「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
低予算まるわかりだが、なかなかの面白さ
★★★
（★…1点 ☆…0.5点，★5つで満点）
（2011年／イギリス・フランス／88分／Attack The Block）
【 製作総指揮 】
エドガー・ライト
【 監督・脚本 】
ジョー・コーニッシュ
【 出演 】
ジョン・ボヤーガ
ジョディ・ウィッテカー
ルーク・トレッダウェイ
ジャメイン・ハンター
フランツ・ドラメ
アレックス・エスメイル
リーオン・ジョーンズ
サイモン・ハワード
ニック・フロスト
【あらすじ】
イギリスはロンドンのとある公共団地。
仕事帰りの見習看護師サムは、モーゼズを筆頭とした年端もいかない不良グループに囲まれ、金を恐喝される。その時、突如空から謎の隕石が落下、中から凶悪なエイリアンが現れ不良たちを襲うが、逆に返り討ちにあってしまう。
意気揚々とエイリアンの死体を引きずる不良だったが、空から次々と隕石が落下し、先ほどのエイリアンよりも凶暴なエイリアンたちがブロックを襲い始める。
モーゼズたちは「ここのブロックは俺たちのものだ！」と立ち上がり、エイリアン狩りを開始する―
【コメント】
エドガー・ライトといえば、日本劇場未公開ながら話題となったゾンビコメディの『ショーン・オブ・ザ・デッド』や、ポリスコメディの『ホット・ファズ－俺たちスーパーポリスメン！－』、そして『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』の監督で、マニアの間では一目置かれている映画監督だ。
本作では監督ではないものの、製作総指揮という関わり合いを持っているため、これはちょっと期待できそうだと観に行った次第。しかし、都内だと渋谷でしかやってないとかどういうことよ。足運ぶのめんどくせ。
さて、本作は突如地球にモンスター系エイリアンが舞い降り人間を襲い始めるという定番フォーマットのSFアクションだが、軍隊や戦闘機が登場するなど決して大がかりなものではなく、ロンドンの団地の一角というとても小さな場所で起きる出来事であり、決して規模は大きくないものの、登場人物の、とりわけ不良の未成年がエイリアンと闘うという設定が新鮮。
凶暴なエイリアンが地上に降りたら、まず何人かの人間が犠牲になって凶悪さをアピールするのが定石だが、冒頭でいきなり不良キッズがエイリアンを速攻で撃退しちゃうところからも、これまでのSFモノとは一味違うな、と思わせる。
エイリアンの姿も、口の中が不気味に光る“黒い物体”というだけの表現で、最後までオープンに姿を現すことはなく、それからも未知なる恐怖を引き出すことに成功している。
まあ、単純に低予算で作ったから、そこまで手が回らなかったのかもしれんけどね。低予算まるわかりな出来ではあるが、テンポよくコンパクトにまとまられてなかなか面白い。
もっとも、日本でいう不良と違って、かなりムチャクチャする不良だし、おおよそ未成年には見えないので、どうしても憎たらしいとかそんな感情が湧いてこないのだが、定番フォーマットを、キャラの設定変更だけで面白くした良い例だと僕は感じた。
【2012年度 Myランキング】（6/24時点）
本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。
（ベスト）… ★★★☆以上が基準
１位：ライアーゲーム ‐再生（REBORN）‐ ★★★★
２位：ドライヴ ★★★★
３位：ドラゴン・タトゥーの女 ★★★★
４位：ゾンビアス ★★★☆
５位：アーティスト ★★★☆
６位：テルマエ・ロマエ ★★★☆
７位：愛と誠 ★★★☆
８位：劇場版SPEC～天～ ★★★☆
９位：麒麟の翼～劇場版・新参者～ ★★★☆
１０位：タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら ★★★☆
次点：
（ワースト）… ★★☆以下が基準
１位：ものすごくうるさくて、ありえないほど近い ★★
２位：逆転裁判 ★★☆
３位：メン・イン・ブラック３ ★★☆
＜その他ランク外一覧＞
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