スティーヴンは妻を毒殺した。しかしメイドのリリーに気づかれて脅された。
さらにリリーを殺したつもりだったが別人。さらにリリーに脅された。
製作年:1955、監督:Arthur Lubin、脚本:Lenore J. Coffee、Dorothy Davenport、Arthur Pierson、原作:W. W. Jacobs
■ はじめに
登場人物(キャスト)
スティーヴン・ローリー(ステュアート・グレンジャー)
ローリー夫人(-) 妻
リリー・ワトキンス(ジーン・シモンズ) メイド
アルフレッド・トラヴァース(ロナルド・スクワイア) スティーヴンの弁護士
エリザベス・トラヴァース(ベリンダ・リー) 娘
ローズ・モースビー(シェイラ・マナハン) リリーの姉
ハーバート・モースビー(ウィリアム・ハートネル) ローズの夫
バーク警視正(Barry Keegan)
バークの妻(-) 画面には登場しない
本作当時、ステュアート・グレンジャーとジーン・シモンズは夫婦。私は二人とも好きだが、16歳も離れている。
■ あらすじ
◆ スティーヴンの妻が死亡したが、
スティーヴン・ローリーの妻が死亡した。葬儀が行われ、雨が降る中で遺体が埋葬された。
スティーヴンは悲しそうな顔をしている。周りの人が慰めた。
屋敷に戻ってきた。そして悲しそうな表情が消えた。吹っ切れたのだろうか?
いやいや、スティーヴンは満足そうな表情をした。鏡を見ながら頷いた。
実は、スティーヴンは妻を毒殺したのである。動機は妻の財産。
◆ リリーは出世した
リリー・ワトキンスはローリー家の使用人。同じ使用人と言っても上下関係があり、リリーは一番下である。台所で他の使用人にこき使われている。
だがリリーはスティーヴンが妻を殺したことを掴んだ。若干遠慮がちの表情ではあったが、スティーヴンを脅迫した。
さっそくリリーは台所から抜け出して、二階のスティーヴンの部屋の隣に引っ越した。
もうエプロンを着る必要はなく、上等な服を着て、スティーヴンの世話や客の応対をするようになった。
◆ リリーが邪魔になった
リリーは立派に仕事をこなした。おまけに美人である。
スティーヴンがリリーに好意を抱いても不思議ではない。しかしスティーヴンはそれよりも自分の弁護士アルフレッド・トラヴァースの娘エリザベスとの結婚を望んだ。
リリーにまた脅迫されないとも限らない。ということで、リリーが邪魔である。
一方賢明なリリーは抜かりはない。事情を書いた手紙を結婚している姉ローズ・モースビーに送る用意をする。
◆ スティーヴンはリリーを殺害したが、
夜、リリーが手紙を出しに行く。
スティーヴンはリリーを尾行し、暗がりでリリーをステッキで殴り、さらに殺した。
しかし現場を目撃されて追跡された。
慌てて逃げて帰った。だがステッキを現場に忘れてきている。興奮しているスティーヴンはまだ気がついていないが、これが第一の問題点。
やっと屋敷に入った。リリーがにっこりと出迎えた。これが第二かつ大きな問題点。
◆ スティーヴンは無罪となった
ということでスティーヴンはさらに追い詰められて、リリーに頭が上がらない。
殺されたのは警視正バークの妻であった。
現場には名前が入ったスティーヴンのステッキが放置されていた。おまけに目撃者もいる。
スティーヴンは逮捕されて裁判となった。非常に不利な状況である。
目撃者が証言した。確かにスティーヴンであるとの証言がなされる。しかし彼は大酒飲みであり、いまいち証言には信憑性がない。
次にリリーの証言。リリーは「スティーヴンは外出しなかった」。
ステッキの件は忘れられてスティーヴンは無罪となった。
◆ リリーの姉の夫が脅迫する
というわけでスティーヴンは今までにも増してリリーに対して不利な立場となった。
リリーはスティーヴンに例の手紙のことを話して、スティーヴンが裏切らないようにロックをかけた。
しかしスティーヴンはエリザベスと結婚したい。スティーヴンはリリーに結婚すると言う一方で、手紙を取り戻すように要求する。
ここでローズの夫ハーバート・モースビーが現れて500ポンドを要求し、事態は混沌状態。
◆ スティーヴンは毒を飲む
追い詰められて精神が錯乱したのか、スティーヴンは思い切った行動に出る。
計画は次の通り。スティーヴンは妻を殺した毒薬を飲む。ただし致死量までは飲まない。それをリリーのせいにする。すると「妻を殺したのはリリーであり、スティーヴンも殺そうとした」という筋書き。
スティーヴンは毎日少しずつ毒を飲んだ。ある日リリーが外出しようとする。「五分で戻ってくる」と言って出かける。
その間にまた毒を服用する。今度はある程度の量だが、五分であれば、まだ死なない。それから医者を呼んでもらえば助かる。というわりとぎりぎりの計算。
◆ リリーも逮捕された
だがしかしリリーが戻ってくるのが遅れた。
リリーが戻ってきた時にはスティーヴンは虫の息状態。
慌てて医師が呼ばれた。スティーヴンは臨終の間際にすべてを話した。
リリーも偽証した疑いで逮捕されて有罪となった。、
■ 出演作
◆ ジーン・シモンズ
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane
(1958)大いなる西部/Big Country
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1954)デジレ・クラリー/Desiree
(1954)セラーズ先生、こんにちは/She Couldn't Say No
(1953)聖衣、キリスト教弾圧/THE ROBE
(1954)止まった銃弾/A Bullet Is Waiting
(1967)大いなる遺産/Great Expectations
(1969)ハッピーエンド、幸せの彼方に/The Happy Ending
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1957)出征するまで/Until They Sail
(1945)キスの相手は?:コメディ/Kiss the Bride Goodbye
(1950)万国博覧会行方不明事件/So Long At The Fair