ヒミズ (評価:★★★) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。



園子温の若手俳優育成映画

★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)

そんなことより恋をしろ-ヒミズ


(2011年/日本/129分)

【 監督・脚本 】
園子温

【 原作 】
古谷実

【 出演 】
染谷将太
二階堂ふみ
渡辺哲
諏訪太朗
川屋せっちん
吹越満
神楽坂恵
光石研
でんでん




【あらすじ】

 中学3年生の住田祐一の将来の夢は“普通”の大人になること。
 貸ボート屋を営む実家には、震災で家を失った夜野たちが集い、彼らと慎ましく平凡な日々を送っていた。
 そんな大人びた住田に想いを寄せる同級生の茶沢景子は、彼の貸ボート屋に足を運ぶようになる。
 しかし、借金を作り家を出た父親が金を無心に帰ってきたことで普通な生活は一変、瞬く間に不幸のどん底に落ちていく―


【コメント】

 さっそく出ました、園子温監督の最新作。
 ペース早ぇな~。ノリにノッてるな~。
 ノッてる時に精力的に作品を作ってくれるのはとてもうれしい限りだが、くれぐれも乱造乱発して一作一作の質を落とさないでほしいもんだ。

 さて、本作『ヒミズ』だが、前2作『冷たい熱帯魚』『恋の罪』とは打って変わった青春映画だ。とはいえ、決して爽やかなものではなく、園子温らしい不幸のズンドコに落ちる様を描いたウェッティなものだ。
 ただ、今回はほのかな希望があるラストであることと、わざわざ台本まで変更して震災直後の宮城県を撮影し、暗に被災地に対してエールを送るという、監督流の被災地支援みたいな作りでもあった。
 ラストに茶沢が叫ぶ「住田がんばれ!がんばれ!」というセリフなんか、まさに苦境に立たされた被災地の人たちへの直接的な応援ととらえていいのだろうと思う。

 そんな内容云々よりも僕は本作から、「園監督は染谷将太・二階堂ふみという主役二人を俳優として育てるために作ったんだろうな」という印象、言わば園子温の若手俳優育成映画と捉えてしまった。
 冷めた観方で申し訳ないが、住田の行動を観てあまり共感できる歳でもないもんでね。どうしてもそんな観方をしちゃいました。
 しかしながら、『冷たい熱帯魚』のでんでん・吹越満・渡辺哲・黒沢あすか、『恋の罪』の神楽坂恵、『愛のむきだし』の西島隆弘、ついでに『紀子の食卓』の吉高由里子という、園子温ファミリーオールスターキャスト揃い踏みの中で、染谷と二階堂は彼らに食われることなく演じきったのは偉い!よく頑張った!感動した!と素直に褒め称えることができるでしょう。
 本作は染谷将太と二階堂ふみというフレッシュな若手俳優が、一回り演技の幅を広げるために園監督が課した修行の映画であったと僕は感じましたね。

 いやでも、二階堂ふみって宮崎あおいに似てんな~。宮崎をちょっとぽっちゃりさせておっぱい大きくさせた感じだ。
 くれぐれも宮崎とは被らないような演技を今後も期待します。


【2012年度 Myランキング】(1/15時点)

 本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:
  2位:
  3位:
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:




(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:
  2位:
  3位:


<その他ランク外一覧>
ロボジーヒミズ




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