たまには車の話を | 社会不適合オヤジⅡ

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好奇心、いよいよ旺盛なもので・・・

6月になったというのが実感できるようなお天気でした。

朝から弱い雨が降っていて少し肌寒いくらいの気温でした。

 

たまには車の話でも書こうかなぁと、数枚の写真を撮りました。

とはいえ、信号待ちの間にスマホでパシャパシャと撮っただけですが。

クルマって運転する側から言わせると、運転している限り外観は見えません。

ボンネットも見えません(笑)

だからステアリングやペダルから伝わってくる、クルマが語りかけてくる、その発信をきちんと受け止められるようなドライバーであるかが、まずは求められるべきなのではないかと思います。

その点、アルファロメオは饒舌でした。

目の前で、巻き舌でカンツォーネを捲し立てられているかのようでした(笑)

久しぶりに、今はなきアルファロメオ156のコックピットの画像を貼り付けましょうか。

これから比べれば今のメルセデスSLK200は理路整然としたキャビンです。

デザインやレイアウトは個人の好みでしょうから、どちらが優れているかなどという議論は不毛です。

自分がお金を払って所有するものですもの、好き嫌いで選んでいいのだと思うのです。

 

じゃぁSLKは好きかって?

そうですね、好きな部類のクルマです。

アルファロメオとは全く違うベクトルを示しているのは当然ですが、その指針がぶれていなくて理解しやすいところが好きですね。

屋根が開く2座の、ロングノーズ・ショートデッキのスタイル。古典的なプロポーションですが現代的な運転感覚。あるべきものがあるところに備わっていて、ドライビングする緊張感と楽しさを逆なでするような不躾さもない。

決してスポーツカーではありませんが、確かに速い部類のクルマでしょう。

ワイドなトレッドに比べてホイールベースは短いと言っていい。

それ故にハンドリングのゲインの高さは、4気筒で1.8Lという、軽い鼻先も味方して面白いように俊敏な動きを見せてくれます。

けれどスポーツカーのような運転が楽しいかというと、私にはそれほあまり面白みを感じません。

ショートホイールベースといいましたが、それはあまりにも広いトレッド故のこと。あくまでも相対的な意味に過ぎません。

 

中央高速のようなやや荒れた路面でも乗員に過敏なハーシュネスやバイブレーションを感じさせずに、それこそステアリングに手を添えているだけで矢のように進みます。

このようなグランドツアラーの使途目的が、実はこのクルマには似合っているのではないかと思えます。

タービンによる加給もそれに一役買っています。

156は6速のマニュアル・トランスミッションでしたが、カタログ上ではなんとトップスピードは6速で達成します。つまり6速はオーバードライブではないのです。

これは歴代のアルファロメオの習わしで、いつもどんな時も最大トルク発生回転数でエンジンを回せということなのです。ポール・フレール先生がおっしゃった通り、最大トルク発生回転数がそのエンジンの一番燃焼効率が高い回転数だということを守っているのですね。

 

つまり156の場合、官能的な回転マナーを持つ伝統的なスローカウンターV6エンジンを載せるためにボディがある、そういうクルマでした。だからボディも室内も官能的でなくてはならないという、その指針に沿った車作りでした。私はその点でアルファロメオの優れたエンジン設計者、ジョゼッペ・ブッソが作り上げたV6エンジンの最終モデルに乗れたことを幸せだったと思うのです。

その点、SLKはエンジンは最前列に陣取るような振る舞いはしませんね。

あくまでも縁の下の力持ち。必要なパワーを必要に応じて十分なだけ提供してくれます。

ヒール・アンド・トゥなどという操作も不要です。

ステアリングにはパドルが付いていて、マニュアル操作も選べます。コンベンショナルなATですから、やや高い回転数でシフトダウンしても、高性能な流体継手のオイルが適度に滑ることでギクシャクした挙動はありません。そればかりか高い回転数で回っているエンペラはその名の通りトルク変換を行ってくれて、ステーターのフィンに高い油圧を伝達し、軽くアクセルを踏み込めばコーナー途中からトルクフルな後輪駆動車独特の軽いオーバーステアさえ感じさせてくれます。

ドイツの車だから、とか、イタリアの車だから、とか、そんな話は興味がありません。

このメルセデスR172 SLK200というクルマは今の時代を突き進むにふさわしい乗り物です。

狭いキャビンに包まれて都会を脱出して、緑豊かな郊外に出たら屋根を開け放つ。

高いボディ剛性はルーフを開け放ってもダルなフィーリングは微塵も見せません。とはいえ、やはり少しはスカットルの揺れは生じます。

それはオープンのまま悪路を走ると、ルームミラーが僅かに揺れることでわかります。

でもそれがいい。屋根をあけている実感があるけれど、ドライビングには何の障害もないからです。

ボンネットを覗き込むと雨粒が流れていくのが見えました。

流石に今日は屋根は開けられません。それでもSLKというクルマは有能で寡黙な執事のように仕事を淡々とこなしてくれて、私を仕事場まで送り届けてくれます。

 

もしも親指に逆剥けなどできてしまったら一日中嫌な気持ちで過ごすことになりますよね。

でもこのメルセデスSLK200と言う車は、そんな些細な引っかかりさえ表さない。

それがこの車の良さでしょう。

昨秋紅葉の季節に撮った後ろ姿。R172のSLKを、それらしく表現できたのではないかと思います。

 

購入して半年ほど経ちましたが、私はこのクルマの面白さと有能さが少しわかってきたようです。

また明日ね('-^*)/


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