[リミット] (評価:★★★☆) | そんなことより恋をしろ

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※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。





1.評価

棺の中から電話掛けるだけで90分持たせたのは評価すべき

★★★☆
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)


2.基本情報

そんなことより恋をしろ-[リミット]



(2009年/スペイン映画/95分)

監督:ロドリゴ・コルテス
出演:ライアン・レノルズ

   
イラクで突如ゲリラに襲われた、しがないアメリカ人運転手ポール・コンロイ。
目を覚ますとそこは棺の中。
身動きの取れない棺の中には1台の携帯電話と壊れかけた懐中電灯。
ポールは携帯電話で家族や会社、FBIに電話をかけ、必死に助けを乞う。
そこに、ポールを棺に閉じ込めた犯人から電話がかかり、
ポールに500万ドルを要求する―


3.コメント

何はともあれ、本作『[リミット]』に対して言いたいことは
棺桶の中で電話掛けまくるだけで90分もたせたのはエライ!
ということだ。
この夏に同じようなワン・シチュエーションものの『フローズン』と同様
特段のひねりはなかったが、ロケーションが変わらないまま
テンションを保ちストーリーを進めるということは、そうそう簡単なものじゃない。
『世にも奇妙な物語』の15分程度の1エピソードで終わってしまうような設定を
1本の映画にしちゃうのは、かなりのセンスとテクニックが必要なはず。
いや知らんけど。絶対そうだって!

いやでも、こりゃまた宣伝がよろしくないぜ。
あたかもラストにどんでん返しが待っているかのごとく宣伝しちゃって。
特にないから、驚愕のどんでん返しは。
また踊らされちゃったよ、ボクは。
結局のところ、“脱出”を視点に置くと肩透かし食らっちゃう内容で、
むしろ“棺桶に詰められた人間の恐怖とあがき”として観たほうが正解なわけね。
驚愕のラストにしても、明確な答えがなく結局???になってしまう。
「答えを出すのは観客のあなたです!」ということか。
それにしてはちょっとモヤモヤが過ぎるラストだった。

まあ、それでもスリリングにサスペンスフルに飽きさせずに作られた本作。
なかなかの出来だと及第点をあげたいところです。
今後もこんな映画はどんどん出てくるだろうね。
次はどんなシチュエーションで来るか楽しみだ。


4.2010年度ランキング(11/7時点)

本作は、本年度のベスト10ワースト3ともにランキング外。

(1)ベスト10

  ① 告白
  ② アウトレイジ
  ③ ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
  ④ クロッシング
  ⑤ ベスト・キッド
  ⑥ トイ・ストーリー3
  ⑦ 劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
  ⑧ ゾンビランド
  ⑨ BECK
  ⑩ パラノーマル・アクティビティ
  (次点)
    エクスペンダブルズ
    時をかける少女
    第9地区
            
(2)ワースト3

  ① エアベンダー
  ② 彼岸島
  ③ シャーロック・ホームズ


<その他ランク外一覧>
マッハ!弐板尾創路の脱獄王パーフェクト・ゲッタウェイサロゲートラブリーボーンゴールデンスランバーインビクタス負けざる者たちサベイランスパレードパーシー・ジャクソンとオリンポスの神々ハート・ロッカー隣の家の少女マイレージ、マイライフシャッターアイランドアリス・イン・ワンダーランドゼブラーマンゼブラシティの逆襲劇場版銀魂新訳紅桜篇タイタンの戦い運命のボタン座頭市THELASTダブル・ミッションリアル鬼ごっこ2踊る大捜査線THEMOVIE3ヤツらを解放せよ!アイアンマン2プレデターズ借りぐらしのアリエッティインセプションソルトフローズンヒックとドラゴンカラフルバイオハザードⅣアフターライフ悪人十三人の刺客ナイト&デイインシテミル7日間のデス・ゲームソウザ・ファイナル3Dマチェーテ[リミット]




ネタバレすっぞ~

クライマックス。
棺に開いた穴から土砂が入り込み、生き埋め寸前の絶体絶命のポール。
そこに、イラクで“マーク・ホワイト”なる人物を救出した実績を持つFBI捜査官から電話が入り、
ゲリラから、アメリカ人を埋めたとする場所を聞き出し、
そこに向かっていると告げられる。
とめどなく入り込んでくる土砂の中、必死に助けを乞うポール。
電話の先では、現場に到着し棺を掘り起こす作業をしている音が聞こえる。
しばしの沈黙のあと、捜査官はポールにこう告げる。
「ポール、棺は“マーク・ホワイト”の棺だった…すまない…本当にすまない…」
絶望の中、ポールは土砂に埋まっていく―



はぁ!?意味ワカンネ!!!
という人のために。

このラストについては、明確な答えというものが存在しないため
ネットでもいろいろと議論されているポイントなわけだが、
大方の答えだろうというものが以下のとおりだ。

FBI捜査官が“マーク・ホワイト”なる人物を助けたというのは実は嘘で、
ポール・コンロイと同時期に捜査中だったアメリカ人。
理由はポールを安心させるため、希望を持たせるため。
FBIはポールより先に救援を求めていたマークを優先して捜査していた。
もしかしたら、マーク・ホワイトは“死体”で掘り出されたのかも知れない。
したがって、ポールも後々“死体”で発見されるかもしれない…


その他、「FBIは捜査すらしてない」「FBIの人物はゲリラとグル」など
解釈はいろいろとあるので、あれこれ考えてみるのも面白いかもしれない。