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また『り』が続きました。
そこで本日は『リンダ・リンダ・リンダ』(2005)のご紹介。
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この作品を監督した山下敦弘監督は結構お気に入りで、
つげ義春の漫画を原作とした『リアリズムの宿』(2003)や、この作品の後に制作された『松ケ根乱射事件』(2007)などにとてもいいタッチを見せてくれています。
本作はとても甘酸っぱく、
そしてクールな女子高生たちのガールズバンドの物語。
彼女たちが選んだ楽曲がブルーハーツの楽曲である「リンダ・リンダ」「僕の右手」「終わらない歌」。
とてもいい選曲なんです。
女子高校生に20年近く前の楽曲を演奏させるアイディアは誰の物かはわかりませんが、
とてもいいです。
ブルーハーツ。
なぜか最近胸に突き刺さるんですよね。
単純な言葉が羅列された歌詞なのに、
だからそれだからかもしれないが、
普遍的なメッセージに感動させられてしまうんです。
作品レビューでは、
人種間のイデオロギーが出すぎないところがいいと確か書いたと思うのですが、
ブルーハーツの歌詞はそんなものを超越したところにありますね。
人種間差別をする人は、
きっと弱くて寂しくて怖がりなんじゃないかな。
存在しない格差を自分の中で作り上げ、
自分より弱いものを叩くことによって安心するような人たち。
一対一では怖さも敵対心も劣等感も感じないが、
例えば国対国になると同調しなければいけないという恐怖と視線から、
特に国家元首たちは強いところを見せたいがために、
カッコつけたがる。
あなたは私より優れているのですか?
ブルーハーツの楽曲の中に、
「青空」という曲があります。
差別主義者、選民思想の人たちにぜひ聴いてほしい。
♪
ブラウン管の向う側
カッコつけた騎兵隊が
インディアンを
撃ち倒した
ピカピカに光った銃で
出来れば僕の憂鬱を
撃ち倒して
くれればよかったのに
~中略~
生まれた所や
皮膚や 目の色で
いったいこの僕の
何がわかると
いうのだろう
運転手さんそのバスに
僕も乗っけてくれないか
行き先なら
どこでもいい
こんなはずじゃ
なかっただろ?
歴史が僕を問いつめる
まぶしいほど
青い空の 真下で
彼等の曲をテーマにした点で、
この作品の、
あまり大きな声を出していないメッセージを強く感じることができます。
今回は映画よりもブルーハーツの紹介の方に字数を使ってしまいましたが、
いい作品です。
大人の事情で修学旅行にも行かせてもらえなかった私にすれば、
この作品の登場人物たちはまぶしすぎます。
そんな私に、
とても響いてくるのです・・・
「リンダ・リンダ・リンダ」(2005)
山下敦弘監督 114分