フェリンヌのブログへようこそ!

こちらでは『海外のユニークな旅先ばかり』をご紹介しています。

 

『私の旅づくりへの思い』こちら

 

バルカン半島については以下の記事をご覧ください

 

  バルカンで絶対訪れたい国コソボ!そこは“バルカンのエルサレム“はこちら

 

 その①では首都サラエボその②では世界遺産のあるモスタル、そしてその③ではボスニア・ヘルツェゴビナ南東部から東部あたりをご紹介しました。ヴィシェグラードにも世界遺産がありましたね。さらにその④では、国境を越えてセルビアへ。 「シャルガン8」に乗車。

 

 そこでその⑤からは、モスタルの北へボスニア・ヘルツェゴビナ北部の町バニャルカ(Banja Luka)までをご紹介しています。『ヨーロッパのイスタンブール』と 呼ばれるトラヴニック(Travnik )では、高台の城が圧巻でしたね!

 

 続いて向かうのはヤイツェ(JAJCE)です

 

      

 

 この町はプリヴァ川(Pliva)ヴルバス川(Vrbas)合流点に位置しています。近くにある大小プリヴァ湖には、その間にいくつもの小さな水車が置かれ、地元の

人々の憩いの場になっています。

 

<プリヴァ湖>

 

<伝統的な木製の水車>

 

 クローズアップすると・・・

 

 

 とてもユニークな風景ですね。でも、ヤイツェの自然のランドマークといえば、何と言っても“町の中心に流れる”・・・

 

<世界でも珍しい町の中に流れるプラヴァ滝>

 

<高さ17メートルのブラヴァ滝>

 

 毎年8月には、この高さ17メートルのブラヴァ滝で『飛び込みの国際大会』が行われるそうですよ!

 

 自然の魅力たっぷりのヤイツェですね。

 

 一方で、歴史あるヤイツェは、まさに『野外博物館』。町には、歴史的に重要な 4つの帝国ローマビザンチンオスマンオーストリア・ハンガリー)と3つの王国ボスニアハンガリーユーゴスラヴ)、そして3つの一神教キリスト教、 イスラム教ユダヤ教)の証が存在しています。

 

 中でも、ヤイツェの町を見下ろす高台のヤイツェ要塞(JAJCE CITADEL)は、廃墟となった今も、まるで、この町を見守っているかのようです。町の中心から坂道を のぼること約30分でたどりつきます。

 

<高台に聳えるヤイツェ要塞>

 

<緑多いヤイツェの町の中心から見上げるヤイツェ要塞>

 

<ヤイツェ要塞への道>

 

 途中、聖マリア教会があります。

 

<鐘楼がユニークな聖マリア教会>

 

 上の写真が12世紀に起源をもつ聖マリア教会(St.Mary Church)。現在の姿は 15世紀前半に再建されたものです。

 

 1461年11月、この教会でボスニア王国最後のステパン・トマセビッチはローマ 教皇ピウスⅡ世より王冠を受けました。かくしてヤイツェボスニア王国の首都と なったのです。

 

 その後、1528年オスマン帝国の支配下で、この教会はモスクに転換され、“スルタン・スレイマンⅡ世”と改められました。

 

 聖マリア教会の北側に建つ鐘楼は、後期ゴシックにルネサンスのヒントを得た独特のスタイルです。バルカン半島に残る、とても貴重な中世の鐘楼といえます。

 

 そして要塞へ到着・・・

 

<要塞内部も緑がいっぱい>

 

<頑丈そうな城壁>

 

 中世を語るヤイツェ要塞、そしてボスニア王国にとって重要な出来事があった聖マリア教会・・・

 

 ヤイツェはさらに“ユーゴスラヴィア誕生の地”としても知られます。その歴史を 知るには、『AVNOJ博物館(AVNOJ MUSEUM)』へ。

※“AVNOJ”とはいわゆる“ユーゴスラヴィア人民解放反ファシスト評議会”のことです。

 

<AVNOJ博物館>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Muzej_AVNOJa3.JPG

The original uploader was Вики корисник at Serbian Wikipedia. [CC BY 3.0 rs (https://creativecommons.org/licenses/by/3.0/rs/deed.en)]

 

 時は1943年11月29日と30日。この場所で、セルビアクロアチアスロヴェニアボスニア・ヘルツェゴビナマケドニアモンテネグロの代表が集まり、6つの国が平等に共存するユーゴスラヴィア連邦の設立』が議決されたのです。

 

<ユーゴスラヴィア連邦の設立が議決された場所>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Muzej_AVNOJ-a.jpg

https://www.flickr.com/photos/brendaannerl/ [CC BY 2.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/2.0)]

 

 ヤイツェとはボスニア・ヘルツェゴビナだけでなく、バルカンにとってもかなり 重要な町ですね。

 

 ほかにも、みどころとして、ユニークな14世紀花崗岩の地盤に造られた地下聖堂(Underground Church)があります。

 

<14世紀の地下聖堂>

 

 

 2003年には国定史跡となっています。

 

 というわけで、ヤイツェはいかがでしたでしょうか。この後は、さらに北上して バニャ・ルカ(BANJA LUKA)へ向かいます。

 

 途中、クルパ・ナ・ヴルバス(KRUPA NA VRBASU)に立ち寄ってみます。ここでも伝統的な水車の間を縫って流れる清流、そしていくつものが見られますよ。

 

<クルパ・ナ・ヴルバスの滝>

 

<伝統的な木製の水車>

 

 

 見ているだけで涼を感じる場所ですね。

 

 さて、いよいよボスニア・ヘルツェゴビナ北部のバニャ・ルカ(BANJA LUKA)へ。

 

 この町の辺りは、自然資源に恵まれ、地理的な有利性もあって、先史時代から現在にいたるまで、持続的に人間居住開発がされてきました。そしてバニャ・ルカという町の名前が歴史上に登場したのは15世紀のことです。

 

 バニャ・ルカもヤイツェ同様に歴史ある町といえますね。中でもこの町で一番古いものと言えば、ヴルバス川左岸を支配するかのような要塞『カステル(KASTEL)』です。

 

<バニャ・ルカ上空から見下ろす要塞『カステル』>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Banjaluka_tvrdjava_Kastel.JPG

Darko Gavric [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)]

 

<バニャ・ルカを流れるヴルバス川左岸に建つ要塞カステル>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Banjalucka_tvrdjava_Kastel_04.jpg

Zmajoliki [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)]

 

 このカステルに関しては、明確な歴史的記述はないものの、ローマ時代にすでに 同じ場所にがあったものと考えられています。

 

 というのも、考古学的調査が行われた際に、ローマ時代の硬貨や陶器、建物の一部などが発掘されたことに加え、1885年には、橋の建設時に、ローマ神ジュピターの祭壇も見つかっています。

 

 ローマ時代崩壊後も、中世ボスニア王国時代オスマントルコ時代、そしてオーストリア・ハンガリー時代と、要塞の役割を果たしてきました。要塞の各所でその歴史の変遷がみられます。

 

 現在は人々の憩いの広場として、城壁内も自由に散策できます。

 

 バニャ・ルカでは、救世主キリスト大聖堂(TEMPLE OF CHRIST THE SAVIOR)も是非訪れましょう。第一次大戦後にバニャ・ルカで建設された最も大きな建築と いえます。セルビア・ビザンチン様式という19世紀後半から20世紀前半に流行ったスタイルのセルビア正教教会です。

 

<バニャ・ルカのシンボル救世主キリスト大聖堂>

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Banja_Luka_Cathedral.JPG

Julian Nyča [CC BY-SA 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)]

 

 1929年に建築された大聖堂は、第二次大戦中に破壊され、現在の建築がスタートしたのはユーゴスラヴィア崩壊後の1993年です。

 

 

 その建築の大きさ、美しさにおいてバルカンでも有数の大聖堂といえます。内部は未完成ながら、天井フレスコや祭壇画など見応えがありますよ。

 

 

 

 ボスニア・ヘルツェゴビナの旅はいかがでしたでしょうか。サラエボ以外はあまり日本でも知られていませんが、バルカンの歴史に重要な建築遺産、そして豊かな自然あふれるボスニア・ヘルツェゴビナ。機会があれば是非訪れてみてください。

 

   サラエボだけじゃないボスニア・ヘルツェゴビナの魅力その⑤はこちら

 

      離島マニア必見!アウター・ヘブリディーズ諸島はこちら

    “北アイルランド”で訪れるべきはここ!デヴェニッシュ島はこちら

  ベルギーではなく、フランスのディナン!素敵なコロンバージュの町はこちら

 一度は観たい!世界無形文化遺産『人間の塔』カタルーニャ魂さく裂!はこちら

  スコピエに行ったら必ず訪れたい!圧巻の鍾乳洞 マトゥカ峡谷はこちらへ 

 “運が良ければ行ける!世界遺産”アイルランドのスケリッグ・マイケル島はこちら

 クロアチアを再訪するならここ!『黄金の谷』スラヴォニア地方の記事はこちら

  バルカンで絶対訪れたい国コソボ!そこは“バルカンのエルサレム“はこちら

     “カタリ派“の歴史を知って訪れたいオクシタニー地方はこちら

    ベルギーファン必見!中世のミニチュア都市ベギナージュはこちら

  VWファンにはたまらない!スイスの湖畔にワーゲンバスが大集合はこちら

  オレロン島“日本人観光客のいない”フランスの島でヴァカンス!はこちら

  イエールがなぜ“コート・ダジュール”の名称発祥の地であるのか?はこちら

 

  ヨーロッパ最大かつ最古!のアラブの城 千百年の歴史ゴルマス城はこちら

   ロマネスクファンは必見!7世紀の秘蔵プレ・ロマネスクはこちらへ    

古くて壊れかけた家ばかりなのにカメラを向けたくなる村カラタニャソルはこちら

  イニエスタの故郷アルバセテってどんなところ?スペインの絶景はこちら

写真撮影に失敗しない完璧なロケーション!“アルバセテの宝石“ホルケラはこちら

       パラドールとしておすすめアラルコン城はこちら

   本場で食べたい!”ハモン・イベリコの故郷ハブーコ村の記事はこちら

  ユニークなフラメンコ巡礼!スペイン最大の巡礼地エル・ロシーオこちら

 山歩きが好きな方におすすめ!スペインの名峰“ピコス・デ・エウロパ”はこちら

 

 “インカ帝国のルーツ”プレ・インカの遺跡を求めてペルー北部へはこちら

 やっぱり遠い!ブラジルの世界遺産“フェルナンド・ジ・ノローニャ”はこちら

    日本の夏に“ベストシーズン”を迎える南米の秘境はどこ?はこちら

【ベネズエラ】野生動物ウォッチングはゆったり5連泊!オリノコ大湿原はこちら

南米チリの秘境・絶景「マーブル・カテドラル」を目指し北パタゴニアへはこちら

     秘境アマゾンなら“ボリビア”!ピンクイルカに出会う旅はこちら

これからブレイク間違いなし!ブラジルの秘境シャパーダ・ジアマンチーナはこちら

     日本のお城まで存在する!パラグアイってどんな国?はこちら

         観光で訪れる時代が再来!ハイチはこちら

    今、南米に行くなら迷わずコロンビア!「黄金郷の国」はこちら

    日本人観光客のいないカリブの島サン・アンドレス島へ!はこちら

  南米のお祭りなら!メデジン年に一度のフラワーフェスティバルはこちらへ 

   秘境ファン必見!“虹色の川”カニョ・クリスタレス神秘の川はこちら

  “幻のニカラグア運河”をクルーズ!淡水ザメの棲むニカラグア湖はこちら

      秘境ダリエン!ジャングルに住むウーナン族はこちら

         乾季におすすめ!ウユニ塩湖はこちら

                  マヤ文明を極めるなら“中米のポンペイ”はこちら

       鉄道ファンへ!ブラジルのオリエント急行?!はこちら

          “知られざるアルゼンチンの絶景“はこちら
 
 “目を守るため”ならぬ“身を守るため”のサングラス!固定概念を捨てるはこちら

 “語学習得”は旅を充実させることはもちろん旅づくりの可能性も広げるはこちら

 

               

 

フランシュ・コンテは冬の美しさも実は魅力です。雪景色が“癒し“そして”パワー“をも与えてくれます。“ヒーリング”効果ありのフランシュ・コンテ地方写真集ですので、是非のぞいてみてください!

雪景色に癒されるフランスの田舎: コンテチーズのふるさと フランシュ・コンテ地方 真の美しさに... 雪景色に癒されるフランスの田舎: コンテチーズのふるさと フランシュ・コンテ地方 真の美しさに...

 

Amazon

 

       よろしければ「旅づくりへの思い」もご覧ください。

 

 本日も『世界を深く知る旅』ブログをお読みいただきありがとうございました。

 

                                           読者登録してね

 

                
                海外ランキング