■ Hilda Crane
ヒルダは離婚をして故郷に戻って来た。昔付き合っていたボーイフレンド二人と再会した。
二人ともヒルダを好きなようだが、ヒルダもどちらか決めきれずに右往左往してしまう。
製作年:1956、監督:Philip Dunne、脚本:Philip Dunne、原作:Samson Raphaelson
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ヒルダ・クレイン(ジーン・シモンズ)
ゴードン・クレイン(-) 父親、すでに死亡
クレイン夫人(ジュディス・イヴリン) ヒルダの母親
クララ(Marie Blake) クレイン家のメイド
ラッセル・バーンズ(ガイ・マディソン)
バーンズ夫人(イヴリン・ヴァーデン) ラッセルの母親
バーンズ家のメイド(ヘレン・マヨン)
ジャック(ジャン=ピエール・オーモン)
フランシス医師(リチャード・ギャリック)
本作はヒルダの迷いを表現したものだが、わりとあっさりとストーリーが進んでいく。
■ あらすじ
◆ ヒルダが戻って来た
列車が駅に入ってきて停車した。ヒルダ・クレインが下りた。母親が出迎えた。注、ディーゼル機関車だったりする。
ヒルダは二回目の離婚をして、ニューヨークから戻って来た。
ヒルダは離婚した直後にしては、落ち込んでいる様子はない。むしろ明るい感じである。
住んでいた自宅に戻った。メイドのクララが出迎えて、昔のヒルダの部屋に入った。ヒルダが出て行った時のままにしてある。
◆ 昔のボーイフレンドを訪ねた
ヒルダは、建築工事現場に行った。今では建設会社を経営しているラッセル・バーンズ。ビルを建設している。
ラッセルは高いところから下りてきてヒルダと話した。
それから大学に行った。ジャックが外で学生に講義をしている。講義が終わって二人で話した。
その他に偶然ではあるが、知り合いの女性に会った。「相変わらず綺麗ね」と言い合った。
◆ 母親はラッセルを勧めた
家に戻ってきて母親と話した。「みんな昔のままだったわ」。
母親に「ジャックは素敵だったわ」と言うと、母親はラッセルの方を勧めた。注、母親はラッセルは知っているが、ジャックとは面識はない。
ここでラッセルの母親が訪ねてきた。わりと態度が悪い。ヒルダは腕組みをして聞いていた。
そのうちにヒルダが話して「彼と結婚する気はない」ということも言う。
ラッセルの母親が帰った後、母親はヒルダに注意した。
◆ ジャックとデートした
ジャックと会って、店に行って飲んだ。
店から出てジャックのアパートに行った。「本を書いた」と言って見せてくれた。ヒルダは感心した様子で聞いていた。
ジャックがキスしようとする。拒否はしないものの、少し躊躇する。
次第に酔っぱらって、ヒルダはジャックに寄りかかった。
帰り際にやはりジャックがキスしようとすると「結婚はしないわ」と言って、ジャックを引っ叩いた。
◆ 続けてラッセルとデート
ジャックのアパートから帰る途中、店によってラッセルに電話をかけて呼び出した。
ラッセルがヒルダの家に来た。ヒルダは玄関先で待っていた。
ラッセルはヒルダに手紙を出していたので「手紙は読んだ?」と聞く。「もちろん読んだわ」と答えるのだが、実は読まないで捨てていたりする。
「君を幸せにする」「私もよ」と話して別れた。
家に入って、母親とラッセルと結婚するという話をする。母親は「六月の結婚はめでたいのよ」と言った。
◆ ラッセルと結婚した
教会でラッセルとの結婚式。二人と牧師、それぞれの母親、立会人が二人、他に二三人というささやかな結婚式。誓いの言葉を述べて終了。
式が終わってヒルダは、教会の裏にある父親の墓に花を供えた。
結婚しても、新婚旅行はせずに、おまけにまだ同居もせず、ヒルダは自分の家に帰った。
◆ ジャックが待っていた
呼び鈴がなったので出てくるとジャックがいた。結婚祝いを貰った。
ジャックを家に入れて、母親に紹介した。母親は「どうして来たの?」と、新婚の女性に対する態度として当然の指摘をした。
二人で話していると、ジャックは未練がありそうな顔をする。ヒルダは「もう手遅れよ」と言う。ジャックが食い下がるので、ヒルダはジャックを追い出した。
その後でヒルダは泣いた。
◆ 家を新築している
このあたりで二人は同居する。ラッセルはヒルダを連れ出した。
建築現場。二人の家を作っているとのこと。枠組みができた段階。ラッセルは「ここはキッチン」などと説明した。
ヒルダは無表情で聞いていたが、そのうちに微笑んで抱き着いた。
二人の結婚祝いのバーティが開かれた。このあたりでラッセルの母親が死亡する。補足を参照のこと。
◆ 二人は喧嘩して、ヒルダは睡眠薬を飲む
ここからはわりとゴチャゴチャする。
ラッセルの母親のことがきっかけで、二人の仲がうまく行かなくなった。
ヒルダが酔ってグラスを投げて割る事件が発生。二人は喧嘩する。
ヒルダが自分の家に帰った。ラッセルから電話だが居留守を使う。
またジャックに会いに行ったりする。ラッセルがいる前でジャックと会う。
ヒルダは自分の家。睡眠薬を飲む。このタイミングでラッセルが訪ねてくる。
母親はラッセルを追い返そうとするが、ラッセルは強引に上がる。倒れているヒルダを発見。
ヒルダは病院に運ばれて無事。
◆ ヒルダはニューヨークへ
ラッセルの家、ヒルダは荷物をまとめている。ニューヨークに行くつもりである。
ヒルダがバッグを持って階下に降りた。ラッセルがいる。
ラッセルが車でヒルダを駅まで送ることになる。
ラッセルは途中で例の建築中の二人の家に寄る。夜なので作業者はいない。
中でじっとしていたが、ヒルダがラッセルに抱き着いた。
■ 補足/バーンズ夫人
本作では、以下のバーンズ夫人が関係する部分が他と繋がりがなく浮いている。本作には原作があるが、映画化に当たり、その部分をカットしたものと思われる。
バーンズ夫人はもともと心臓が悪い。
ヒルダが戻ってきて母親と話している時に、バーンズ夫人が訪問してくる。そして不機嫌な顔をしていろいろ話す。二人と口論になる。
ヒルダとラッセルが結婚した時、ヒルダとバーンズ夫人が残る。そこでまたバーンズ夫人が、ヒルダにいろいろ文句を言う。
結婚後、ヒルダの家、ヒルダがいるところにバーンズ夫人が訪問してくる。例によって、いろいろ文句を言うのだが、ここでヒルダに5万ドルを要求する。5万ドルの根拠は不明。ヒルダが言い返すとバーンズ夫人は苦しそうな顔をする。ヒルダは医者を呼ぶ。夫人は入院。
上記の後、ラッセルとヒルダの結婚を祝うバーティが開かれているが、そこにバーンズ夫人が死亡したとの連絡が入る。
◆ ジーン・シモンズ
(1947)黒水仙/Black Narcissus
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1953)悲恋の王女エリザベス/Young Bess
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1960)スパルタカス/Spartacus