国宝・重要文化財指定の建造物

国宝・重要文化財指定の建造物

全国の国宝・重要文化財に指定された建造物についてのブログです。

全国の国宝や国の重要文化財に指定された建造物のうち、通常公開されていない文化財の特別公開の情報をまとめています。
ネット上などで見つけたものはできるだけ紹介するようにしています。社寺の年中行事に関係したものは趣が大変深く、また、公的機関が主催するものは専門家の解説があるなど、中身が濃いように思います。
(2026年4月14日情報更新)


国宝・重文建造物のトップページはこちら

開催中・予定中の特別公開

令和8年3月14日から6月14日<京都府京都市>大徳寺興臨院
令和8年3月20日から5月6日<京都府京都市>銀閣寺東求堂内部
令和8年3月25日から6月2日<京都府京都市>相国寺法堂内部
令和8年4月4日、5日、5月23日、24日<京都府八幡市>正法寺
令和8年4月11日から6月14日<東京都港区>旧朝香宮邸建物公開展
令和8年4月17日<福島県西会津町>円満寺観音堂開扉
令和8年4月18日、7月20日、11月23日<北海道函館市>遺愛学院本館 新着
令和8年4月18日、19日<大阪府羽曳野市>吉村家住宅
令和8年4月18日から30日の土日祝<愛知県半田市>小栗家住宅庭園内
令和8年4月18日から5月6日及び5月の土日<兵庫県神戸市>旧ハッサム住宅内部
令和8年4月25日、26日<兵庫県神戸市>船屋形
令和8年4月25日から5月10日<京都府京都市>東福寺三門内部・龍吟庵
令和8年4月25日<京都府大山崎町>聴竹居
令和8年4月25日から5月10日<京都府京都市>伏見稲荷大社お茶屋
令和8年4月25日から5月10日、11月7日から12月6日<滋賀県大津市>西教寺客殿内部 新着
令和8年4月25日から6月14日<三重県桑名市>諸戸家住宅庭園
令和8年4月26日から5月10日<奈良県奈良市>興福寺北円堂内部
令和8年4月27日から5月10日<京都府京都市>知恩院 大方丈・小方丈
令和8年4月28日から5月10日<京都府宇治市>萬福寺松隠堂内部
令和8年4月29日から5月5日<京都府京都市>壬生狂言舞台
令和8年4月29日から5月10日<神奈川県横浜市>臨春閣内部
令和8年5月1日から7日<奈良県奈良市>奈良女子大学記念館
令和8年5月2日(聖武天皇祭)<奈良県奈良市>東大寺本坊経庫
令和8年5月3日から5日<兵庫県姫路市>円教寺大講堂・常行堂内部 新着
令和8年5月3日から5日<神奈川県鎌倉市>円覚寺舎利殿
令和8年5月3日から6日<大分県宇佐市>宇佐神宮本殿
令和8年5月3日から6日<鳥取県大山町>門脇家住宅 新着
令和8年5月4日、5日<京都府宇治市>松殿山荘(予約制)
令和8年5月4日、5日<滋賀県草津市>芦浦観音寺
令和8年5月14日、22日、28日、6月12日、18日、26日、7月2日<東京都品川区>旧島津本邸(予約抽選制)
令和8年5月17日<愛知県弥富市>服部家住宅(予約制) 新着
令和8年5月23日、24日<東京都中央区>三井本館内部 新着
令和8年5月23日、24日<東京都千代田区>旧近衛師団司令部庁舎内部 新着
令和8年5月23日<東京都港区>慶應義塾三田演説館 新着
令和8年5月29日、30日<滋賀県大津市>住友活機園(予約抽選制)


都道府県別の公開状況


北海道

  • <札幌市>
  • ●北海道大学植物園: 4月末から11月初旬
  • ●八窓庵: 4月末から11月上旬
  • <小樽市>
  • ●手宮鉄道施設: 4月下旬から11月初旬
  • <函館市>
  • ●遺愛学院: 春季、夏季、秋季に各1日

青森県

  • <東通村>
  • ●尻屋崎灯台内部: 4月上旬から11月上旬

秋田県


山形県

  • <山形市>
  • ●旧済生館本館3・4階: 不定期(予約制、前回公開令和7年秋)
  • <中山町>
  • ●旧柏倉家住宅: 3月から11月の土日祝日

福島県


茨城県


栃木県

  • <日光市>
  • ●日光田母沢御用邸二階皇后御学問所: 春の枝垂桜開花期

群馬県

  • <桐生市>
  • ●彦部家住宅: 毎週土日曜日、祝日
  • <安中市>
  • ●旧碓氷峠鉄道施設丸山変電所内部: 秋の近代化遺産一斉公開期間中

埼玉県

  • <川越市>
  • ●仙波東照宮: 不定期(前回公開は令和4年秋の市制100年)
  • <八潮市>
  • ●和井田家住宅: 毎月第3土曜日(8月・12月・1月を除く)
  • <所沢市>
  • ●黄林閣: 毎週木曜日
  • <毛呂山町>
  • ●出雲伊波比神社本殿: 秋の文化財保護強調週間中の一日

千葉県


東京都

  • <千代田区>
  • ●旧近衛師団司令部庁舎内部: 春の東京建築祭期間中
  • ●水準原点: 5月下旬に一日間のみ(雨天中止)
  • <港区>
  • ●慶応大学三田演説館: 秋の建築プロムナード、春の東京建築祭期間中
  • ●明治学院大学インブリー館内部: 秋の東京文化財ウイーク
  • ●旧朝香宮邸: 年一回開催される建物公開展
  • ●増上寺三解脱門内部: 不定期(前回公開は令和4年の建立400年記念)
  • <中央区>
  • ●三井本館内部: 春の東京建築祭期間中
  • <大田区>
  • ●池上本門寺五重塔開帳: 4月上旬の花祭り期間中
  • <北区>
  • ●旧醸造試験所第一工場: 秋の東京文化財ウイーク
  • <文京区>
  • ●根津神社社殿内部: 秋の東京文化財ウイーク
  • ●旧磯野家住宅(銅御殿)前庭: 秋の東京文化財ウイーク
  • <渋谷区>
  • ●旧久邇宮邸 (聖心女子大学パレス): 3月に数回(予約制)
  • ●明治神宮宝物殿: 10月下旬から11月上旬
  • <台東区>
  • ●上野東照宮社殿内部: 10月から11月の間の数日
  • <目黒区>
  • ●前田本邸非公開部分: 秋の東京文化財ウイーク
  • <品川区>
  • ●旧島津本邸: 春5~6月、秋10~12月(春・秋ともに月2、3日程度、予約抽選制)
  • <東村山市>
  • ●正福寺地蔵堂内部: 6月第二日曜日、8月8日、11月3日

神奈川県

  • <横浜市>
  • ●聴秋閣奥の遊歩道開放: 大型連休前後及び紅葉時期
  • ●臨春閣内部: 不定期(令和8年4月公開)
  • ●関家住宅: 年一回11月ごろ(抽選制)
  • ●神奈川県庁舎内部: 春季及び秋季に各二日程度
  • <鎌倉市>
  • ●建長寺僧院一部立入解禁: 元旦(除夜の鐘)
  • ●極楽寺忍性廟: 4月7日、8日の仏生会
  • ●覚園寺開山塔: 4月下旬から5月上旬
  • ●円覚寺舎利殿: 1月1日から3日、5月3日から5日、文化の日前後
  • ●浄光明寺五輪塔: 4月の鎌倉まつり期間中

新潟県

  • <十日町市>
  • ●星名家住宅: 10月頃(予約制)
  • <関川村>
  • ●佐藤家住宅: 不定期(前回公開は令和7年秋)

富山県

  • <南砺市>
  • ●白山宮覆屋開扉: 9月25日、26日のこきりこ祭期間中

石川県


福井県


山梨県

  • <北杜市>
  • ●八代家住宅: 11月3日
  • <甲府市>
  • ●高室家住宅: 毎年9月頃、一日間のみ(予約制)

長野県

  • <山ノ内町>
  • ●佐野神社本殿: 9月の秋季祭礼時

岐阜県


静岡県


愛知県


三重県

  • <桑名市>
  • ●諸戸家住宅庭園: 春と秋の年二回

滋賀県

  • <大津市>
  • ●住友活機園: 毎年春季に二日間程度
  • ●三井寺光浄院、勧学院: 四人以上事前予約制、その他不定期公開
  • ●蘆花浅水荘: 冬季を除き毎月第二土曜日
  • ●西教寺客殿内部: 不定期公開(2026年4月公開)
  • <草津市>
  • ●芦浦観音寺: 5月4日、5日、11月23日
  • <湖南市>
  • ●常楽寺: 11月中旬~12月初旬の紅葉まつり期間中
  • <栗東市>
  • ●旧和中散本舗大角家住宅: 春季及び秋季

京都府

  • <京都市右京区>
  • ●妙心寺三門内部: 6月18日の山門懺法
  • ●仁和寺観音堂内部: 毎月18日(観音会)、その他不定期(令和8年3月公開)
  • ●神護寺大師堂内部: 11月1日から7日
  • ●大覚寺正寝殿内部: 不定期(令和8年2月公開)
  • <京都市左京区>
  • ●下鴨神社本殿ほか: 春、夏、秋の年三回
  • ●銀閣寺東求堂内部: 春と秋の年二回
  • ●旧武徳殿内部: 不定期(令和7年11月公開)
  • ●聖護院門跡書院: 秋から初冬にかけての週末
  • ●吉田神社太元宮中門内: 1月1日から3日、2月2日、3日、及び毎月1日
  • <京都市北区>
  • ●上賀茂神社摂社新宮神社: 初詣期間中、毎月第二、第四日曜日
  • ●大徳寺法堂内部: 冬、春、秋の特別公開事業
  • ●大徳寺経蔵: 不定期(令和8年3月公開)
  • ●大徳寺興臨院: 冬、春、秋の特別公開事業
  • <京都市東山区>
  • ●妙法院書院: 五月会当日
  • ●東福寺龍吟庵: 三月の涅槃会、春と秋の公開事業
  • ●東福寺三門内部: 三月の涅槃会、春と秋の公開事業
  • ●知恩院 大方丈・小方丈内部: 春と秋の公開事業
  • ●知恩院三門楼上: 秋の公開事業
  • ●豊国神社唐門内: 1月1日から3日
  • <京都市上京区>
  • ●冷泉家: 秋の公開事業
  • ●相国寺法堂内部: 春と秋の公開事業
  • ●北野天満宮本殿: 8月の旧暦七夕前後の石の間通り抜け神事
  • <京都市下京区>
  • ●西本願寺書院: 毎月16日のShinran's Day、その他不定期
  • ●西本願寺飛雲閣: 毎月16日のShinran's Day、その他不定期
  • ●東本願寺御影堂門内部: 不定期(前回公開は令和7年秋)
  • ●東本願寺白書院・宮御殿・大寝殿: 不定期(前回公開は令和7年秋)
  • ●龍谷大学大宮学舎: 不定期(前回公開は令和7年秋)
  • <京都市南区>
  • ●東寺五重小塔: 春と秋の宝物館開館期間中
  • ●東寺灌頂院開門: 1月14日(後七日御修法結願日)
  • <京都市中京区>
  • ●壬生狂言舞台: 2月2日から3日、4月29日から5月5日、10月の連休を含む3日間
  • <京都市伏見区>
  • ●醍醐寺三宝院: 正月三が日、その他冬の京の旅など
  • ●伏見稲荷大社お茶屋: 不定期(令和8年春季)
  • <八幡市>
  • ●石清水八幡宮本殿: 春季及び土日祝の午後二時
  • ●正法寺: 春と秋の年二回
  • ●伊佐家住宅: 秋の文化財一斉公開期間(保存修理工事のため休止中)
  • <宇治市>
  • ●松殿山荘: 春と秋の年二回(予約制)
  • ●宇治神社本殿: 12年ごとの三卯の日、次回は令和17年
  • ●萬福寺松隠堂内部: 不定期(令和8年春季)
  • <木津川市>
  • ●浄瑠璃寺三重塔開扉: 毎月8日
  • <京田辺市>
  • ●澤井家住宅: 月一回日曜日(予約制)
  • <舞鶴市>
  • ●行永家住宅: 春と秋に各一日
  • <京丹後市>
  • ●経ヶ岬灯台内部: 11月1日の灯台記念日前後
  • <大山崎町>
  • ●聴竹居: 春季及び秋季(建物内は予約制)

大阪府

  • <大阪市>
  • ●奥田家住宅: 毎月第4日曜日(12月を除く)(予約制)
  • ●愛珠幼稚園: 秋の近代化遺産一斉公開(予約制)
  • <堺市>
  • ●桜井神社拝殿開扉: 10月5日に近い日曜日(上神谷こおどり開催日)
  • ●大安寺本堂: 不定期(前回公開は令和4年秋)
  • ●高林家住宅: 不定期(前回公開は令和4年12月)
  • <和泉市>
  • ●泉井上神社和泉総社本殿: 1月1日から3日
  • <泉大津市>
  • ●泉穴師神社鈴門内: 元旦
  • <羽曳野市>
  • ●吉村家住宅: 春と秋に各2日程度
  • <熊取町>
  • ●降井家書院: 不定期(前回公開令和5年秋)
  • <岬町>
  • ●船守神社拝殿開扉: 10月14日・15日の秋季例祭期間中

兵庫県

  • <神戸市>
  • ●箱木家住宅: 毎週土日と祝日
  • ●船屋形: 春のさつき開花期と秋の紅葉時期
  • ●旧ハッサム住宅内部: 4月下旬から5月上旬、5月、10月、11月の土日祝
  • ●風見鶏の館屋根裏・地下室: 不定期(令和8年1月公開)
  • <姫路市>
  • ●姫路城各小天守内部: 不定期(前回公開は令和7年秋)
  • ●姫路城菱の門櫓内部: 不定期(前回公開は令和7年秋)
  • ●弥勒寺本堂開扉: 11月上旬のほていまつりの前後
  • ●円教寺大講堂・常行堂・金剛堂・開山堂内部: 5月の新緑まつり、秋の紅葉まつりの期間中に公開されることがある
  • ●十妙院: 秋の紅葉まつりの期間中
  • ●古井家住宅: 毎週土日及び祝日
  • <西宮市>
  • ●神戸女学院: 年間数回(予約制)
  • <尼崎市>
  • ●本興寺方丈・三光堂: 11月3日の虫干会・三光祭
  • <明石市>
  • ●明石城櫓内部: 3から5月(巽櫓)、9から11月(坤櫓)の土日祝
  • <たつの市>
  • ●堀家住宅: 春季及び秋季
  • <西脇市>
  • ●西脇小学校校舎: 春と夏に各一日
  • <丹波篠山市>
  • ●春日神社能舞台: 元旦零時の元朝能、四月第二土曜の春日能
  • <淡路市>
  • ●江埼灯台内部: 11月3日

奈良県


和歌山県


鳥取県


島根県

  • <松江市>
  • ●美保関灯台内部: 11月1日の灯台記念日前後、及び6月
  • <出雲市>
  • ●出雲大社八足門内: 1月1日から5日

岡山県

  • <岡山市>
  • ●岡山城月見櫓内部: 秋季に3日間程度
  • <高梁市>
  • ●備中松山城二重櫓内部: 春季及び秋季
  • <矢掛町>
  • ●旧矢掛脇本陣髙草家住宅: 毎週土曜及び日曜

広島県


山口県

  • <下関市>
  • ●功山寺仏殿開扉: 1月17日(初観音)、5月17日(観音大祭)

徳島県

  • <鳴門市>
  • ●福永家住宅: 初夏と秋に各1日

香川県

  • <高松市>
  • ●小比賀家住宅: 毎月第三日曜日
  • <善通寺市>
  • ●善通寺五重塔内部: 大型連休期間中
  • <琴平町>
  • ●金刀比羅宮表書院前庭: 毎年5月5日、7月7日、12月下旬の奉納蹴鞠
  • ●金刀比羅宮奥書院: 若冲展期間中(不定期、前回開催令和5年春)

愛媛県

  • <松山市>
  • ●松山城野原櫓、乾櫓内部: 8月及び10月

高知県

  • <香南市>
  • ●安岡家住宅: 奇数月(7月を除く)第4土日(雨天中止)

福岡県

  • <北九州市>
  • ●旧松本家住宅: 毎年11月上旬
  • ●部埼灯台内部: 毎年11月頃
  • <福岡市>
  • ●筥崎宮回廊内: 新年初詣期間中と9月12日から18日の放生会
  • ●福岡城多門櫓内部: 春季及び秋季の週末、休日
  • <うきは市>
  • ●平川家住宅: 事前予約制
  • <志免町>
  • ●旧志免鉱業所竪坑櫓内部: 毎年11月頃(予約制)
  • <みやこ町>
  • ●永沼家住宅: 第1・第2日曜日(4月~12月)

佐賀県

  • <唐津市>
  • ●高取邸非公開部分: 不定期(令和8年3月)
  • <嬉野市>
  • ●西岡家住宅内部: 毎週日曜日及び祝日
  • <多久市>
  • ●多久聖廟内部: 4月18日と10月の第四日曜(春季及び秋季の釈菜)
  • <有田町>
  • ●旧田代家西洋館内部: 毎週土日及び祝日

長崎県


熊本県


大分県

  • <日田市>
  • ●草野本家: 雛祭り、端午の節句、祇園祭、天領祭りの時期
  • <宇佐市>
  • ●宇佐神宮本殿: 不定期(前回特別拝観令和7年5月)

宮崎県

  • <延岡市>
  • ●日高家住宅: 不定期(前回公開令和7年11月)
  • <日南市>
  • ●鞍埼灯台: 不定期(前回公開令和7年11月)

鹿児島県

  • <霧島市>
  • ●霧島神宮本殿: 5から6月、10から11月に各数日(予約制)

沖縄県

  • <那覇市>
  • ●新垣家住宅: 毎週金土日及び祝日
  • <宜野湾市>
  • ●喜友名泉: 随時(1週間前までに要予約)
  • <久米島町>
  • ●上江洲家住宅: 不定期(前回公開令和5年11月)



石川県能登地方にある国宝や国の重要文化財に指定された建造物のうち、私がこれまで訪問したものを紹介しています。
個人の備忘録みたいなものですが、実際に訪ねてみたら目当ての文化財が塀や樹木の陰で見えないといったことも時々あるので、ここでは、このあたりも詳しく書いて、閲覧してくれた方の参考になるように考えました。また、文化財の位置は国指定文化財等データベースで確認できますが、間違った情報も結構多いので、ここでは現地で実際に確認した座標を記載しています。
記載内容は訪問日時点のものです。情報が古くなってしまっている可能性もあり、修復工事が始まって見学できないこともあるので、注意してください。
七尾市
藤津比古神社本殿
座主家住宅
輪島市
時国家住宅
上時国家住宅主屋、納屋、米蔵
旧角海家住宅主屋、塩物蔵、小豆蔵、米蔵、家財蔵
總持寺祖院大祖堂、仏殿、山門、鐘鼓楼及び回廊(鐘鼓楼)、鐘鼓楼及び回廊(回廊)、放光堂、経蔵、慧心廊、玄風廊、伝燈院御霊屋、伝燈院唐門、白山蔵、慈雲閣観音堂、白山社本殿、三樹松関、裏門
珠洲市
黒丸家住宅主屋、味噌蔵、米蔵、納屋
白山神社本殿
羽咋市
気多神社本殿、拝殿、摂社若宮神社本殿、摂社白山神社本殿、神門
妙成寺本堂
妙成寺祖師堂
妙成寺経堂
妙成寺書院
妙成寺庫裏
妙成寺五重塔
妙成寺三光堂
妙成寺三十番神堂
妙成寺鐘楼
妙成寺二王門
羽咋郡志賀町町居
松尾神社本殿
羽咋郡宝達志水町
喜多家住宅主屋、道具倉、味噌倉、表門
鳳珠郡穴水町
明泉寺五重塔
鳳珠郡能登町
中谷家住宅主屋、離座敷、土蔵、奉公人部屋及び東塀、正面門

 

 

能登一之宮の社殿群

気多神社


けたじんじゃ
羽咋市寺家町
気多神社本殿36.926077, 136.767534
江戸後期
桁行三間、梁間四間、一重、両流造、向拝一間、檜皮葺
摂社白山神社本殿36.926068, 136.767594
江戸後期
三間社流造、向拝一間、檜皮葺
摂社若宮神社本殿36.926095, 136.767451
室町後期
一間社流造、檜皮葺
拝殿36.925949, 136.767518
江戸前期
桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、妻入、檜皮葺
神門36.925728, 136.767464
室町後期
四脚門、切妻造、檜皮葺

気多神社は千里浜の北端近くの集落に鎮座しています。延喜式の名神大社に列し、古来能登一の宮として崇敬されてきました。応仁文明頃兵乱により荒廃しましたが、永禄年間には再興されています。本殿を中心として向って右に白山神社本殿、左に若宮神社本殿が並び、本殿の前に拝殿、その前方に神門が建ち、整った社頭景観をみせています。
・写真中央が拝殿で、右奥が摂社白山神社本殿、左奥が摂社若宮神社本殿

・写真中央が本殿で、右奥が摂社白山神社本殿、左が摂社若宮神社本殿、右手前の見切れた建物が拝殿



本殿

・藩主前田家の寄進により天明7年(1787)に造営されたもの
・類例の少ない三間社両流造で、梁行四間に一間向拝を付ける
・四周に擬宝珠高欄付きの縁を巡らす
・内部は前庇を外陣、身舎前の間を中陣、身舎後の間と後ろ庇を内陣とする
・これは神仏習合の影響を示すもの

・外陣、中陣、内陣のそれぞれの境には建具が入れられている

・向拝は江戸期の建築らしく多くの立体的な彫刻で飾られている

・身舎の装飾は抑制的で、蟇股の意匠も室町風

・組物の木鼻に鳳凰をかたどった意匠を採り入れているのは珍しい

・側面中央二間の欄間の雲をかたどった意匠も珍しい



摂社白山神社本殿

・本社本殿の右側に並んで建つ
・本社本殿と同年の棟札があり、本殿に合わせて規模意匠を整えている
・庇に高床を張った三間社流造で、一間向拝が付く

・妻には彫刻を多用するが、意匠は抑制的
・中間の柱上の鳳凰を形どった木鼻は本社本殿と同様

・内部は内陣と外陣に仕切られており、間に建具を入れる

・向拝の彫刻は江戸時代風の立体的なもの

・身舎の彫刻は室町風の抑制のきいたもの



摂社若宮神社本殿

・室町時代の永禄12年(1569)に能登守護畠山義綱により再建されたもの
・一間社流造り、檜皮葺で、全体的に繊細な建築
・四周に高欄付の切目縁をめぐらす

・蟇股の意匠は時代の特色をよく表す

・向拝は、大面取り角柱に連三斗で桁を受ける



拝殿

・小屋梁の墨書により承応二年(1653)より四年にかけての造立と知られている
・切石積基壇上に建ち、方三間、入母屋造、桧皮葺妻入で、切目縁を四方に回らす
・高欄は付けず、正面と両脇に石段を設ける
・・正背面中央間は栈唐戸を吊込み、他はすべて舞良戸引違とする

・総円柱で上部に粽を付ける
・木鼻付頭貫、台輪、出組の詰組など禅宗様を基調とするが、軒は平行垂木

・妻は組物を置き虹梁大瓶束とする

・内部は一室で、出組の通肘木上に格天井を張る



神門

・拝殿の前方に立つ四脚門で、全体に木割が太い
・建立年代は様式から桃山時代と推定されている

・親柱は円柱、柱上には冠木長押を置き、面取角柱の控柱と頭貫、腰貫、腰長押で繋ぐ

・軒は二軒で、組物は出三斗、棟下及び桁行中央にも組物上に梁を架して側桁と組み回している
・両妻は板墓股、中央は撥型の束を立てて棟を受ける

アクセス
JR七尾線羽咋駅からバスで一の宮下車、北500mです。
見学ガイド
気多神社は常時自由に参拝することができます。各社殿は近くから拝観することができますが、本殿と両摂社は壇上にあって、周囲の建物ら植栽のため視角は限られます。

感想メモ
能登地震後はじめて能登を訪問しました。この辺りは被害も少なかったようで、全く平常通りでした。国道を通る多くのダンプカーが奥能登の被害の大変さを物語っていました。気多神社は江戸時代の見地が多いのですが、抑制的な装飾で、中世の社殿のような落ち着いた雰囲気を醸し出していました。
(2026年3月訪問)

参考
月刊文化財1982年5月号、新指定重要文化財11、石川県公式サイト

 

 

近世初期の日蓮宗伽藍

妙成寺


みょうじょうじ
羽咋市滝谷町
妙成寺本堂36.954435, 136.776027
桃山
桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、向拝一間、こけら葺
妙成寺祖師堂36.954420, 136.776294
桃山
桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、こけら葺
妙成寺三光堂36.954439, 136.775759
江戸前期
桁行五間、梁間五間、一重、入母屋造、こけら葺
妙成寺経堂36.953613, 136.775824
江戸中期
桁行五間、梁間三間、一重、寄棟造、桟瓦葺
妙成寺五重塔36.953856, 136.775599
江戸前期
三間五重塔婆、とち葺
妙成寺三十番神堂36.954182, 136.775592
桃山
三間社流造、正面軒唐破風付、こけら葺
妙成寺書院36.954314, 136.776820
江戸前期
桁行15.0m、梁間14.0m、一重、寄棟造、こけら葺
妙成寺庫裏36.954119, 136.776993
江戸前期
桁行16.4m、梁間10.2m、一重、正面切妻造、背面入母屋造、東面庇付、妻入、こけら葺
妙成寺鐘楼36.954000, 136.776254
江戸前期
桁行三間、梁間二間、袴腰付、入母屋造、こけら葺
妙成寺二王門36.953853, 136.776278
江戸前期
三間一戸楼門、入母屋造、桟瓦葺

妙成寺は、羽咋市北端部の田園地帯に位置します。永仁年間(1295頃)、日乗上人によって開創された寺院で、北陸における日蓮宗の本山として信仰を集めてきました。近世に入って前田家の帰依を受け、慶長十七年(1612)から万治二年(1659)の間に、伽藍が整備されました。重要文化財に指定されている本堂ほか八棟は、このときに建立されたものであり、庫裏については前田家との関係を持つ以前にあたる文禄二年 (1593)頃の建立であると推定されています。
・本堂を中心に祖師堂、三光堂を横一線に並べる伽藍配置は近世以前の日蓮宗寺院に見られる様式だが、現存するものは非常に珍しい

・写真左が本堂で、右が祖師堂

・写真左手前が三光堂で、右が本堂

・鐘楼と仁王門

・鐘楼に左奥が祖師堂で、その隣が本堂



本堂

・桁行五間、梁行五間、入母屋造り、平入り、柿葺で、正面に一間の向拝を付ける
・切目縁を巡らせ、正面の中央柱間に双折の桟唐戸を建て込み、両脇の二間と側面の五間及び背面の五間には舞良戸を入れる
・全体として禅宗様を基調としている

・妻飾は虹梁大瓶束

・身舎の柱は円柱で、柱頭は粽、頭貫を通して台輪をのせる
・組物は簡素な平三斗の詰組

・向拝柱は大面取角柱

・内部は、内外陣に別れ、境には蔀戸を吊り込み、その上に吹寄菱格子の欄間を入れる
・内陣には禅宗様の須弥壇を設けている

・外陣天井は、外側を化粧屋根裏とし、内側に鏡天井を張る

・内陣は格天井を出組で支える



祖師堂

・宗祖日蓮上人、開山日像、その師の日朗の座像を祀る仏堂
・桁行五間、梁行五間、入母屋造り、柿葺の禅宗様を基調とした建築

・妻飾は二重虹梁大瓶束で、中央に装飾を施した双斗を置く珍しい様式

・柱頭に粽を持ち、柱上に台輪を回す
・組物は禅宗様尾垂木付きの三手先詰組

・内部は正面一間通りを外陣、両側面一間通りを脇間とし、中央部正面三間、側面四間に円柱を建てて内陣とする

・内外陣間の結界内法上に天人の図の欄間を飾る

・外陣の天井を化粧屋根裏とし、禅宗様の扇垂木を見せている

・内陣の天井を和様の小組格天井とし、これを禅宗様の三手先詰組で受ける

・内陣後方に須弥壇を造り禅宗様の厨子(附指定)を置く



三光堂

・堂内に日天・月天・明星天の三光天像を安置し、鎮守堂とも呼ばれる
・桁行五間、梁行五間、入母屋造、柿葺
・祖師堂と似た禅宗様を基調とする仏堂だが、柱間寸法が、祖師堂よりも短い

・粽付きの円柱、台輪は祖師堂と同様だが、組物は簡素な平三斗

・内外陣の区画や、結界内法上に欄間を置くことも祖師堂と同様



経堂

・加賀藩4代藩主前田光高の遺願によって建てられたもので、堂内には天海版一切経と妙法蓮華経の版木64枚が納められている
・桁行五間、梁行三間、寄棟造、妻入り、桟瓦葺で、禅宗様を基調とした簡素な仏堂
・周囲に切目縁を巡らし、前面一間通りを吹放しとする
・内部との境には中敷居を入れて格子戸を建て、他の三方は横羽目の板壁とし、背面中間に桟唐戸を入れる

・角柱に粽を付けた珍しい様式

・内部は拭板敷とし、中央後方に禅宗様の須弥壇を設け、来迎壁をつける
・来迎柱の上に禅宗様の三斗を組み、左右を虹梁で繋ぎ、梁上に大瓶束をたて、三斗組の上に格天井を張っている



五重塔

・方三間の和様を基調とした五重塔で、屋根は柿葺、相輪を含めた総高は34.18メートル

・初層の四周には、擬宝珠高欄を付けた切目縁を巡らす
・柱は円柱で、各重とも組物は和様尾垂木付きの三手先、中備は間斗束

・四周の各中央間の入口には幣軸付きの桟唐戸を入れ、人物・鳥獣・植物の浮彫を施す

・第二重より上は、柱間寸法を垂木3本ずつ逓減し、四周に組高欄を巡らしている(写真は第二重)



三十番神堂

・加賀3代藩主前田利常の大坂冬の陣の出陣祈願のために建立されたもので、別名を祈願堂とも称した
・内陣に、日蓮宗と密接に関係する三十番神(毎日交替して国家守護の祈願を受ける全国30柱の神々)祀る
・三間社流造り、正面軒唐破風付、柿葺
・身舎は円柱で、亀腹に据えた野面石の基礎の上に柱を建てる
・向拝は、大面取り角柱を三間の両端にのみ建てて一間とする
・柱・虹梁の木割が細く、全体に繊細で軽快

・組物は、和様三斗で、中備は四面ともに優美な蟇股を入れる

・向拝は角柱で、古風な水平の虹梁で身舎と繋いでいる



書院

・加賀藩5代藩主前田綱紀が、御霊屋を営み、あわせて参詣の休息所にあてるため建立したと伝えられる
・桁行7間、梁行7間、寄棟造り、柿葺で、石鬼・石棟を置く

・室境の内法長押上に優れた彫刻欄間を置く



庫裏

・前田家造営の諸堂とは異なり、柱間を京間ではなく、これより狭いものとしていることから、地元大工の手によるものであると考えられている
・正面切妻造、背面入母屋造、妻入で、妻壁は格子窓、無双窓、小庇のほか、柱・桁・束・貫を縦横に組み込む
・全体に木割が細く、端正な形の住房を兼ねた庫裏

・内部は、南半が板の間、土間および台所で、土間境に式台を設け、中央に大黒柱を立てて牛梁を受ける



鐘楼

・桁行三間、梁行二間、袴腰付、入母屋造り、柿葺
・袴腰は、地覆石の上に土台を置き、ささら子下見を張り、その広がりは上層の軒の出と対応して均整のとれた姿をしている

・脇間には吹寄せ菱格子を入れる

・組物は和様の三手先で、腰組も和様の三手先
・切目縁を張り、刎高欄をまわす



二王門

・参道正面の石段の上に建つ三間一戸の楼門で、屋根は入母屋造り、桟瓦葺(当初は柿葺)
・装飾の少ない質素な意匠

・はね高欄付きの切目縁の上に円柱を建てて内法長押を回す
・組物は和様尾垂木付三手先で、中備は間斗束
・正面と背面中央間には桟唐戸を吊り込み、両脇間は連子とする

・腰組は和様三手先で、柱上と二手目のみに三斗を置く

・天井は格天井で、三斗、板蟇股で支える

アクセス
JR七尾線羽咋駅からバスで妙成寺口下車、南東1kmです。
見学ガイド
妙成寺は有料で拝観することができます。重文指定の堂宇の内部に入ることはできませんが、鳶が開かれているものが多く、内部を窺い知ることができます。

感想メモ
羽咋駅に着いたときは好天に恵まれていましたが、雨雲レーダーを見ると小さな雨雲の塊が近づいていました。妙成寺に到着するころには雨が降り出し、時折雨宿りをしながら広い境内を拝観することになりました。
妙成寺は深い木立に囲まれた静かな寺院ですが、こうした日のほうがいっそう静寂と幽玄の趣が際立つように感じられます。境内には十棟もの重要文化財建造物があり見応え十分ですが、これらが能登地震でも大きな被害を受けることなく往時の姿を保っていることには、深い感銘を受けました。
(2026年3月訪問)

参考
新指定重要文化財11、石川県公式サイト、妙成寺サイト
各地域で国宝や国の重要文化財に指定された建造物の一覧です。実際に訪問したものからコツコツと上げています。
国宝・重文指定の建造物は全国に5,597棟ありますが、ここで紹介しているのは現時点で1,348棟、カバー率は24.1%です。まだまだ先が長いです。

国宝・重文建造物の特別公開情報はこちら

更新履歴
2026/4/10石川県(2)能登編を追加
2026/4/5佐賀県編に旧高取家住宅を追加
2026/3/31福岡県(3)筑後編に平川家住宅を追加
2026/3/29京都府(6)丹波・丹後編に、出雲大神宮、梅田神社、宮津洗者聖若翰天主堂を追加し、丹波編と丹後・中丹編に再編
2026/3/6京都府(1)右京・西京編を追加
2026/2/12岡山県(1)岡山・備前編に岡山城、旧旭東幼稚園を追加
2026/2/10重要文化財新指定に伴い、秋田県編、京都府(4)田辺・八幡・西山城編、香川県(1)高松・東讃・小豆編を更新
2026/1/25福井県編を追加
2026/1/21山口県(1)西部・中部・東部編に四階楼、国森家住宅を追加
2026/1/19神奈川県(1)鎌倉・県央・箱根編に荏柄天神社を追加
2026/1/9兵庫県(1)神戸編に太山寺、箱木家住宅、豊歳神社を追加して、(1)神戸中心部、灘編と(2)須磨・西神・北神編に再編
2025/12/21群馬県(1)前橋・桐生・東毛編を追加
2025/12/16栃木県(1)県央・県南・那須編に鑁阿寺を追加し、(1)県央、足利、那須編と(2)真岡・益子編に再編
2025/11/8広島県(2)三原・尾道・福山編を追加

宮城県
全域
瑞巌寺、鹽竈神社、円通院、石井閘門、旧大沼家住宅
2025/9/15更新

秋田県
全域
藤倉水源地水道施設、嵯峨家住宅、旧秋田銀行本店本館、旧奈良家住宅、赤神神社、神明社観音堂、旧小坂鉱山事務所、康楽館ほか
2026/2/10更新

福島県
(1)中通り・浜通り
旧広瀬座、旧福島県尋常中学校、旧亀岡家住宅、白水阿弥陀堂、飯野八幡宮、専称寺、旧武山家住宅ほか
2023/4/30更新
(2)会津
八葉寺、延命寺、勝福寺、熊野神社、恵隆寺観音堂、旧五十嵐家住宅、奥之院弁天堂、弘安寺旧観音堂厨子ほか
2023/4/30更新

茨城県
(1)水戸・県北・鹿行
旧弘道館、塙家住宅、鹿島神宮、山本家住宅、西蓮寺
2025/5/18更新
(2)土浦・つくば・県南
旧茨城県立土浦中学校本館、旧飛田家住宅、善光寺楼門、来迎院多宝塔、竜禅寺三仏堂、横利根閘門ほか
2025/5/18更新

栃木県
(1)県央・足利・那須
鑁阿寺、旧下野煉化製造会社煉瓦窯、旧青木家那須別邸、那須疏水旧取水施設
2025/12/16更新
(2)真岡・益子
専修寺、西明寺、綱神社、地蔵院、羽石家住宅、入野家住宅、円通寺
2025/12/16更新

群馬県
(1)前橋・桐生・東毛
臨江閣、阿久沢家住宅、塩原家住宅、彦部家住宅、天満宮、長楽寺宝塔ほか
2025/12/21更新
(3)富岡・西毛
貫前神社、旧茂木家住宅、妙義神社、旧碓氷峠鉄道施設、旧黒澤家住宅
2025/8/24更新

埼玉県
(2)川越・比企
喜多院、東照宮、日枝神社、旧山崎家別邸、大沢家住宅、光福寺、広徳寺、箭弓稲荷神社
2025/1/19更新
(3)西部・所沢・秩父
旧台徳院霊廟、黄林閣、小野家住宅、福徳寺阿弥陀堂、高倉寺観音堂、出雲伊波比神社
2022/2/22更新

東京都
(3)副都心四区
早稲田大学大隈記念講堂、旧磯野家住宅、旧東京医学校本館、旧加賀屋敷御守殿門、明治神宮
2025/9/6更新
(4)23区西部・南部
旧前田家本邸、本門寺、大場家住宅、旧渋沢家飛鳥山邸、旧醸造試験所第一工場ほか
2024/6/16更新
(5)多摩
正福寺、金剛寺、観音寺、旧宮崎家住宅、旧永井家住宅、小林家住宅
2024/6/16更新

神奈川県
(1)鎌倉・県央・箱根
建長寺、円覚寺舎利殿、旧一条恵観山荘、旧石井家住宅、浄光明寺五輪塔、宝城坊ほか
2026/1/19更新

富山県
(1)富山・新川・砺波
富岩運河水閘施設(中島閘門)、白山宮本殿、村上家住宅、羽馬家住宅、岩瀬家住宅
2023/10/16更新
(2)高岡
瑞龍寺、気多神社本殿、勝興寺、菅野家住宅
2024/9/29更新

石川県
(2)能登
気多神社、妙成寺
2026/4/10更新

福井県
全域
気比神宮大鳥居、羽賀寺、飯盛寺、妙楽寺、大滝神社、旧谷口家住宅、大塩八幡宮ほか
2026/1/25更新

山梨県
(1)甲府・中北・峡南
善光寺、旧睦沢学校、武田八幡神社、長谷寺、安藤家住宅、八代家住宅、本遠寺、最恩寺ほか
2023/9/6更新
(2)山梨・石和
清白寺、天神社、窪八幡神社、中牧神社、山梨岡神社
2025/5/27更新
(3)塩山・勝沼
大善寺、雲峰寺、恵林寺、熊野神社、向岳寺、旧高野家住宅
2022/2/6更新
(4)東部・富士五湖
北口本宮富士浅間神社、旧外川家住宅、富士御室浅間神社、観音堂ほか
2024/3/10更新

長野県
(1)長野・北信・東信
国分寺、前山寺、中禅寺、安楽寺、常楽寺、法住寺、浄光寺、六地蔵幢、春原家住宅ほか
2025/3/26更新
(2)松本・安曇野・大町
松本城、旧松本高等学校、旧松本区裁判所庁舎、馬場家住宅、筑摩神社、若一王子神社ほか
2025/2/9更新
(3)塩尻・木曽・伊那
光前寺、旧竹村家住宅、小野家住宅、堀内家住宅、小松家住宅、嶋﨑家住宅、読書発電所
2025/3/19更新

愛知県
(2)犬山・尾張北部
旧正伝院書院、如庵、旧伊勢郵便局舎、旧三重県庁舎、旧西郷従道住宅、旧品川燈台、高田寺ほか
2025/1/22更新

三重県
(1)中勢・伊勢志摩
専修寺、金剛證寺本堂、旧松坂御城番長屋、来迎寺本堂、庫蔵寺、菅島灯台
2024/8/4更新
(2)北勢・伊賀
末広橋梁、諸戸家住宅、旧諸戸家住宅、地蔵院、大村神社宝殿、町井家住宅、観菩提寺
2024/1/28更新

滋賀県
(1)草津・栗東
観音寺、老杉神社、志那神社、石津寺、小槻大社、大野神社楼門、宇和宮神社、大角家住宅ほか
2023/6/11更新
(2)守山・野洲
懸所宝塔、勝部神社、小津神社、圓光寺、春日神社神門、御上神社、大笹原神社、生和神社ほか
2024/12/27更新
(3)甲賀・湖南
油日神社、新宮神社表門、善水寺本堂、常楽寺、吉御子神社本殿、長寿寺、多宝塔
2024/12/14更新
(4)近江八幡・竜王
長命寺、捴見寺、桑実寺、浄厳院、奥石神社、小田神社、苗村神社、勝手神社、鏡神社ほか
2024/11/17更新
(5)彦根・湖東
彦根城、千代神社、有川家住宅、金剛輪寺、大行社、豊満神社四脚門、西明寺
2023/8/18更新

京都府
(1)右京・西京
福王子神社、神護寺、高山寺、松尾大社、大覚寺、覚勝院、為因寺
2026/3/6更新
(2)南区
教王護国寺
2025/1/26更新
(3)伏見・山科
醍醐寺、安楽寿院、与杼神社、勧修寺、本圀寺
2023/8/6更新
(4)宇治
宇治上神社、宇治神社、平等院、浮島十三重塔、十八神社本殿、萬福寺
2022/8/29更新
(5)田辺・八幡・西山城
久世神社、水度神社、荒見神社、伊佐家住宅、佐牙神社、白山神社、酬恩庵、寶積寺三重塔ほか
2026/2/10更新
(6)丹波
梅田神社、出雲大神宮、春日神社、普濟寺、九品寺大門、福光寺、渡邊家住宅、大山祗神社
2026/3/29更新
(7)丹後・中丹
旧岡花家住宅、旧三上家住宅、智恩寺多宝塔、舞鶴旧鎮守府倉庫施設、石田神社、本願寺ほか
2026/3/29更新

大阪府
(1)大阪市・北摂
四天王寺、旧松坂屋大阪店、住吉大社、杭全神社、旧緒方洪庵住宅、八坂神社本殿、普門寺方丈ほか
2025/9/4更新
(2)堺・泉北
海会寺、南宗寺、大安寺、法道寺、桜井神社、旧浄土寺九重塔、聖神社ほか
2024/1/12更新
(3)泉南
孝恩寺、積川神社、願泉寺、意賀美神社、奥家住宅、中家住宅、来迎寺、船守神社ほか
2024/4/3更新

兵庫県
(1)神戸中心部・灘
旧ハンター住宅、旧ハッサム住宅、旧小寺家厩舎、船屋形、徳光院、旧トーマス住宅ほか
2026/1/9更新
(2)須磨・西神・北神
移情閣、石峯寺、太山寺、箱木家住宅、福祥寺、八幡神社三重塔
2026/1/9更新
(3)東播磨・北播磨・淡路
浄土寺、明石城、鶴林寺、江埼灯台、伽耶院
2025/4/3更新
(4)西脇・加西・加東
旧西脇尋常高等小学校、一乗寺、酒見寺多宝塔、住吉神社
2025/4/3更新

奈良県
(1)生駒・郡山
額安寺五輪塔、松尾寺、旧臼井家住宅、高山八幡宮、長弓寺、長福寺、宝山寺獅子閣ほか
2025/10/5更新

和歌山県
(1)和歌山・海南
護国院、天満神社、東照宮、地蔵峰寺、福勝寺、善福院、長保寺、加太春日神社
2025/2/11更新
(2)高野
金剛峯寺、金剛三昧院、普賢院
2025/1/7更新
(3)紀の川
三船神社、粉河寺、鞆淵八幡神社、根来寺、丹生都比売神社、慈尊院、丹生官省符神社ほか
2024/10/30更新
(4)紀中・紀南
浄妙寺、旧西村家住宅、道成寺、熊野那智大社、那智山青岸渡寺、広八幡神社、角長ほか
2024/2/18更新

岡山県
(1)岡山・備前
守福寺宝殿、八幡神社鳥居、吉備津神社、真光寺、岡山城、旧旭東幼稚園
2026/2/12更新

広島県
(1)広島・安芸・県北
不動院、國前寺、旧広島陸軍被服支廠倉庫施設、旧呉鎮守府司令長官官舎、桂濱神社ほか
2025/1/20更新
(2)三原・尾道・福山
向上寺、磐台寺、明王院、沼名前神社、安国寺、太田家住宅
2025/11/8更新

山口県
(1)西部・中部・東部
功山寺、住吉神社、瑠璃光寺、洞春寺、今八幡宮、閼伽井坊、四階楼、吉香神社ほか
2026/1/21更新
(2)萩・長門
東光寺、旧厚狭毛利家萩屋敷、菊屋家住宅、熊谷家住宅、早川家住宅ほか
2021/6/19更新

徳島県
(1)徳島・鳴門
丈六寺、福永家住宅、一宮神社、三河家住宅
2025/4/7更新
(2)中部・西部
箸蔵寺、田中家住宅、武知家住宅、粟飯原家住宅
2025/4/7更新

香川県
(1)高松・東讃・小豆
高松城、屋島寺、志度寺、長尾寺、香川県庁、明王院
2026/2/10更新
(2)琴平・善通寺
金刀比羅宮、善通寺、旧善通寺偕行社
2025/10/1更新
(3)坂出・丸亀・西讃
丸亀城、白峯寺、本山寺、観音寺、覚城院、常徳寺
2025/9/29更新

福岡県
(1)北九州・筑豊・宗像
門司港駅、旧門司三井倶楽部、旧松本家住宅、宗像神社、旧志免鉱業所、横大路家住宅ほか
2024/6/23更新
(2)福岡・糸島・筑紫・朝倉
香椎宮、筥崎宮、住吉神社、福岡城、櫻井神社、太宰府天満宮、普門院、岩屋神社ほか
2024/6/23更新
(3)筑後
三池炭鉱宮原坑、早鐘眼鏡橋、善導寺、高良大社、有馬家霊屋、松延家住宅、風浪神社、平川家住宅ほか
2026/3/31更新

佐賀県
全域
多久聖廟、佐賀城、与賀神社、川打家住宅、田嶋神社、旧田代家西洋館、旧高取家住宅ほか
2026/4/5更新

長崎県
全域
崇福寺、清水寺、眼鏡橋、興福寺、針尾送信所、青砂ヶ浦天主堂、頭ヶ島天主堂ほか
2024/2/23更新

沖縄県
全域
園比屋武御嶽石門、天女橋、旧円覚寺放生橋、新垣家住宅、豊見親墓、瀬底土帝君、中村家住宅、高良家住宅ほか
2023/3/13更新

佐賀県内にある国宝や国の重要文化財に指定された建造物のうち、私がこれまで訪問したものを紹介しています。
個人の備忘録みたいなものですが、実際に訪ねてみたら目当ての文化財が塀や樹木の陰で見えないといったことも時々あるので、ここでは、このあたりも詳しく書いて、閲覧してくれた方の参考になるように考えました。また、文化財の位置は国指定文化財等データベースで確認できますが、間違った情報も結構多いので、ここでは現地で実際に確認した座標を記載しています。
記載内容は訪問日時点のものです。情報が古くなってしまっている可能性もあり、修復工事が始まって見学できないこともあるので、注意してください。
文化財マップ:

佐賀市
佐賀城鯱の門及び続櫓
山口家住宅
吉村家住宅
与賀神社三の鳥居及び石橋三の鳥居、石橋
与賀神社楼門
唐津市
旧高取家住宅大広間棟、居室棟
多久市
多久聖廟
川打家住宅
伊万里市
田嶋神社本殿
武雄市
武雄温泉新館及び楼門新館、楼門
嬉野市
西岡家住宅
西松浦郡有田町
旧田代家西洋館
杵島郡大町町
土井家住宅

 

 

江戸後期の平和な時代の城門と櫓

佐賀城鯱の門及び続櫓


さがじょうしゃちのもんおよびつづきやぐら
佐賀市城内2丁目
佐賀城鯱の門及び続櫓33.245946, 130.302860
江戸末期
鯱の門 櫓門、入母屋造、本瓦葺
続櫓 一重二階櫓、西橋入母屋造、東橋鯱の門に接続、本瓦葺

佐賀城は佐賀市の中心部に位置します。慶長13年(1607)から慶長16年までの佐賀城総普請で、鍋島氏が龍造寺氏の居城・村中城を整備拡張したものです。鯱の門及び続櫓は、天保 6年(1835)の大火災後の本丸再建時に整備され天保9年(1838)に完成したものです。この門は明治7年(1874)の佐賀の役でも弾雨にさらされ、現在でも弾痕が残っています。
・写真右の二重二階の櫓門が鯱の門で、左に突出した一重二階部分が続櫓
・櫓門は桁行5間、礎石上から棟瓦上までは12.5メートル



鯱の門

・写真は城内側
・門内で番所(写真右側)が接続されるなど、近世城郭の初期には見られない機能的な形態

・大棟上の鯱の高さは約1.7m



続櫓

・石垣天端いっぱいには建てられておらず、石落もないなど、江戸時代後期における城の防備機能の形骸化があらわれている

アクセス
JR長崎本線佐賀駅から南2kmです。佐賀城址まで入るバスのほか、近辺を通過するバス便は多数あります。
見学ガイド
鯱の門及び続櫓は常時自由に見学することができます。鯱の門は夜間、早朝には閉門します。西面しているので、午後の見学が良いと思います。

感想メモ
一見したところ厳めしい造りですが、続櫓の石垣の上に犬走があるなど緩いところがあって面白かったです。
(2021年8月訪問)

参考
現地解説板、佐賀市教育委員会公式サイト

 

 

佐賀城の鬼門を守る

与賀神社


よがじんじゃ
佐賀市与賀町
与賀神社楼門33.248788, 130.294501
桃山
三間一戸楼門、入母屋造、銅板葺
与賀神社三の鳥居及び石橋三の鳥居33.248777, 130.294342
桃山
石造明神鳥居
石橋33.248783, 130.294411
桃山
石造反橋、橋脚六基、擬宝珠高欄付

与賀神社は佐賀市の中心部、佐賀城の西に位置しており、鎌倉時代には与賀庄鎮守宮で、建暦二年(1212)北条義時が社殿を再興したと伝えられています。室町後期に、太宰府長官であった少弐政資公は山口から佐嘉に落ち延びて来て、与賀城を築き、当神社を鬼門の鎮守として崇敬し社殿を再興しました。その後も与賀神社は領主・藩主の厚い崇敬を受けてきました。
手前から、三の鳥居、石橋、楼門



楼門

・構造形式から桃山時代の建築であると考えられている
・軸部、軒廻、斗栱等の大部分の化粧材を丹塗とし、格子組は黒塗、木口は黄土塗
・全体的には和様を基調とするが、細部には禅宗様の手法も使われている

・上層は和様の出組で、二軒の疎垂木、頭貫鼻には絵様彫刻

・腰組は連三斗で、中備には特徴的な蟇股



三の鳥居

・慶長8年(1603)、佐賀藩祖鍋島直茂の北方藤女の奉献で、高さ3.90メートル、笠木の長さ5.65メートル
・典型的な肥前鳥居で、笠木と島木が一体化し、先端は流線形
・笠木・貫・柱が3本継で、柱の下部は張り出して生け込みとする



石橋

・長さ10.5メートル、幅3.15メートルの反り橋で、欄干には、10個の擬宝珠がつく
・擬宝珠の線刻銘から江戸時代初期の建設であるとされる

アクセス
JR長崎本線佐賀駅からバスで辻の堂下車。クリーク沿いを南に進むとすぐです。
見学ガイド
重文指定建造物は常時自由に見学することができます。楼門は西面しているので、午後の見学が良いと思います。

感想メモ
存在感のある肥前鳥居と独特の表情の楼門が西日に美しく映えていました。
(2021年8月訪問)

参考
与賀神社公式サイト、佐賀市教育委員会公式サイト

 

 

本格的な能舞台を備えた大邸宅

旧高取家住宅


たかとりけじゅうたく
唐津市北城内
旧高取家住宅大広間棟33.454318, 129.972359
明治
木造、建築面積711.1m2、二階建、桟瓦葺
居室棟33.454327, 129.971980
明治
木造、建築面積861.3m2、二階建、桟瓦葺

旧高取家住宅は唐津城西南の海岸沿いに位置します。石炭事業で知られる高取伊好の旧宅で、明治三十七年に建てられたものです。規模の大きな和風住宅で、居室棟と大広間棟からなります。
・写真右が大広間棟で、左が居室棟(南面)

・写真左が大広間棟で、右が居室棟(北面)



居室棟

・木造二階建てで、中央に本玄関を開き、本玄関の東に洋室を配置する
・洋間部分も木造で、組石に見える外壁はモルタルの洗い出し(下部は御影石)
・この住宅の意匠は、格式の高いものから自由でくだけたものまでの三段階の意匠を並べる真行草が意識されているが、本玄関は真と草の中間にあたる行の意匠

・本玄関の西には内玄関が設けられている
・この意匠は真行草の草にあたる

・一階西側は台所としている

・北側の庭に面した部分には中座敷や当主の居室が配置されている

・洋室の窓回りには装飾を集中させている

・洋室のマントルピースから煙突が立ち上がる



大広間棟

・写真は南面
・木造二階建桟瓦葺

・写真は北面
・二階には一五畳の大広間二室、六畳の座敷を設ける

・大広間棟西端には大玄関を設け、居室棟(写真左の見切れた部分)と接続する
・大玄関は真行草のうち最も格式が高い真の意匠

・大玄関唐破風の兎毛通や欄間の彫刻は非常に精緻で上質

・大玄関のランプはアールヌーボー調の意匠で、同様の意匠は邸内各所に見られる

・一階中央部には本格的な能舞台を設ける
・能舞台の周囲の敷居や建具はすべて取り外しが可能で、正面の松の板戸の奥は後座となり、右の襖の奥が地謡座となる
・左の廊下(松の板戸と並行方向)が橋掛かりとなる

・能舞台の周囲などには鹿、鶴、兎などを形に抜き、植物の浮き彫りを施した板欄間が用いられている

・能舞台に向かって右側の欄間も意匠が凝らされている

・能舞台を含め、全体に天井が非常に高い
・欄間は非常に繊細な意匠としている

・邸内には多くの杉戸絵が飾られている

・東側には浴室が設けられており、これは能楽師が演能の前に身を清めるためのもの

アクセス
JR筑肥線唐津駅下車、北1.1kmです。
見学ガイド
旧高取家住宅の敷地内には公開時間中であれば自由に立ち入ることができます。室内は有料で公開されていますが、室内の写真撮影は禁止されています(ここに掲載した写真は特別公開時に限って撮影が許されたものです)。

感想メモ
邸内の非公開部分の特別公開があり、参加者に限って能舞台の写真撮影が許されることを知り、訪問しました。高取家住宅の外観は比較的シンプルですが、内部は隅々まで工夫が凝らされていて、大変上品に仕上げられています。ガイドさんの説明で、様々な工夫を奥深く知ることができました。撮影した写真の公開も可としていただいているのも有難かったです。
(2026年3月訪問)

参考
月刊文化財1991年1月号、ガイドさんの説明、パナソニックウエブサイト

 

 

中国風の意匠の孔子廟

多久聖廟


たくせいびょう
多久市多久町
多久聖廟33.260005, 130.097816
江戸中期
桁行三間、梁間三間、一重もこし付、入母屋造、向拝一間、唐破風造、本瓦葺
奥陣 桁行二間、梁間一間、一重、入母屋造、前面本屋根に接続、本瓦葺

多久聖廟は、佐賀県中部・多久の市街地南側の山裾に位置します。宝永5年(1708)多久茂文が孔子像を安置し、領民に敬の心を培わせるために建てた孔子廟です。 現存する聖廟としては足利学校(栃木県)、閑谷学校(岡山県)に次ぐ古い建物です。
・一重裳階付の禅宗様仏堂で、正面に大きな唐破風の向拝をつける
・中国建築を意識して豊かに施された絵様彫刻や彩色は壮麗

・正面と側面前方は1間の吹き放ちとしている

・背後に接続する張り出し部「室」(写真左)に神壇を構えて八角形の厨子「聖龕」を安置する

・向拝正面唐破風には精緻な卍崩し文様の欄間が見られる

・向拝右側面には中国風の竹の意匠の欄間が見られる
・向拝柱(写真左)の梁行方向(写真左方向)に龍鼻が付き、これに直行して象鼻が付く
・龍鼻・象鼻は阿吽形で、向かって右(写真手前)が阿形、左が吽形

アクセス
JR唐津線多久駅から武雄温泉方面行バスで西町下車、南に1.83kmです。多久駅のレンタサイクルも便利です。駅から多久聖廟までは約4kmです。聖廟周辺はやや急な上りですが、それ以外は平坦です。
見学ガイド
多久聖廟は常時自由に見学することができます。廟内は春秋のお祭りである釈菜(せきさい)の時のみ公開されます。

感想メモ
正面の唐破風が特徴的なよく知られた建築ですが、改めてよく見ると、細部の意匠も非常に凝ったものであることに気づきます。
(2021年10月訪問)

参考
孔子の里公式サイト、多久市公式サイト、文化遺産オンライン

 

 

「くど造」の典型的な民家

川打家住宅


かわうちけじゅうたく
多久市西多久町大字板屋
川打家住宅33.263691, 130.052718
江戸中期
正面13.7m、側面8.6m、コの字形寄棟造、茅葺、背面庇付、桟瓦葺

川打家住宅は伊万里街道に沿った山間の平地に建ち、正徳3年(1719)から享保14年(1729)の大洪水による被災後に建替えられたと考えられています。この建物は佐賀県南部に分布するくど造民家(棟がカマド(くど)のようにコの字型寄棟造りになった形式)の典型で、この様式の最古例に属します。
・街道に面した北面は寄棟造りに見える
・構造は上屋のみで立面が高いのも、くど造の一般的傾向

くど造の特徴がみられる南面: 
・平面は、東側(写真右)の棟が土間で、接続部と西側の棟が床上部

・床上部は整形四間取の床上部: 
・左端の部屋が棟の接続部に当たる

アクセス
JR唐津線多久駅から武雄温泉方面行バスで西町下車、西に3kmです。直売所幡船の里の隣接地です。多久駅のレンタサイクルも便利です。駅から川打家までは約7kmで、軽い上りです。多久聖廟を経由することもできます。
見学ガイド
川打家住宅は、9時~16時30分の間、無料で公開されています。内部も見学することができます。月曜日と第一第三水曜日は休館です。旧所在地から移築され周辺整備がされているので、南側からくど造りの特徴をよく見ることができます。

感想メモ
近年移築されたものですが、不自然な感じはなく、また、建物全体をよく見ることができるようになっていたのでありがたかったです。
(2021年10月訪問)

参考
全国重文民家の集い公式サイト、解説版新指定重要文化財12

 

 

三間社流見世棚造の社殿

田嶋神社本殿


たじまじんじゃほんでん
伊万里市波多津町畑津
田嶋神社本殿33.365084, 129.875135
室町前期
三間社流見世棚造、こけら葺

田嶋神社は伊万里市北部の山合の集落に鎮座します。宗像三女神を主神とし、海上交通の守り神として信仰を集めています。呼子町加部島の田嶋神社の分霊を勧請したものと考えられています。本殿は15世紀の建立と考えられています。
・三間社流見世棚造で、身舎部は柱頭に平三斗を置き、中備を置かない
・向拝中央の桁の湾曲はこの地域の特色
・向拝の桁・垂木より上は近年の修補

アクセス
JR筑肥線・松浦鉄道伊万里駅から福島港行バスで内野口下車すぐです。松浦鉄道伊万里駅の電動アシスト付レンタサイクルを利用することもできます。田嶋神社までは約15kmで、国道経由のルートであれば、大きなアップダウンはありません。
見学ガイド
田嶋神社本殿は覆屋で覆われています。覆屋には明り取りがありますが湾曲し、汚れた樹脂板が張られているため、中の様子を見ることができません。

感想メモ
訪問時には運よく覆屋の扉が開放されていたので本殿の一部を見ることができましたが、通常は閉鎖されているようです。
(2021年8月訪問)

参考
伊万里市公式サイト、現地解説板

 

 

辰野金吾が故郷に残した建築

武雄温泉新館及び楼門


たけおおのせんしんかんおよびろうもん
武雄市武雄町
武雄温泉新館及び楼門新館33.196228, 130.014655
大正
建築面積409.53平方メートル、一部2階建、正面玄関ポーチ及び階段室、背面浴室及び便所付、桟瓦葺
楼門33.196579, 130.014320
大正
建築面積119.96平方メートル、両側両翼屋付、本瓦葺及び桟瓦葺

武雄温泉新館及び楼門は、近代に入り,観光温泉町として発展した武雄の拠点として武雄温泉組が建設を計画したものです。ともに辰野・葛西事務所の設計、清水満之助(清水建設3代店主)の施工で、大正4年に落成しています。伝統的な和風意匠を基調としつつも、細部意匠や架構等に新しい試みがみられます。東京駅等の設計で知られる辰野金吾は佐賀県唐津市出身ですが、佐賀県内に現存する辰野金吾の作品はこれのみです。


新館

・正面中央に玄関車寄を備えた木造二階建の主体部を中心に、両翼を張り出す左右対称の構成
・正面中央に玄関車寄、出窓、両脇に階段室を前面に突出させる
・屋根は主体部、両翼、車寄を入母屋造、出窓、階段室を唐破風造とし、起りのある洋風意匠の屋根窓を載せる
・背面に浴室、便所を別棟で附属



楼門

・入母屋造本瓦葺の木造二重門で、竜宮門形式
・左右に平家の翼屋を張り出す

アクセス
JR佐世保線武雄温泉駅から徒歩15分。
見学ガイド
いつでも、自由に見学することができます。日中は新館内部が無料で公開されています。

感想メモ
辰野金吾といえば東京駅などのちょっと肩肘張った建築のイメージですが、故郷に残した建築はそれとは全く違ったやわらかい表情です。
(2020年8月訪問)

参考
国指定文化財等DB

 

 

有田の貿易商が外国人の接遇のために建築

旧田代家西洋館


たしろけせいようかん
西松浦郡有田町幸平1丁目
旧田代家西洋館33.189901, 129.897649
明治
木造、建築面積85.01㎡、二階建、桟瓦葺

有田町有田内山伝統的建造物群保存地区内に位置する旧田代家西洋館は、有田を代表する貿易商の田代家が、外国人の接待や宿泊のため明治9年に建築したものです。
・木造2階建、桟瓦葺、外壁は漆喰塗
・正面に円柱を並べて1階をポーチ、2階をベランダとして、窓に色ガラスを用いたアーチ形の欄間を飾る

アクセス
JR佐世保線上有田駅から徒歩10分。
見学ガイド
公道に面しているので、いつでも自由に見学することができます。内部は有料公開されています。北面しているので、日中は逆光になります。

感想メモ
早い時間で開館前でしたが、まだ逆光ではなかったので外観はよく見ることができました。
(2020年8月訪問)

参考
国指定文化財等DB

 

 

長崎街道に面する町屋

土井家住宅


どいけじゅうたく
杵島郡大町町大町
土井家住宅33.213770, 130.122682
江戸末期
桁行17.2m、梁間14.8m、切妻造、妻入、本瓦葺、北面及び南面庇付、本瓦及び桟瓦葺

土井家住宅は佐賀と長崎を結ぶ街道沿いに建つ町家で、江戸末期の建築です。
・街道に面して切妻造り、妻入、屋根の勾配が緩い本瓦葺で、正面に瓦の庇が2段に付いている
・建物の正面には、大戸口、摺りあげ戸、蔀戸(しとみど)など各種の建具が用いられている

アクセス
JR佐世保線大町駅下車、東1.6㎞です。
見学ガイド
土井家住宅は公道に面しているため、外観は常時自由に見ることができます。北西に面しているので夕刻以外は逆光になります。

感想メモ
夕刻で大きな妻に奇麗に日が射していました。どっしりとした構えの住宅です。
駅に地元名物のたろめんの美味しそうな写真が出ていたので店を探してみましたが、見つかりませんでした。
(2022年8月訪問)

参考
​全国重文民家の集い公式サイト

福岡県筑後地域にある国宝や国の重要文化財に指定された建造物のうち、私がこれまで訪問したものを紹介しています。
個人の備忘録みたいなものですが、実際に訪ねてみたら目当ての文化財が塀や樹木の陰で見えないといったことも時々あるので、ここでは、このあたりも詳しく書いて、閲覧してくれた方の参考になるように考えました。また、文化財の位置は国指定文化財等データベースで確認できますが、間違った情報も結構多いので、ここでは現地で実際に確認した座標を記載しています。
記載内容は訪問日時点のものです。情報が古くなってしまっている可能性もあり、修復工事が始まって見学できないこともあるので、注意してください。
大牟田市
三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱宮原坑施設第二竪坑櫓、第二竪坑巻揚機室
早鐘眼鏡橋
久留米市
高良大社本殿・幣殿・拝殿、大鳥居
善導寺本堂、広間、書院、役寮及び対面所、大庫裏、中蔵、釜屋、大門
有馬家霊屋梅林院霊屋、春林院霊屋、瓊林院位牌廟、春林院位牌廟、長壽院位牌廟
八女市
松延家住宅座敷部、土間部
大川市
旧筑後川橋梁(筑後川昇開橋)
風浪神社本殿
風浪神社五重塔
旧吉原家住宅
うきは市
平川家住宅主屋、納屋
三井郡大刀洗町
今村天主堂

 

 

明治後期における三池炭鉱の主力坑の1つ

三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱宮原坑施設


みついせきたんこうぎょうかぶしきがいしゃみいけたんこうみやのはらこうしせつ
大牟田市宮原町1丁目
三井石炭鉱業株式会社三池炭鉱宮原坑施設第二竪坑櫓33.013680, 130.455836
明治
鋼製櫓、高さ21.33m、コンクリート造基礎部附属
第二竪坑巻揚機室33.013855, 130.455983
明治
煉瓦造、建築面積127.1平方メートル、スレート葺、巻揚装置1基及びウィンチ1基を含む

三池炭鉱宮原坑は福岡県の南端、熊本県境近くに位置します。宮原坑は、1889(明治22)年に三池炭鉱が明治政府から三井組への払下げ後の1895(明治28)年に開削工事が開始され、1898(明治31)年に第一竪坑(たてこう)が、1901(明治34)年に第二竪坑が竣工しました。宮原坑は、当初、坑内の湧水を汲み上げて排水することを主な目的として設置された坑口ですが、採炭作業にも利用されるようになり、第二竪坑は、主として人員の昇降のために用いられました。
・第二竪坑櫓(左の鋼構造物)と第二竪坑巻揚機室(右の煉瓦造り) 
・人員や資機材を載せたケージを櫓直下の坑内に上げ下げするための施設
・ケージを吊るワイヤーロープは櫓から斜めに巻揚機室に引き込まれ、室内の巻揚機に巻き取られる
・櫓の左の煉瓦壁は隣接していたポンプ室の建物の一部



第二竪坑櫓

・現存最古の鋼鉄製櫓
・鋼板をリベット止めし、ラチス組した柱や梁を用いている
・筋交いなど一部は後補



第二竪坑巻揚機室

・比較的規模の小さな煉瓦建築で窓上部はアーチを組んでいる

・内部の巻揚機は当初の蒸気動のものではないが、現存の電動式の巻上機も1933年以来使われてきたもの
・巻揚機も重要文化財の一部

アクセス
JR・西鉄大牟田駅からバスで末広町下車、南約1kmです。早鐘眼鏡橋や熊本県荒尾市の万田鉱施設も巡る場合は、大牟田駅のレンタサイクルが便利です。駅からは約2.5kmで、緩やかな上りです。
見学ガイド
宮原坑施設は、9:30~17:00(最終入場は16:30まで)の間、無料で公開されています。休業日は月曜日、年末年始などです。

感想メモ
20年ほど前に訪問した時は塀越しに廃墟を眺めた記憶がありますが、今では周辺がきれいに整備されて文化遺産にふさわしい景観になっています。
(2021年11月訪問)

参考
大牟田市公式サイト、現地解説板

 

 

三池藩が築いた国内最古の石造水路橋

早鐘眼鏡橋


はやかねめがねばし
大牟田市合成町
早鐘眼鏡橋33.019823, 130.460069
江戸中期
石造単アーチ橋
輪石に延宝二甲寅二月吉祥日の刻銘がある

早鐘眼鏡橋は大牟田の市街地の東端に位置します。眼鏡橋は、延宝二年(1674)に三池藩が大牟田川を渡す灌漑用の水路橋として架橋したものです。国内最古の石造水路橋の遺構で、長崎の石造アーチ橋を参考にして建設されたものと考えられています。
・凝灰岩製の単アーチ石橋

・アーチの要石には2石にわたり、建設年(延宝二年)や、藩主立花和泉守源種長の銘(上段写真)、福田五右衛門尉大蔵直基ら藩の重臣の銘(下段写真)が刻まれている

アクセス
JR・西鉄大牟田駅下車、バスで早鐘眼鏡橋下車すぐです。宮原坑施設や熊本県荒尾市の万田鉱施設も巡る場合は、大牟田駅のレンタサイクルが便利です。駅からは約2kmで、緩やかな上り、宮原坑に向かう経路からそれほど離れていません。
見学ガイド
早鐘眼鏡橋は、常時自由に見学することができます。橋の近くまでは立ち入ることはできますが、橋の周辺は立入禁止でフェンスで囲われているので、橋面の水路などは見ることができません。

感想メモ
美しい石造アーチです。少し劣化が進んでいて、それも良い雰囲気を出しています。
(2021年11月訪問)

参考
文化遺産オンライン、現地解説板

 

 

霊山に鎮座する古社

高良大社


こうらたいしゃ
久留米市御井町
高良大社本殿・幣殿・拝殿33.301641, 130.565834
江戸中期
本殿 桁行三間、梁間三間、一重、入母屋造、こけら葺
幣殿 桁行三間、梁間一間、一重、両下造、こけら葺
拝殿 桁行五間、梁間三間、一重、入母屋造、正面千鳥破風付、向拝三間、軒唐破風付、こけら葺
大鳥居33.306041, 130.554397
江戸前期
石造明神鳥居

高良大社は久留米の市街地の東に位置する高良山の中腹に鎮座します。高良山は古くから霊山として人々の信仰の対象とされてきました。高良大社が正史上初めてその名が見えるのは延暦14 年 (795) です。
現在の社殿は、久留米藩第 3 代藩主有馬頼利の寄進により、明暦2年(1656) から寛文元年 (1661) にかけて造営されたものです。大鳥居は承応4 年 (1655) 第 2 代藩主有馬忠頼が寄進したものです。


本殿・幣殿・拝殿

・社殿の形式は本殿(写真右)、幣殿(本殿左の前後方向の棟)、拝殿(写真左)が接続した権現造

・右が本殿で、その左の障子の部分が幣殿

・本殿の軒は二軒の繁垂木で、柱上は木鼻付きの二手先、中備は彩色が施された蟇股



拝殿

・軒唐破風付の三間の向拝が設けられている

・軒や組物、中備は本殿と同様

・向拝の千鳥破風

・右側面軒廻り

・右側面腰組

・妻飾りは虹梁大瓶束



大鳥居

・上段写真が正面で下段が背面
・花崗岩製の明神鳥居

・扁額は、安永2年(1773)に久留米藩第七代藩主が寄進したもので、額字は上野寛永寺の門主の筆によるもの

アクセス
登山道入口の二の鳥居までは、久大本線久留米大学前駅から南東に1.4kmです。ここから高低差約150mを上ります。自然石の石段で良い雰囲気ですが、かなり大変です。重文指定された大鳥居は登山道のかなり手前、九州道の高架の手前にあります。登山道入口までは西鉄久留米駅のレンタサイクルも便利です。駅からの距離は約4kmで、緩やかな上りです。大鳥居から先はやや急な上りになるので、適当なところで徒歩に切り替えることになります。
見学ガイド
本殿等の参拝時間は6時~17時で、参拝時間内であれば、自由に見学することができます。瑞垣の中に立ち入ることができるので、本殿・幣殿・拝殿を間近に見ることができます。本殿・幣殿・拝殿は北西に面しています。大鳥居は公道を跨いで建てられています。

感想メモ
公共交通でのアクセスは大変でしたが、見晴らしの良い山上に端正な造りの社殿が建てれており、苦労が報われます。
(2003年3月訪問、2021年11月再訪)

参考
久留米市公式サイト、現地解説板

 

 

浄土宗の大本山

善導寺


ぜんどうじ
久留米市善導寺町飯田
善導寺本堂33.330061, 130.603856
江戸後期
桁行七間、梁間八間、一重、入母屋造、向拝三間、背面後堂附属、本瓦葺
書院33.330349, 130.604201
江戸中期
大書院及び小書院からなる
大書院 桁行17.8m、梁間7.9m、入母屋造、北面・西面及び南面庇附属、桟瓦葺
小書院 桁行11.8m、梁間7.9m、東面及び西面庇附属、桟瓦葺、北面大書院に接続
広間33.330176, 130.604265
江戸中期
桁行24.9m、梁間7.0m、入母屋造、正面玄関及び内玄関附属、桟瓦葺、東面大庫裏に接続
役寮及び対面所33.330417, 130.604313
江戸中期
役寮及び対面所からなる
役寮 桁行8.9m、梁間6.9m、切妻造、南面庇附属、桟瓦葺、西面大書院に接続
対面所 桁行8.0m、梁間5.9m、切妻造、西面庇附属、桟瓦葺、南面対面所に接続、
役寮及び対面所東面張出附属 桁行11.6m、梁間4.2m、切妻造、西面及び北面庇附属、桟瓦葺、南面大庫裏に接続
大庫裏33.330150, 130.604498
江戸中期
桁行15.9m、梁間12.0m、切妻造、桟瓦葺
中蔵33.330390, 130.604536
江戸後期
桁行11.6m、梁間4.2m、切妻造、西面及び北面庇附属、桟瓦葺、南面大庫裏に接続、中蔵・釜屋間差し掛け屋根附属
釜屋33.330281, 130.604539
江戸中期
桁行11.9m、梁間8.0m、切妻造、桟瓦葺、南面大庫裏に接続
大門33.329519, 130.606755
江戸前期
四脚門、切妻造、本瓦葺、左右袖塀各二間附属

上表は重文指定時の告示の内容を転記したものですが、平成の大修理において書院等の屋根が桟瓦葺から茅葺に改められるとともに中蔵が創建時の位置に移築され、役寮及び対面所の東側に他の寺院に移築されていた建築物が再移設されたため、記載内容が現状に即していない部分があります。緯度経度は大修理後のものを表示しています。

善導寺は筑後平野中部の田園地帯の集落に位置する浄土宗寺院で、承元2年(1208)に聖光上人により創建され、江戸時代には九州の浄土宗の本山として繁栄しました。堂宇の多くは延享5年(1748)の火災後、寛延・宝暦年間(1748〜1764)に再建されたものです。本堂の東に隣接して僧侶の居住や接客のための建築群である庫裏、釜屋、広間、書院、役寮および対面所、中蔵が立ち並びます。
本堂(写真左)と広間(写真右)



本堂

・天明6年(1786)久留米藩主有馬頼僮・頼貴父子により再建されたもの
・向拝三間のうち幅の広い中央間は勅使が昇殿するためのもので、左右は左大臣・右大臣の昇殿のためのもの

・棟の5個の葵紋は、石高500石であったことを表している

・二軒の繁垂木で、組物は木鼻付きの出組



書院

・中央の茅葺が小書院で、左に折れ曲がった部分が大書院、右の桟瓦葺は広間



広間

・写真右は大庫裏

・広間には玄関が附属する



大庫裏

・写真右奥が釜屋

大庫裏の妻: 
・妻側に出入口が設けられておらず平入になっているのは、庫裏としては珍しい



釜屋

・写真左奥が大庫裏



中蔵

・平成の大修理で創建当初の位置に復された



大門

・慶安4年(1651)建立の四脚門で、延享の火災の難を免れたもの
・山内に残された最古の建造物

アクセス
久大本線善導寺駅北1.2kmです。
見学ガイド
善導寺は常時自由に参拝することができます。本堂、大庫裏、釜屋、中蔵、大門はすぐ近くから見ることができます。書院、広間は塀越しに建物の一部を見ることができます。役寮及び対面所は非公開です。

感想メモ
浄土宗の大本山ということで、広大な境内に立派なお堂が立ち並んでいます。
平成の大修理で建物の位置や構造が一部改められているので、どの建物が重文建築なのか特定するのに苦労しました。
2022年の訪問時にはイベントが行われていて本堂内に入ることができ、本堂の縁から非公開の書院の一部を見ることができました。また、普段は閉ざされていることが多い広間前の勅使門も開放されていて、広間の玄関部分をよく見ることができました。
(2018年10月、2022年4月訪問)

参考
福岡県教育庁公式サイト

 

 

久留米藩の歴代藩主の霊屋や位牌廟

有馬家霊屋


ありまけたまや
久留米市京町
有馬家霊屋梅林院霊屋33.323725, 130.499378
江戸前期
桁行三間、梁間三間、入母屋造、妻入、本瓦葺
春林院霊屋33.323721, 130.499556
江戸前期
正面三間、側面三間、宝形造、本瓦葺
瓊林院位牌廟33.323953, 130.499347
江戸前期
桁行二間、梁間正面三間、背面二間、入母屋造、妻入、桟瓦葺
春林院位牌廟33.323934, 130.499531
江戸前期
桁行二間、梁間正面三間、背面二間、入母屋造、妻入、桟瓦葺
長壽院位牌廟33.323919, 130.499639
江戸前期
桁行二間、梁間正面三間、背面二間、入母屋造、妻入、桟瓦葺

有馬家霊屋は、JR久留米駅の近く、筑後川に面した梅林寺の境内にあります。梅林寺は久留米藩主有馬家の菩提寺で、有馬家の歴代藩主の墓や位牌を納めた霊屋で寛永7年(1630)から承応4年(1655)にかけて順次建てられたものです。上下2段に敷地が造成されており、下段には藩祖則賴や妻、娘の墓が納められた梅林院霊屋と初代豊氏や二代忠賴などの墓が納められた春林院霊屋の2棟の霊屋、上段には初代豊氏などの位牌が納められた3棟の位牌廟が並びます。これらは霊廟として他に例を見ない配置です。


梅林院霊屋

・実肘木付きの二手先組物、軒支輪、中央間の蟇股、二軒の繁垂木など華麗な構成



春林院霊屋

・軒廻りの構成は梅林院霊屋とほぼ同じ

  

・上段には三基の位牌廟が並ぶ
・写真手前から長壽院、春林院、瓊林院(けいりんいん)



瓊林院位牌廟

・軒廻りの構成は霊屋と比較すると非常に簡素
・柱上部は禅宗様の粽が見られ、柱上に台輪を回す
・軒は一軒の疎垂木



春林院位牌廟



長壽院位牌廟

アクセス
JR鹿児島本線久留米駅下車、北西600mです。有馬家霊屋は梅林寺の境内の奥、本堂の北西にあります。
見学ガイド
有馬家霊屋は、常時自由に見学することができます。

感想メモ
あまり知られていないようで、いつ行っても大変静かです。霊屋と位牌廟の軒廻りの差がはっきりしていて、古建築の勉強になります。
(2019年10月訪問、2021年11月再訪)

参考
福岡県文化財DB

 

 

脇往還の宿場に建つ双子の建物

松延家住宅


まつのぶけじゅうたく
八女市立花町兼松
松延家住宅座敷部33.200305, 130.599831
江戸末期
桁行13.1m、梁間10.2m、二階建、正面入母屋造、背面切妻造、桟瓦葺、四面下屋付、取合部を含む
土間部33.200245, 130.599913
江戸末期
桁行12.9m、梁間8.0m、二階建、正面入母屋造、背面切妻造、正面及び両側面下屋付、背面突出部 桁行5.0m、梁間4.9m、切妻造、桟瓦葺

松延家は久留米から熊本へ抜ける脇往還の宿場として栄えた兼松の商家です。建物は東側(街道から見て向かって左)の土間部と西側の座敷部からなります。土間部と座敷部とは、内部は一体化していますが建築構造的には別棟で、重要文化財指定の棟数も2棟となっています。
・土間部(写真左)、座敷部(写真右)とも、壁面を漆喰で塗り籠めた土蔵造で、妻入り、2階建てとし、屋根は桟瓦葺き
・入母屋の妻を正面に見せた同形の建物が左右に2棟並んだ外観に特色

アクセス
西鉄久留米駅から八女行バスで終点下車。徒歩50分です。本数は少ないですが、八女から立花方面行のバスに乗れば兼松三角下車すぐです。
見学ガイド
松延家住宅は非公開ですが、街道に面して建てられているので、外観はいつでも見ることができます。正面が北東方向を向いているため、順光の時間は長くありません。

感想メモ
双子型のユニークで美しい建築です。
(2020年8月訪問)

参考
八女市公式サイト

 

 

風浪の灘を守護する神

風浪神社


ふうろうじんじゃ
大川市酒見
風浪神社本殿33.211203, 130.386826
室町後期
三間社流造、檜皮葺
風浪神社五重塔33.211492, 130.386706
室町前期
石造五重塔

風浪神社は大川の市街地の東部に鎮座しています。古来より風浪の灘を守護する神として、久留米藩主有馬家の崇敬が厚く、また、俗に「おふろうさん」と呼び親しまれ、地域の信仰を集めてきました。本殿と石造の五重塔が重要文化財に指定されています。


本殿

・三間社流造、檜皮葺で室町時代後期の永禄3年(1560)に再建されたもの
・軸部に比して屋根が大きく、前後の流れも妻の出も深いのが特徴



五重塔

・写真は五重塔右面
・正平10年(1355)の紀年銘をもつため、俗に正平塔と呼ばれている
・二重基壇上に立つ五重の石塔で、相輪の先端は欠損しているが、総高は3.3m
・軒裏には垂木が彫り出され、大棟の両端よりやや下方降棟のあたりに大型の鬼面を置く

・各層の塔身には、仏龕(ぶつがん)とその中に、仏像などが彫り出されている(写真は左面第一層)
・これらは神仏習合の証とされている

アクセス
西鉄柳川駅・JR佐賀駅を結ぶバスで中原高木病院前下車、徒歩15分です。旧吉原家とは逆方向です。本数は少ないですが西鉄八丁牟田駅からのバス便もあり、こちらの方が歩く時間が少し短そうです。
見学ガイド
本殿は瑞垣の外からの見学になりますが、瑞垣の高さがそれほど高くないので、比較的見やすいように思います。五重塔には覆屋がかけられていますが、壁のない開放的なもので、見学の支障にはなりません。

感想メモ
本殿は改修後間もないようでした。少し古色を帯びてくると趣が増すように思います。覆屋は目障りになることが多いですが、風浪神社五重塔の覆屋は意匠が周辺に調和していて良かったです。
(2020年6月訪問)

参考
風浪宮公式サイト、大川市公式サイト

 

 

大庄屋の居宅

旧吉原家住宅


きゅうよしはらけじゅうたく
大川市小保
旧吉原家住宅33.206781, 130.370095
江戸後期
桁行16.9m、梁間12.9m、切妻造段葺、南面玄関附属、本瓦葺、一部桟瓦葺、
西面南突出部 桁行11.9m、梁間7.9m、切妻造、本瓦葺、
西面北突出部 桁行8.9m、梁間6.0m、切妻造、本瓦葺、

旧吉原家住宅は、大川市の中心部に位置します。柳河藩小保町の別当職を代々務め、後には大庄屋となった吉原家の居宅です。主屋の建設は文政八年(1825)で、藩の公用に利用されていました。大規模で細部の意匠に優れた住宅です。
塀越しに見る主屋(上)と附指定の御成門(下)

アクセス
西鉄柳川駅・JR佐賀駅を結ぶバスで中原高木病院前下車、徒歩15分です。花宗川の葦を眺めながら歩きます。旧吉原家は川沿いから旧肥後街道に入ってしばらく進んだところです。
見学ガイド
旧吉原家住宅は無料で一般公開されています。内部も見ることができます。

感想メモ
式台を備えた立派な住宅です。
(2020年6月訪問)

参考
大川市公式サイト

 

 

三つの茅葺の棟が並ぶ農家建築

平川家住宅


ひらかわけじゅうたく
うきは市浮羽町田籠
平川家住宅主屋33.272885, 130.840122
江戸後期
正面14.9m、側面10.0m、コの字形寄棟造、茅葺、背面庇附属、竹葺
納屋33.272861, 130.839956
明治
桁行5.9m、梁間3.9m、寄棟造、妻入、茅葺

平川家住宅は大分県境に近い山間部に位置する農家の住宅です。建築年代は主屋に座敷を増築したのが墨書によって文政三年(1830)と知られることから、主屋はそれより少し前の十九世紀初めごろの建築であると考えられています。納屋は明治中ごろの建築です。
・主屋(写真右)は前面に谷をもつ二棟造系の建物で、正面に二つの妻をみせ、これに接して納屋(写真左)が建つので、三棟の茅葺建築が並んでいるようにみえる

・北側背面は主屋の東棟(写真左)、東西を結ぶ棟(写真中央)と納屋の棟(写真右端)を見せる
・主屋西側の棟は陰に隠れている



主屋

・間口七間半、奥行五間の規模で南面する
・平面は、三間の西棟(写真左)を土間、四間半の東棟(写真右)を部屋とする
・東棟の東側二間は文政の増築部分
・土間部分と部屋部分に別々の屋根をかけ、後部で両者をつないで、全体として凹字形とする

・茅葺で、軒を深く出し、腕木で支える

・写真は東棟東面
・手前二間の突出部はザシキで、その後方に二間のナカナンド、一間のカワナンドが並ぶ

・東棟北面にはゲノマと呼ばれる小部屋を突出させている

・西棟は納屋側(写真左)に軒を大きく伸ばしている

・写真は西棟西面
・土間は手前二間のソトニワと奥三間のウチニワに区画されている



納屋

・前半部が開放的なナヤで、その背後にウマヤを配置している

・写真は納屋の小屋組み

アクセス
JRうきは駅南東600mの市民センターから乗合タクシーで田篭下車、西300mです。乗合タクシーは日曜祝日運休で、前日予約制です。
見学ガイド
平川家住宅は公道から見学することができます。平川家の方に許可を得た上で、敷地内からも外観を見学することができます。

感想メモ
平川家のある田篭(たごもり)は、石垣の棚田を背後にした山間の静かな集落です。車が通ることははほとんどなく、聞こえてくるのは川のせせらぎと、鳥のさえずりだけです。耳納山地のかなり奥に入ったところに位置しますが、うきは市が乗合タクシーを運行しているので駅からアクセスすることができました。この種の交通は住民専用であることも多いですが、うきは市は来訪者にも開放していて、大変ありがたいことです。
平川家住宅は小さな茅葺の棟が三つ並んでいるように見える珍しい造りです。三つの棟はそれぞれ大きさを違えており、素朴ながら工夫された意匠です。
見学を終え、帰りの乗合タクシーまで時間があったので、少し下ったところにある茅葺の囲炉裏Cafe里楽さんで田楽をいただきました。
(2026年3月訪問)

参考
新指定重要文化財12、現地解説板