Dominique

デイヴィッド・バラードは金持ちの女性ドミニクと結婚した。財産を奪い取るためにドミニクを亡き者にしようとする。
直接手を下すのは危険なので、幽霊や心霊現象などを装ってドミニクを脅した。ドミニクは自殺した。ここまではパーフェクト。
だがデイヴィッドの前に同じような現象が発生した。ドミニクも現れた。ドミニクの墓に行くと、隣に自分の墓ができていた。ドミニクの墓を暴くと空であった。


製作年:1979:監督:Michael Anderson、脚本:Edward Abraham、Valerie Abraham、Harold Lawlor


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
 ドミニク・バラード(ジーン・シモンズ)
 デイヴィッド・バラード(クリフ・ロバートソン) 夫
 アン・バラード(ジェニー・アガター) ドミニクの異母姉妹
 トニー・カルヴァート(サイモン・ウォード) 運転手、アンの恋人

◆ 補足

一応ホラー映画だが、わりと静かに進行していく。

1979年の映画にしては画面が鮮明ではない。上映時間は1時間30分。30分ごとに転機が訪れる。

私が本作を見たのは、もちろんジーン・シモンズ出演だから。
 


■ あらすじ

◆ デイヴィッドは金に困っていた

アメリカ人のデイヴィッド・バラードはイギリス人の金持ち女性ドミニクと結婚し、ドミニクの屋敷に移り住んだ。

屋敷には、二人の他にドミニクの異母姉妹アンや運転手のトニー・カルヴァートなどが住んでいた。アンとトニーは恋人同士である。

屋敷は二棟に分かれており、トニーやアンは別棟に住んでいる。

デイヴィッドは「実業家」ではあるというものの、次第に金に困るようになってきた。

◆ デイヴィッドはドミニクを殺そうとする

映画のストーリーではありがちであるが、デイヴィッドは妻のドミニクを殺して財産を手に入れようとする。

しかし直接手を下すのは危険。工夫が必要である。

ドミニクの前に次のようなことが発生した。夜、勝手に窓が開いてカーテンが揺れる。足音がする。ピアノが勝手になりだす。

突然人影が現れる。ドミニクが確認するが誰もいない。

映画を見ている立場からすると子供騙しであるが、ドミニクは次第に怖くなり、追い詰められていく。

◆ ドミニクは自殺した

ついに温室でドミニクが首を吊った。

医者が呼ばれてドミニクの死亡が確認された。葬儀が行われてドミニクの遺体は埋葬された。

デイヴィッドは目的を達成した。

ここまでで約30分。

◆ ドミニクが復活した

夜、デイヴィッドが寝ているとピアノの音がする。いつもドミニクが弾いていたものである。階下に降りて確認するが、誰もいない。

さらに電話がかかってくるが無言。勝手に窓が開く。足音、ドアがきしむ音。

要はドミニクが体験したことと同じような現象である。

そして廊下の向こうに女性の影が現れた。ドミニクである。デイヴィッドは慌てて逃げ出した。しかし後ろを振り向くとドミニクは消えていた。

「そんなことはあり得ない」と思うが恐怖心を抑えられない。

◆ 墓を掘り返す

デイヴィッドはドミニクの墓へ行った。隣にはデイヴィッドの墓がある。

デイヴィッドの墓は、あらかじめ予約で作ってあるもので、誕生日が書かれている。だが死亡日に「Soon」と書かれてあった。

そしてドミニクの墓を掘り返した。棺を開けると石が入っており、ドミニクの遺体はなかった。埋葬の時には、ドミニクの遺体を確認したはずである。

◆ デイヴィッドは逃亡を図る

その間もドミニクの出現は続いた。さらにデイヴィッドは追い詰められていく。

また墓地に行く。今度はデイヴィッドの死亡日が入っていた。1977年10月25日。

恐怖に駆られたデイヴィッドは屋敷を出て行こうとする。

荷物をまとめて玄関まで来た。外には車が止まっており、そばにドミニクが立っていた。デイヴィッドは中に逃げて戻った。

ここまでで約60分。

◆ デイヴィッドは死亡した

追い詰められたデイヴィッドは拳銃を持って屋敷の中を見て回った。

ピアノが勝手に動いている。足音が聞こえる。ドミニクの影が現れた。引き金を引く。近づいてみるが、そこには何もない。

トニーが来てデイヴィッドが言ったことを調べた。トニーは「何もおかしなことはありませんよ」と言う。

デイヴィッドが窓を見ると自分の顔が映っている。それがドミニクの顔に変化した。

たまらずデイヴィッドは走り出して窓から落ちた。温室に転落して死亡した。

◆ 「ドミニク」の正体

トニーはある部屋に行って、音声プレイヤーを止めてテープを取り出した。

またピアノの音。階下に降りてピアノの音も止めた。二階に上がった。

廊下の向こうにドミニクが現れた。近づいてくる。

ドミニクは頭に手をやって、面とカツラを取った。アンが現れた。

二人は対峙した。トニーはドミニクの正体がアンであることを知っていたようである。

トニーは取り出したテープをアンに示した。二人はキスをした。

トニーは立ち去ろうと後ろを向いた。

アンは拳銃を取り出してトニーを撃った。階段から転落したトニーに引き金を引いて止めを刺した。
 


■ 出演作

ジーン・シモンズ
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane
(1958)大いなる西部/Big Country
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1954)セラーズ先生、こんにちは/She Couldn't Say No
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)止まった銃弾/A Bullet Is Waiting
(1967)大いなる遺産/Great Expectations
(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1957)出征するまで/Until They Sail
(1945)キスの相手は?:コメディ/Kiss the Bride Goodbye
(1950)万国博覧会行方不明事件/So Long At The Fair
(1955)殺しのデッドロック/Footsteps in the Fog