Home Before Dark

シャーロットは精神病院から出て来て以前の生活に戻った。しかし新しく夫アーノルドの大学の同僚ジェイクが同居した。
ジェイクとは少しずつ接近した。また以前にシャーロットにプロポーズした銀行員のハミルトンにも会った。
シャーロットと周囲の状況は少しずつ変わっていった。そして突然シャーロットは自分の病気の原因が分かった。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1958、監督:Mervyn LeRoy、脚本:Eileen Bassing、Robert Bassing、原作:Home Before Dark(Eileen Bassing)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

シャーロット・ブロン(ジーン・シモンズ) 主人公
アーノルド・ブロン(ダン・オハーリー) 夫、教授
イネズ・ウィンスロップ(メイベル・アルバートソン) 継母
ジョーン・カーライル(ロンダ・フレミング) 義姉
ジェイク・ダイアモンド博士(エフレム・ジンバリスト) アーノルドの同僚
マティ(キャスリン・カード) メイド

コリンズ医師(?)
ハミルトン・グレゴリー(スティーヴン・ダン) 銀行員
キャシー・バーグナー(ジョアン・ウェルドン)シャーロットの友達
マルコム・サウジー(ジョンストン・ホワイト) ボートハウスの若者

◆ 補足

題名は、冒頭で精神病院に迎えに来た時にアーノルドが「Home before dark/暗くなる前に家に」と言うことから。

ジーン・シモンズとロンダ・フレミングが共演している珍しい映画。二人とも言わずと知れた有名女優。ジーンが主演で、ストーリーや雰囲気もジーンらしい映画になっている。

住んでいる屋敷はシャーロットの保有。ジョーンは義姉だがアーノルドとの血縁ではない。

ジーンは歴史映画に多く出演している。その他はだいたいにおいて恋愛がらみの映画。

ジーンが演じるのは「あっちにフラフラ、こっちにフラフラと悩むようなキャラクタ」が多い。

好きか嫌いかあるだろうが、それを知っていないと、映画を見ていて、イライラすることになる。本作もそうである。

本作は2時間14分。本作のストーリーから見るとちょいと長い。それは上記の「あっちにフラフラ、こっちにフラフラ」を表現しているからである。

本作を簡潔にまとめるとシャーロット・ブロン=ジーン・シモンズが迷った上で新しい道に踏み出すストーリーである。これをきちんと掴んでいただきたい。

参考。「ジーン・シモンズが人生を転換し新しい生き方を目指す映画」。
 


■ あらすじ

◆ シューロットは退院した

シャーロット・ブロンは精神病院に一年間入院していたが退院した。

夫のアーノルドが迎えに来て自宅に戻った。自宅は海岸沿いの高台にある。以前と同じように継母のイネズ、義姉のジョーン、メイドのマティがいた。

その他にアーノルドが勤務する大学の講師のジェイク・ダイアモンドが新しく住んでいた。

ジェイクのことを除いては以前と同じように生活が再開した。シャーロットにとって、このことがよくもあり、また不安要素でもあった。

シャーロットを診ていたコリンズ医師は、このような状況を心配している。ともかくシャロットの生活は再開した。

◆ イネズとジョーン

イネズは何事においても屋敷や家族を管理しようとしている。シャーロットも管理対象の一つになっている。

ジョーンはシャーロットとは違って外交的な性格である。シャーロットはジョーンを羨ましいと思っているようである。

二人ともシャーロットのことをさほど気にしていないようである。

シャーロットは「ジョーンを殴ったことかある」のだが、その記憶はない。そのように言われているので、言われた記憶が残っているからである。

◆ アーノルド

アーノルドとシャーロットの部屋は二階である。しかしアーノルドは二階への階段の背後にある部屋に住んだ。

その部屋にベッドとデスクを入れた。必要な時だけ二階に上がる。

当然シャーロットは、この状況に疑問を持つ。

◆ ジェイク・ダイアモンド

ジェイクの部屋は二階への階段の前である。

ジェイクは隣のアーノルドの部屋に本を借りに来た。その時にシャーロットがベッドにいた。

気がついたジェイクが近づく。二人の体が近づいたが、シャーロットが拒否した。

ジェイクとシャーロットは抑制的ではあるが、少しずつ近づいた。時々長く話した。レストランやカフェに出かけた。

◆ ハミルトン・グレゴリー

ハミルトンは銀行員である。

五年前、すなわちシャーロットが結婚する前にプロポーズをした。しかしシャーロットはアーノルドを選択した。

シャーロットが町に出かけた時に二人は会ってレストランで話をした。また郊外にも出かけた。

ハミルトンは今でもシャーロットが好きなようである。ダンスパーティの時に、ハミルトンはシャーロットと踊ったが、アーノルドが割り込んだ。

◆ マルコム・サウジー

屋敷を出て海岸に下りていくとボートハウスがある。注、ブロン家のボートハウスではない。

そこにマルコム・サウジーがいる。シャーロットは何度かマルコムに会いに行く。

マルコムとは以前より知り合いである。親しそうに話し込む。

マルコムはキャラクタ的にも年齢的にもシャーロットに合っているようであるが、性的な雰囲気はない。

二人で町に出て買い物をしたりする。

映画的に見ると、この二人が結びついてもよさそうである。

◆ クリスマスの衣装

クリスマスはボストンに過ごすことになった。その前にジェイクが仕事の関係でボストンに行った。

クリスマス前にアーノルドとシャーロットはボストンに行った。

シャーロットは一人で町を歩いた。まず美容院に行ってジョーンに似た髪形にした。

さらにある店のショウウインドーに気に入ったドレスを見つけた。客観的に見れば、かなり派手なドレス。

シャーロットは店に入って、そのドレスを買おうとした。「飾りなので売り物ではありません」と言われたが強引に買った。

シャーロットは高揚した気分で、そのドレスを着てバーティの会場に現れた。

出席者はシャーロットの姿に驚いて眺めた。シャーロットはむしろ得意顔で入ってきてテーブルに来た。

みんなの顔つきに驚いたシャーロットは倒れた。アーノルドはシャーロットを抱きかかえて別の部屋に運び込んだ。

アーノルドは「病気が再発した」と呟いた。

シャーロットは気がついた。その間の事情をアーノルドに聞いた。

しかしシャーロットはアーノルドに過去の話を持ち出した。シャーロットから見れば怪しいことがあった。

シャーロットはアーノルドの行動に疑問を持った。しつこく追及した。

注、アーノルドの過去の行動が具体的に表現されるわけではない。

◆ 新年

二人は屋敷に戻る。新年が近づく。

二人の対立は解けなかった。アーノルドは浮気は否定したものの、ついに「お前を愛してはいない」と暴言を吐いた。

シャーロットは「地獄に落ちろっ!/go to hell」と吐き捨てた。不思議なことに、この言葉でシャーロットの呪縛は解けた。

自分の病気の原因はアーノルドにあることが分かった。少なくともシャーロットはそのように感じた。

二人は離婚することになる。

新年のバーティ。ジョーンはシャーロットの例のドレスを着て登場した。派手好きのジョーンには違和感がない。

パーティが終わってシャーロットはアーノルドに「学期末までに屋敷をでていくように」と言い渡した。注、住んでいる屋敷はシャーロットの所有。

シャーロットは自分が誰を好きなのかが分かった。

ジェイクに電話した。ジェイクが訪ねて来て、二人は車に乗って去った。場面的にはジェイクはすぐに来るがボストンからなので、時間はかかっているはず。

ジェイクは今はボストンで仕事なので、二人はボストンに行く。
 


■ 出演作

ジーン・シモンズ
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane
(1958)大いなる西部/Big Country
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1954)セラーズ先生、こんにちは/She Couldn't Say No
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)止まった銃弾/A Bullet Is Waiting
(1967)大いなる遺産/Great Expectations
(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1957)出征するまで/Until They Sail
(1945)キスの相手は?:コメディ/Kiss the Bride Goodbye
(1950)万国博覧会行方不明事件/So Long At The Fair
(1955)殺しのデッドロック/Footsteps in the Fog
(1979)ドミニクの亡霊/Dominique
(1967)ジェリコの夜/Rough Night in Jericho
(1953)女優を目指して/The Actress
(1959)太陽の谷/This Earth Is Mine
(1965)最高の人生は不満の人生/Life at the Top
(1954)エジプト人/The Egyptian
(1953)悲恋の王女エリザベス/Young Bess
(1947)狂乱の狼火:ハングリー・ヒル/Hungry Hill

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデン・ホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/Tropic Zone
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1954)ヤンキー・パーシャ/Yankee Pasha
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
((1965)甘い大陸/Run for Your Wife
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo
(1958)西部を股にかける女/Bullwhip
(1964)インスタント・ラヴ/Instant Love
(1959)大悪党の生命保険契約/Alias Jesse James
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1956)殺し屋は放たれた/The Killer Is Loose
(1953)ナイルの妖女、クレオパトラ/Serpent of the Nile
(1980)ヌード爆弾/The Nude Bomb
(1951)欲望の河/Crosswinds
(1957)連発銃は知っている/Gun Glory
(1960)翼の男:海軍機と旅客機が空中衝突/The Crowded Sky
(1959)ビッグサーカス/The Big Circus
(1954)失われたアマゾンの秘宝/jivaro/LOST TREASURE OF THE AMAZON
(1953)シアトルから来た四人姉妹/Those Redheads from Seattle/
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)悪の対決/Slightly Scarlet
(1953)ミズーリ大平原/ポニーエクスプレス/Pony Express