「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
テーマ性は強いがグダグダ感は否めず
★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2011年/アメリカ/109分/In Time)
【 製作・監督・脚本 】
アンドリュー・ニコル
【 出演 】
ジャスティン・ティンバーレイク
アマンダ・セイフライド
キリアン・マーフィ
ヴィンセント・カーシーザー
アレックス・ペティファー
オリヴィア・ワイルド
【あらすじ】
科学の発展により人間の成長が25歳の姿のまま維持される近未来。
しかし、25歳以降は左腕に埋め込まれた時計が刻む“時間”が“通貨”となり、余命時間でもあった。
日々労働に明け暮れ、わずかな“時間”を稼ぐ<スラム・ゾーン>に住むウィルは、酒場でギャングから助けた<富裕ゾーン>の男から、116年という莫大な寿命を譲り受ける。
思わぬ“時間”を手に入れたウィルだが、わずか1秒のために絶命した最愛の母親を目の当たりにし、このシステムの謎を究明すべく<富裕ゾーン>に踏み込む。
そこには、たった1日という時間ために重労働を課せられている<スラム・ゾーン>とは違い、時間を持て余し贅沢の限りを尽くした人々が住んでいた―
【コメント】
本当はDVDレンタル待ちということで劇場での鑑賞はスルーしようと思っていた本作。
しかしながら、何やら評判がよろしいようなので、劇場公開ラスト週に映画館に駆け込んで鑑賞した次第だ。
うむ、なるほど。日本のみならずアメリカでもデモが起きるくらい社会問題となっている格差社会というタイムリーなテーマを題材にしているようですな。
“お金”を生き永らえるための“時間”に置き換え、生きるためにスズメの涙ほどの時間を重労働で稼ぐ底辺の市民たち、かたやその底辺の市民をうまくコントロールし、使いきれないほどの時間を独占して優雅に暮らす富裕層の人間たち。
とても分かりやすく強いテーマ性を持った作品ですな。それでいて堅苦しくなく、説教臭くもなく、あくまで近未来SFサスペンスものというエンタテイメント性を貫いている。
これを観て、「今自分がもらっている給料は時間にして何時間分なんだろう?」とか「ボーナス時間とかもらえんのかな?」とか「人事評価が上がって出世すればもっと多く時間がもらえんの?」とか「有給休暇はどうすんの?」とか「退職金はどんくらい?」とか「年金とかあるの?」とか、今の生活に当てはめてしまう自分も居たり。
ちなみに、スラム・ゾーンではないと思う。多分ね。
とまあ、そんなどうでもいい思案に暮れて観ていたのだが、なかなかのテーマをぶつけてきてはいるものの、肝心の本編はどうも中盤からグダる。失速。見せどころの後半はあくびが出るくらい退屈な展開だった。
Time is Money、“お金”=“時間”を具現化したアイデアは良かったものの、ストーリー自体に意外性があるわけでもなく、見慣れた展開が続いてしまうのは非常にもったいなかった。
とはいえ、あの終わり方は続編でも考えているのかね?
本作は時間泥棒コンビ誕生みたいな感じで、ラスボスは世の時間を牛耳るレベル1の超富裕層みたいな。お決まりの3部作にもなったりしてな。
しょうがない、続編が出たらまた観に行くか。
【2012年度 Myランキング】(3/24時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:ライアーゲーム ‐再生(REBORN)‐ ★★★★
2位:ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
3位:ゾンビアス ★★★☆
4位:麒麟の翼~劇場版・新参者~ ★★★☆
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
2位:逆転裁判 ★★☆
3位:
<その他ランク外一覧>
ロボジーヒミズALWAYS三丁目の夕日'64メランコリアヒューゴの不思議な発明TIME/タイム
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