ものすごくうるさくて、ありえないほど近い (評価:★★) | そんなことより恋をしろ

そんなことより恋をしろ

『映画を観るよりもお前は恋をしろ恋を』
…そんな感じのブログです。

※※※ 注意 ※※※

 「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
 これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。



ものすごく退屈で、ありえないほど眠い

★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)

そんなことより恋をしろ-ものすごくうるさくて、ありえないほど近い


(2011年/アメリカ/129分/Extremely Loud and Incredibly Close)

【 監督 】
スティーブン・ダルドリー

【 原作 】
ジョナサン・サフラン・フォア
ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(NHK出版)

【 出演 】
トム・ハンクス
サンドラ・ブロック
トーマス・ホーン
マックス・フォン・シドー
バイオラ・デイビス
ジョン・グッドマン
ジェフリー・ライト
ゾーイ・コールドウェル




【あらすじ】

 9.11の同時多発テロで最愛の父親を失った少年オスカー。
 1年経っても父の死を乗り越えられないでいたオスカーは、ある日父の書斎から“Black”と書かれた封筒の中にある1本の鍵を発見する。
 父親とよく“調査ゲーム”をして楽しんでいたオスカーは、その鍵に父親が遺したメッセージがあると確信、鍵穴を探すべく“ブラックさん”探しを始める―


【コメント】

 『英国王のスピーチ』で「観客が賞に便乗する必要はない!キリッ」なんてエラソーなこと言っておきながら、“本年度アカデミー賞最有力!”という宣伝文句に乗せられノコノコと劇場に観に行ってしまった本作。
 正直言えば、本作のようなアクがなさそーなドラマ物は観るのを躊躇してしまうのだが、ネットでの評判は上々のようだし、『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』という奇抜な映画タイトルにちょっと惹かれてしまったのもある。

 もう早々にネタバレになってしまうのだが、この奇抜なタイトルの意味ってのは、ジャンジャンと鳴っている父親からの電話(「ものすごくうるさくて」の部分)のこと、そして、目の前で鳴っている電話と少年オスカーとの距離(「ありえないほど近い」の部分)のことを言っているわけですね。
 で、9.11という悲劇を体験したアメリカ人の心の交流を、オスカーの鍵穴探しを通じて描いているわけです。つまりは、親子の愛、ひいては人と人とのつながり、「絆」をテーマにした映画なのでしょう。
 本作は9.11が題材となっていますが、これは置き換えてしまえば東日本大震災の悲劇を体験した日本に向けた作品でもあると僕は思ってます。
 “本年度アカデミー賞最有力!”と言われる所以は、東日本大震災が2011年を象徴する出来事であったからなのではないかな、と僕は感じるわけです。
 2011年にあらためて見直された“悲劇を通じた親子と人々の絆”を、アメリカにとって悲劇だった9.11を題材にして描いた作品なのかな、と思うわけです。深読みかも知れないけどね。

 しかしながら、僕は正直に言ってしまう。ぶっちゃけつまらん。
 アメリカ映画でよく使われる“主人公ひとり語り”の手法でストーリーが展開していくのだが、これが『ラブリー・ボーン』ばりに訳分からんことしゃべり続けて「オスカーよ、お前は一体何が言いたいんだ?」というツッコミの連続。かつ、とても騒々しいので観てて非常にイライラする。なので、主人公オスカーに全然感情移入できないし、父親の死や母親との確執に全然心が痛まない。
 マックス・フォン・シドーはさすが重鎮、存在感ある風格で、本作で唯一の見どころであり、本当に彼の登場場面だけが唯一締まっていたというか、気持ちを落ち着けて観ていられた部分だった。
 だが、本作が意図するテーマ云々以前に、全体的に特段のクセもアクもなく、かつ展開の抑揚もない非常に退屈な映画で、ヘタすれば心地よく眠れそうな勢いの作品。タイトルを借りれば、

「ものすごく退屈で、ありえないほど眠い」

そんな映画だったと言わざるを得ない。
ちなみに、僕は寝てません。


【2012年度 Myランキング】(2/18時点)

 本作は、本年度のワースト3中1位(暫定)にランクイン。


(ベスト)… ★★★☆以上が基準

  1位:ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
  2位:麒麟の翼~劇場版・新参者~ ★★★☆
  3位:
  4位:
  5位:
  6位:
  7位:
  8位:
  9位:
 10位:
  次点:




(ワースト)… ★★☆以下が基準

  1位:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
  2位:
  3位:


<その他ランク外一覧>
ロボジーヒミズALWAYS三丁目の夕日'64




『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』公式サイトはこちら