『松ケ根乱射事件』
2006年(日) 山下敦弘監督作品
同監督の、
『リンダ・リンダ・リンダ』(2005)が割と面白かったので、
監督の名前に惹かれて鑑賞。
でも作風はまるで違う。
前者が青春爆発ムービーでひたすら外向きだったのに対して、
こちらは徹底定期に内向きな内容。
どうしようもない奴ばかり出てくる。
とある村に双子の兄弟がいた。
兄は畜産業を手伝っているがどこか頼りない。
一方弟は真面目な警察官。
当面の悩みは勤務している派出所のネズミがいなくならないこと。
そんなある日、
兄は女性を車でひき逃げしてしまう。
女性の命は助かったが、
女性は兄の顔を覚えており、
兄は女性とその男に弱みを握られてしまうことになった。
それがきっかけで、
平穏だった弟の周りも騒がしくなってきて、
どうしようもない煩わしさが襲うようになり・・・
一種のブラックコメディを狙ったようであるが、
それにしては洒落っ気が足りず、
真面目に観ていると暗い気持ちになる。
金の延べ棒を換金することのできない、
ひき逃げされたカップルの挿話など、
クスリとできるシーンはあるのだが、
知的発達が遅れているように見える少女と、
親子そろって関係してしまうところなどは気持ちが悪い。
『タクシー・ドライバー』(1976)のトラビスの精神状態になったような主人公の乱射事件のオチのつけ方はうまいのだが・・・
どちらかというと、
『リンダ・リンダ・リンダ』の方が好きだ。
山下敦弘監督作
リンダ・リンダ・リンダ(2005)
味園ユニバース(2015)
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