しの汚名を着せられ、街から姿を消したバットマンことブルース・ウェインは、身も心も傷ついたまま屋敷に引き籠ったままだった。
 そこにテロリスト・ベインが現れ、ゴッサム・シティは再び地獄と化し、ブルースは再び“闇の騎士”バットマンとなり街に現れる―


【コメント】

 さて、いよいよクリストファー・ノーラン監督によるシリアスでハードボイルドな「バットマン」3部作の完結編となる本作『ダークナイト ライジング』の登場だ。
 完結編にふさわしく?上映時間165分という長編大作で、「長ぇよ!」という観客のツッコミもなんのその、それだけの自信がうかがえる一本筋が通った骨太な作品に仕上がっておりました。

 いやしかし、165分という長編ながら、肝心の“闇の騎士”バットマンの登場時間が1時間もないという(いや、もしかしたら30分くらい?)もったいぶりで。
 もったいぶってもったいぶって、バットポットで颯爽と登場するバットマンはほんとシビれます、マジで。ノーランの描くバットマンはほんとスタイリッシュでイケメンだ。
 今回の最大の敵ベインも、前作ジョーカーほどのインパクトは持たないものの印象は強い。もっともクライマックスでいきなりザコっぽくなっちゃったのは頂けないシーンだったが。
 女怪盗セリーナ(キャットウーマンね)のエロセクシーなボディーも堪能できる。
 登場する数々の兵器(バットモービルやバット)も少年心をくすぐるカッコいい乗り物ばかり。ノーランは男の子の心をよく分かっていらっしゃるぜ!
 
 まあでも、シリーズを観ればわかるように、これは決して悪をばったばったと蹴散らす正義のヒーロー・バットマンの活躍ぶりを堪能するものではなく、「果たして現実にバットマンのようなヒーローが必要だろうか?」という一種のヒーロー論みたいなものを、バットマンを通して描いていると思うんですね。そして本作でそれに対する回答が表現されているわけで。
 それは、クライマックスでバットマンが言ったセリフ、「ヒーローはどこにでもいる。少年にコートを掛けてやることができる男こそヒーローだ」(確かこんな感じ)がその答えであり、このセリフこそ主人公ブルース・ウェインが苦悩の末に出したバットマンという存在の意義、そして3部作のテーマとするヒーロー論のひとつの答えなんだと僕は思ってやまないわけです。
 うーん、でも今一度『バットマンビギンズ』から見直して真意を確認する必要がありそうだ。

 ちなみに原作はまだまだ続いているわけで、あの“スーパーマン”クラーク・ケントまで登場してるらしいですね。
 本作のラストから察するに、「もしやロビン登場による新3部作が!?」なんて期待もできちゃったりするんですが、まあ今は何も考えていないでしょうね。スーパーマン出しちゃうとおかしなことになっちゃいそうだし。
 ともあれ、こんなシリアスでアダルトなヒーローシリーズ、もっともっと観てみたいですな。
 ノーラン監督にはぜひともご一考いただきたい。


【2012年度 Myランキング】(7/28時点)

 本作は、本年度のベスト10中5位(暫定)にランクイン。



(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:ムカデ人間2 ★★★★☆
  2位:ライアーゲーム ‐再生(REBORN)‐ ★★★★
  3位:ドライヴ ★★★★
  4位:ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
  5位:ダークナイト ライジング ★★★☆
  6位:ゾンビアス ★★★☆
  7位:アーティスト ★★★☆
  8位:テルマエ・ロマエ ★★★☆
  9位:愛と誠 ★★★☆
 10位:劇場版SPEC~天~ ★★★☆
  次点:麒麟の翼~劇場版・新参者~ ★★★☆
     タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら ★★★☆




(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:KOTOKO ★
  2位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
  3位:逆転裁判 ★★☆


<その他ランク外一覧>
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