ロンダ・フレミング(1923年8月10日~2020年10月14日)97歳没

我らのロンダ・フレミングの生誕百年。もともとハリウッドの生まれで街を歩いている時にスカウトされたらしい。 歌手でもあるが、全般は爽やか&強気の女性を演じている。出演作はかなり多い。共演ではロナルド・レーガンと四作。ジョン・ペインとも四作。


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■ Serpent of the Nile
シーザーの死後、ローマはアントニウス、オクタウィアヌス、レピドゥスの三頭政治となったが、アントニウスがオクタウィアヌスが対立した。
アントニウスはエジプトに軍を進めた。クレオパトラと会った。結局クレオパトラに篭絡された。アントニウスとエジプトに来たルキリウスは、この状況をローマに帰って報告した。
オクタヴィアヌスは軍をエジプトに進撃させた。アントニウスとクレオパトラの連合軍が迎え撃った。


製作年:1953、監督:William Castle、脚本:Robert E. Kent


■ はじめに

今回は我らのロンダ・フレミングがクレオパトラになった。大拍手。パチパチパチパチ。またロンダは「(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/THE QUEEN OF BABYLON」では紀元前八世紀のバビロンの実在の女王セミラミスになっている。ストーリーは架空。

◆ 登場人物(キャスト)
クレオパトラ(ロンダ・フレミング)
シャーニ(ジーン・バイロン) クレオパトラの侍女
フローラス隊長(マイケル・アンサラ) クレオパトラの部下

マーク・アントニウス(レイモンド・バー)
オクタヴィアヌス(マイケル・フォックス)
レピドゥス(-)
ルキリウス(ウィリアム・ランディガン) アントニウス配下の将軍

◆ 補足

クレオパトラの映画はパロディを除けば四作。

  • (1934)クレオパトラ/Cleopatra - クローデット・コルベール
  • (1945)シーザーとクレオパトラ/Caesar and Cleopatra - ヴィヴィアン・リー
  • (1953)ナイルの妖女、クレオパトラ/Serpent of the Nile - ロンダ・フレミング
  • (1963)クレオパトラ/Cleopatra - エリザベス・テイラー

ほぼ10年ごとに作られており、演じたのはいずれも有名女優。最初の二作はシーザーとの関係を描いており、本作はアントニウスとの関係を描いている。エリザベス・テイラー版にはシーザーとアントニウス両方が描かれている。いわば完全版だが、興行的には失敗している。エリザベス・テイラーを投入して失敗したのであれば、以降は誰もチャレンジする勇気はないだろう。

クレオパトラは何人もいるが、我々が普通に「クレオパトラ」と言った時は「クレオパトラ7世」を意味する。長く続いたプトレマイオス王朝のほぼ最後の女王。本作の主人公である。

クレオパトラはシーザーとの間で一子。アントニウスとの間に(二回の出産で)三子を産んだ。四子とも行方は知られており異説はない。

本作は史実とは少し異なっているようである。

一つはアントニウスとの関係。アントニウスはオクタヴィアヌスとの対立もあってクレオパトラに走ったようだが、本作ではクレオパトラに篭絡されたことになっている。なおオクタヴィアヌスの姉はアントニウスの妻である。

もう一つ。オクタヴィアヌス軍がストレートにアレキサンドリアに侵攻し長い攻城戦が展開されたようになっている。

だがまずは連合軍とオクタヴィアヌス軍が海上で対峙する。これは隻数で言えば1571年のオスマントルコとキリスト教国軍(スペインの無敵艦隊など)が戦ったレパントの海戦に匹敵するものである。

だがなぜかクレオパトラが自軍を引き上げたためアントニウス軍が崩壊する。クレオパトラが自殺したとの報(これは誤報)を受けてアントニウスが自殺する。

なお結局クレオパトラは捕らえられたが、毒蛇に自らを咬ませて自殺(という伝説)。原題の「Serpent」はこの毒蛇のことと推察される。
 


■ あらすじ

◆ ローマの状況

ジュリアス・シーザーが暗殺された。 さらに暗殺者のブルータスが殺された。

その後は、オクタヴィアヌス、アントニウス、レピドゥスの三頭政治に移行した。

◆ クレオパトラ

エジプトを支配するプトレマイオス王朝。

女王のクレオパトラ(7世)は、シーザーとの間に息子を作った。プトレマイオス・シーザー。

そして息子をローマ皇帝にしようとしている。

◆ アントニウスがエジプトへ

アントニウスはエジプトを征服しようとして配下の軍を進めた。かってシーザーの部下だったルキリウス将軍が同行した。オクタヴィアヌスはローマにとどまった。

ルキリウスは、シーザーと一緒にクレオパトラに会ったことがあり、クレオパトラの魅力・能力がどのようなものであるかを知っていた。

アントニウスはアレキサンドリアでクレオパトラに会った。

クレオパトラはアントニウスを歓待した。豪奢な宮殿、そこから見える景色、豪華な食事、素晴らしいショー。

アントニウスは、それらに酔ったのか、はたまたクレオパトラの魅力に参ったのか、それは不明だが、当初の目的を忘れたのか、諦めたのか、そのような生活を続けた。

きつかけはともかく、アントニウスはクレオパトラの謀略・戦略にかかってしまった。

◆ ルキリウスがローマへ

ルキリウスは、そのようなアントニウスを批判的な目で見るとともに「エジプトの民は、貧困に喘いでいる」とクレオパトラをも批判した。

クレオパトラはルキリウスを最初は篭絡しようとした。それが失敗すると殺害しようとしたが、これも失敗した。

ルキリウスは監禁されたが脱出してローマに向かった。

オクタヴィアヌスに会って、アントニウスとクレオパトラの状況を報告した。

◆ オクタヴィアヌスの軍が来る

オクタヴィアヌスは使者を送ってアントニウスにローマに帰るように説得したが、アントニウスは拒否した。

アントニウスにしてみれば、今更ローマに帰ることはできず、むしろクレオパトラと結びついた方がよいと判断したのかもしれない。あるいは判断力を失っていたのかもしれない。

ここにいたってオクタヴィアヌスはレピドゥスを切り捨てて、配下の軍をエジプトに進めた。

◆ 二人はオクタヴィアヌスを迎え撃った

この事態にいたって、アントニウスとクレオパトラは連合軍を組織した。

アレキサンドリアの城はオクタヴィアヌスの軍に包囲された。

城は非常に堅固なもので、簡単に落城するようなものではない。

しかし完全包囲されて少しずつ城壁が壊された。

ついに主力部隊が突入し、中で白兵戦が展開された。

アントニウスは剣を自らに突き刺した。クレオパトラは自らを毒蛇に咬ませた。

その後、長く続いたプトレマイオス王朝は崩壊した。
 


■ 出演作

◆ レイモンド・バー
(1949)陽の当たる場所/A Place in the Sun)
(1953)コルシカの嵐/The Bandits of Corsica
(1948)脱獄の掟/RAW DEAL
(1951)替え玉殺人事件/HIS KIND OF WOMAN
(1953)青いガーディニア/The Blue Gardenia
(1948)落とし穴/PITFALL
(1948)拳銃往来/Station West
(1956)俺を殺せ/Please Murder Me
(1954)怒りの刃/Passion

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)腰抜け大捕物/The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最后の砦/最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデン・ホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/TropicZone)
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1954)ヤンキー・パーシャ/Yankee Pasha
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo
(1958)西部を股にかける女/Bullwhip
(1964)インスタント・ラヴ/Instant Love
(1959)腰抜け列車強盗/Alias Jesse James
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1956)殺し屋は放たれた/The Killer Is Loose