■ Desiree
マルセイユの商人の娘デジレはナポレオンと出会い婚約したが、後ほどナポレオンは婚約を破棄し、ジョセフィーヌと結婚した。
デジレは軍人のベルナドットと結婚し、後ほどベルナドットはスウェーデン国王となった。
一方、ナポレオンはワーテルローの戦いに敗れた。
製作年:1954、監督:Henry Koster、脚本:Daniel Taradash、原作:Annemarie Selinko
■ はじめに
デジレ・クラリーは実在の人物で、ナポレオンと婚約もしていたが、ナポレオンの方から破棄した。最後のワーテルロー敗北後に二人が話すところは創作のようである。
登場人物(キャスト)
デジレ・クラリー(ジーン・シモンズ)
ジュリー・クラリー(Elizabeth Sellars) デジレの姉
ジャン=バティスト・ジュール・ベルナドット→カール14世ヨハン(マイケル・レニー) デジレの夫
オスカル(ニコラス・コスター) 息子
ナポレオン・ボナパルト(マーロン・ブランド)
ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ(マール・オベロン) 妻
マリー・ルイーズ:ヴァイオレット・レンシング 妻
ジョゼフ・ボナパルト(キャメロン・ミッチェル) ナポレオンの兄
ジーン・シモンズは歴史ものの映画に数多く出演しており、適切な配役である。
本作はナポレオンの戦争の場面はまったくでてこない。言葉で語られるだけ。
本作の日本語版はない。しかしマーロン・ブランド、ジーン・シモンズという有名俳優が出演していて、かつナポレオンという有名人物の映画なのに、日本語版がないのは不思議。
■ あらすじ
◆ デジレはナポレオンと知り合った
1794年、マルセイユ。デジレ・クラリーは裕福な商人の娘であった。
ある日、デジレはコルシカ島出身の青年ジョセフ・ボナパルトと知り合って、次の日に自分の家に来るように招待した。
次の日、ジョセフと弟のナポレオンがデジレの家を訪れた。
デジレの姉のジュリーとジョセフが親しくなった。都合がよいことに、デジレとナポレオンも惹かれあった。
◆ デジレとナポレオンは婚約した
ナポレオンは逮捕されてパリに行った。が、しばらくしてマルセイユに戻って来た。国王派を探し出すように命令されたとのこと。
デジレはナポレオンに軍隊を辞めるように言った。しかしナポレオンは逆にデジレに結婚を申し込んだ。デジレはオーケーした。
ナポレオンは、とりあえずパリに戻るので、デジレは金を貸した。
後ほどのことだが、ナポレオンはデジレと婚約したのは金のためでもあったことを認めた。
◆ ナポレオンはジョセフィーヌと婚約していたっ!
しかしパリに戻ったナポレオンからは、何の連絡も来なかった。
思い余ってデジレはパリに向かった。そしてナポレオンが金持ちのジョゼフィーヌ・ド・ボアルネと婚約していることを知った。
デジレはバーティの会場に行った。入り口で止められたが、他の人について入った。デジレはナポレオンを罵倒しコップを投げて会場を飛び出した。
◆ デジレは結婚した
そして自殺しようとしていたところをベルナドットに助けられた。
その間、ナポレオンは出世して将軍となり、1797年イタリアを征服した。
デジレはジョセフ&ジュリー夫妻とローマに住んでいたが、パリに戻った。
デジレはナポレオンに会って、彼がエジプトに遠征することと、ジョセフィーヌと結婚することを知った。
ここでベルナドットはデジレに結婚を申し込み、二人は結婚した。
◆ ナポレオンは皇帝となった
デジレには息子オスカーが生まれた。
ナポレオンは共和国第一代領事(Consul)となり、ベルナドットに議会に加わるように依頼した。ベルナドットはそれを受けた。
さらにナポレオンは皇帝となった。
◆ ナポレオンは離婚しマリー・ルイズと結婚した
ナポレオンとジョセフィーヌの間には子供ができず、ジョセフィーヌと離婚した。
そしてオーストリアの皇女マリー・ルイズと結婚した。彼女は19歳であった。
デジレはジョセフィーヌと会って、彼女を慰めた。
ナポレオンは、その後も戦争を続けた。
◆ ベルナドットはスウェーデン国王となった
ベルナドットは、スウェーデンの世継ぎがいないチャールズ13世から、スウェーデン国王になってくれるように依頼を受けた。
ベルドットはカール14世となり、デジレもストックホルムに渡った。
◆ デジレはパリに戻った
デジレはストックホルムでの貴族たちとの付き合いに疲れて、数か月してバリに戻った。しかし夫との関係は良好であった。
スウェーデンはロシアと同盟を結んでいた。ナポレオンはロシアに侵攻するにあたり、スウェーデンを牽制するために、デジレを人質とした。
◆ ナポレオンはロシアに敗れた
しかしナポレオンの軍隊はロシアに敗れて敗走した。
ここにいたってナポレオンはデジレを介してスウェーデンに仲介を頼んだ。
ベルナドットは、スウェーデン軍をフランスに侵攻させた。
デジレとベルナドットは再会した。
◆ ナポレオンはワーテルローで敗れた
ナポレオンはエルバ島に流されたが、すぐに島を脱出して兵をあげた。
しかしワーテルローの戦いでイギリス、オランダ、プロイセンの連合軍に敗れた。
連合軍はデジレにナポレオンが降伏するように交渉を依頼した。
◆ ナポレオンは降伏した
デジレはナポレオンと二人きりで会った。
ナポレオンは、デジレと婚約したのはデジレの金だけが目的ではないというような話をし、また自分はフランスのために戦ったということも話した。
デジレはナポレオンに今の自分の運命を受け入れて、セントヘレナに行くように説得すると、ナポレオンは同意した。
ナポレオンは自分の剣をデジレにプレゼントして去っていった。
本作は、ここで終わる。
その後、ナポレオンはセントヘレナに流される。
■ 出演作
◆ マーロン・ブランド
(1952)革命児サパタ/Viva Zapata!
(1953)ジュリアス・シーザー/Julius Caesar
(1954)デジレ/Desiree
(1955)野郎どもと女たち/Guys and Dolls
◆ ジーン・シモンズ
(1948)青い珊瑚礁/The Blue Lagoon
(1949)アダムとエヴリン/Adam and Evelyne
(1950)The Clouded Yellow
(1952)天使の顔/Angel Face
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1956)ヒルダ・クレイン/Hilda Crane
(1958)大いなる西部/Big Country
(1960)エルマー・ガントリー/魅せられた男/Elmer Gantry
(1949)デジレ・クラリー/Desiree