映画タイトルしりとり。
『明日に向かって撃て』~『天井桟敷の人々』と続きまして、
今回は『と』から始まる作品ということで、
『となりのトトロ』(1988)で行こうと思います。
10年続けている本ブログで、
唯一取り上げたアニメ作品がこの、
『となりのトトロ』でした。
宮崎駿のアニメーションは、
もちろん多数観ていますが、
記事として取り上げるにはどれも何故か恥ずかしくて、
この作品しか挙げていませんでした。
どの世代の観客が鑑賞しても、
宮崎作品は面白くて素晴らしいと思います。
でも
なんだか少し鼻につくかなという感覚が私にはありました。
そんなひねくれ者の私にも、
『となりのトトロ』はグッとくる素晴らしい作品だと思いました。
ノスタルジィと冒険というテーマにおいては、
アメリカ映画の『スタンド・バイ・ミー』(1986)より優れているかもしれないと思わせる出来栄えです。
田園風景が広がる田舎に引っ越してきたお父さんと娘のメイ、サツキ。
ある雨の日、バス停で森の妖怪トトロと出会う。
この心優しい妖怪は、
病床のお母さんを訪ねる子供たちの冒険を全力応援。
無事お母さんに「とうもころし」を届けることができる感動のラストまで、
時には笑い、時に手に汗握らせてくれながら楽しく見せてくれます。
夏の青空、虫の声、雲の流れ、風の音。
アニメならではのデフォルメされた風景がノスタルジィを掻き立てます。
まっくろくろすけ、猫バス、いじめっ子のカンタくん、など、
脇で光るキャラクター設定もお見事ですし、
引っ越し先のお風呂や、縁側などの細かい描写もとてもいいです。
妖怪トトロとのファーストコンタクトがバス停というのもとってもいいですね。
寂しくてなんだか不安になる雨のバス停。
そんな中バスで帰ってくるお父さんを姉妹二人で迎えに行くのですが、
妹のメイちゃんはおんぶされたまま眠っちゃってね。
トトロと一緒に夜空を飛び回るシーンに至っては、
ピーターパンを超えたって思いましたよ。
庭にまいた種がその翌朝芽を出してるんですね。
「夢だけど夢じゃなかった~」
名場面だったと思います。
初公開時、
本作は単独興行じゃなかったんですよね。
火垂るの墓との同時上映。
両作とも、
作家の評価が上がった現在なら単独上映されていたでしょうね。
いい作品でした。
次は、
『ろ』で始まる作品のあれやこれや・・・