「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
タイプ別の「死」への身構え方
★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
(2011年/デンマーク・スウェーデン・フランス・ドイツ/135分/Melancholia)
【 監督・脚本 】
ラ-ス・フォン・トリアー
【 出演 】
キルティン・ダンスト
シャルロット・ゲンズブール
キーファー・サザーランド
アレクサンダー・スカースガード
シャーロット・ランプリング
ジョン・ハート
【あらすじ】
惑星メランコリアが地球に異常接近している地球。
ジャスティンは、姉のクレアとその夫ジョンの豪邸で、マイケルとの結婚パーティーを盛大に祝っていたが、当のジャスティンは虚しさを感じ、幸せなはずの結婚式は最悪の状況で終わる。
鬱状態のままクレアの家で無気力な生活を送っていたが、空には惑星メランコリアが目前に迫っていた―
【コメント】
昨年の『アンチクライスト』から間髪入れずに登場した、ご存じ?ラース・フォン・トリアー監督の救われない映画の登場です。
今回も、鬱病を患った監督の心情が反映された作品となっております。
とにかく、エンタテイメント性の欠片もない映画で、大枠だけを知りたいならば最初と最後の5分間で十分理解できる映画なので、映画観ながらワーキャー騒ぎたい人には???な代物。2時間15分というなかなかの長丁場でありながら、真ん中2時間まるまる不毛な会話ややり取りが続くので、睡眠不足の人はたっぷり仮眠をとることが可能。
どこぞのハゲたおっさんが惑星に着陸して衝突を回避すべく惑星ごと吹っ飛んじゃうわけでもなく、はたまたどこぞのハゲかけたおっさんが暗号を解読して人類滅亡の回避に奮闘するわけでもなく、ナントカ星人が心のキレイな人だけを助けに来るわけでもない。
惑星が地球にフツーに接近してフツーにぶつかってフツーに人類滅亡します。
なんじゃそりゃ!?映画の意味ねーしwww
と感じるのも無理はありませんが、結局のところ本作で言いたいことというのが、人間が誰しも経験する「死」というものへの覚悟を描いたものだと思うんですね。
真ん中2時間の不毛な会話ややり取りの中を紐解けば、登場人物の「死」に対する考え方や構え方がなんとなーく分かるんです。
鬱病を抱えた主人公ジャスティンがラストで意外にも死を正面から受け止めていたり、規律に厳しい姉クレアがラストで嫌あああぁぁぁあああってなってたり、はたまた「大丈夫、全然余裕!www」と言ってた夫のジャック・バウアーが衝突寸前で毒飲んで自殺しちゃったり。
貧富の差や人格の良し悪し関係なく、予告なく、そして誰にも平等に訪れる「死」というものに対して、言わば人間のタイプ別にその覚悟を表現してみた、そんな感じの映画だったと思います。
ちなみに、主人公ジャスティンは十中八九トリアー監督がモデルだと思われます。
というわけで、お勧めはしませんが、じっくり映画芸術を堪能したい方もしくは寝不足の方はどうぞ。
【2012年度 Myランキング】(2/19時点)
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
2位:麒麟の翼~劇場版・新参者~ ★★★☆
3位:
4位:
5位:
6位:
7位:
8位:
9位:
10位:
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
2位:
3位:
<その他ランク外一覧>
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