映画タイトルしりとり~『れ』~冷血(1967) | あの時の映画日記~黄昏映画館

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映画タイトルしりとり・・

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このシリーズ、早くも46作を超えました。

思い付きで始めたこの企画がここまで続くとは思いませんでした。

 

今回は『れ』で始まる作品、

トルーマン・カポーティ―原作、リチャード・ブルックス監督作品、

冷血』(1967)のご紹介。

何の罪もない、

まさに善良な一家4人が若者二人に惨殺される。

 

犯人の二人の動機は強盗して金を取ること。

刑務所仲間のホラ話に乗せられた安直な行動だった。

 

600キロも遠出して行った凶悪犯行。

しかし手にした金額はたったの40ドル。

その犯罪の凶悪さに比してあまりにも少なすぎる金額だった。

 

特別捜査網が引かれ、

逃亡中の二人は逮捕。

幾度もの控訴をするも、二人に死刑が確定し・・・

 

逃亡中の道中で二人の過去が明かされていく。

だが、それは一家4人殺害することに同情できるほどのことではない。

でも二人が暮らしてきた世界はその生活環境も原因しているのだがあまりにも狭かった。

 

「法律には二つあるのさ。

金持ちの法律と貧乏人の法律と」

 

主犯のペリーはあまりも純真だ。

幼いころ父親から聞かされた宝探しの話。

ヒッチハイクをしている貧しい父子と一緒に空き瓶探しをしているときに、

その時父親が語ってくれた夢が実現する喜びを感じる。

 

死刑台に送られる二人。

その時の牧師の言葉がひどく空虚に感じられる。

 

以前、

大島渚監督の『絞死刑』に少し批判的なレビューをしたとおり、

私は今でも死刑制度には肯定派です。

それは、被害者側の無念を晴らすにはそれを持って晴らすしか手はないから。

 

推測ですが、

大島渚監督はこの「冷血」に対して、

「絞死刑」で彼なりのアンサーを返したのかもしれないですね。

 

でも、

殺人は絶対によくないことを前提としても、

社会悪に抗えない人は一定数いるのだということは考えておかなければならないと思う。

 

劇中「死刑執行人の名前は」という問いに対して、

「市民」という答えがある。

その通りなのですが・・・

 

情状酌量・・・

この言葉の曖昧さが私たちの心の混乱を生み出しますね。

 

『ティファニーで朝食を』のカポーティ―原作ですが、

同作のようなエンターテイメントの要素は皆無です。

 

でもいい作品ですね。

雨の夜の死刑執行シーンは心に残ります。

 

冷血 In Cold Blood

1967(米) リチャード・ブルックス監督

134分