The Spiral Staircase

障碍者の女性を狙う殺人事件が発生しており、口がきけないヘレンが狙われるかも?


製作年:1946、脚本:メル・ディネリ、監督:ロバート・シオドマク


■ はじめに

◆ 登場人物

 ヘレン(ドロシー・マクガイア) ウォーレン家の使用人
 パリー(ケント・スミス) 医師
 ウォーレン夫人(エセル・バリモア)
 ウォーレン教授(ジョージ・ブレント) 長男、学者
 スティーヴン・ウォーレン(ゴードン・オリヴァー) - 次男
 ブランシュ(ロンダ・フレミング) ウォーレン家の使用人、教授の秘書
 バーカー(?) ウォーレン家の使用人、看護師
 オーツ夫妻(ライス・ウィリアムス/エルザ・ランチェスター) - ウォーレン家の使用人

◆ 背景

設定は1906年、ニューイングランド。

ヘレンは子供の時に家が火事になり両親が焼死するのを目撃した。そのショックで声を出すことができない。

パリー医師。当地で開業したばかりで、以前よりいるもう一人のハーヴェイ医師と競合するのでクライアントが増えない。ヘレンに好意を寄せている。ヘレンのためにボストンに戻ってヘレンの治療することも考えている。

当地では殺人事件が発生している。しかも障碍者の女性を狙った卑劣な犯罪である。顔に傷がある女性、知的障碍の女性、足が不自由な女性が犠牲になっている。「もしかするとヘレンが狙われるかも」ということも考えられないわけではない。

タイトルの「らせん階段」は舞台のウォーレン家の屋敷の階段が螺旋階段になっているから。

◆ ウォーレン家の状況

地下一階・地上二階建ての大きな屋敷。部屋は廊下だけではなく内部でもつながっている。

ウォーレン夫人は病気。夫はすでに死亡している。二階の居室のベッドにいる。看護師のバーカーを嫌っていて部屋に入れさせない。ヘレンには優しい。折にふれてエーテル(あるいはブランデー)を気付け薬として使っている。

スティーヴンはヨーロッパから帰ってきたばかり。ブランシュと付き合っている。しかし以前は教授とブランシュが付き合っていた。

教授は立派な学者であり、スティーヴンはブラブラしている。スティーヴンは人づきあいも下手なようで、他人の評判も芳しくない。ウォーレン夫人は「あなたが戻ると何かが起こる」と言っている。

オーツ妻は、ほとんどアル中状態。
 


■ あらすじ

ヘレンは映画を見た後ウォーレン家に向かって歩いた。途中でパリーに会って車に乗せてもらった。しかし往診の用事ができたので、また一人で歩いて帰った。その途中に誰かの眼ががヘレンを見ている。

ウォーレン家に戻ると夫人に呼ばれて「今晩、ここを出なさい」と言われる。後にも同じことをしつこく言う。夫人の見方では事態は切迫しているようである。「もし出て行かないならば、この部屋(夫人の部屋)にずっといなさい」。

保安官が訪ねてきて教授に殺人事件のことを話し、ヘレンに気を配るように促す。他の人もヘレンを心配している。

夫人にエーテルが必要となり、しまってある棚を見に行くが、エーテルがビンごとなくなっている。ほんの少し前に使って、確かにヘレンが棚に戻したはずである。オーツ夫がエーテルを買いに出かける。すぐ近くにはないので、町まで行くことになる。

夫人がパリー医師を呼ぶ。パリーは夫人の意見もあってヘレンに「今夜ここを出よう」と言う。しかし往診依頼の電話がありウィルソン家に出かける。ウィルソン家の電話番号を紙に書いて渡す。「必要ならば夫人にかけてもらえ」。

ブランシュは教授やスティーヴンとのことがゴタゴタしているので、ヘレンに「一緒に出ていきたい」と言う。そして自分の荷物を地下に取りに行く。

バーカーも夫人にあまりにも嫌われているので出ていく決心をする。夫人はバーカーが出ていくことを知るとヘレンに「バーカーと一緒に行きなさい。パリーが戻るまでは待てない」という。しかしバーカーは一人で出ていく。

教授はヘレンに「ブランシュを呼んでくれ」と言う。ヘレンはブランシュを探す。いないので地下に降りていく。そこでブランシュが死亡しているのを発見する。

さらに、その場所にスティーヴンがいた!スティーブンは「ここで見たものを忘れろ、僕が処理する」と言う。ヘレンはスティーヴンから逃げ出しドアを外から閉めた。スティーヴンは「出してくれ!」と叫ぶ。ヘレンは上に逃げた。

ヘレンは紙に「ブランシュが殺された。スティーヴンが犯人。地下に閉じ込めた」と書いて教授に渡した。すると教授の目が不気味に光り、薄ら笑いを浮かべた。ヘレンに近寄ってくる。ヘレンは慌てて逃げ出した。

この時点で屋敷の中にいるのは、ヘレンの他には、夫人、教授、オーツ妻、スティーブン。夫人は動けないし、オーツ妻は例によって飲んで寝ている。スティーヴンは地下に閉じ込められている。

ヘレンは夫人の部屋に逃げ込んで「銃はどこ?」と書いて夫人に見せようとしたが夫人は寝ていて起きない。部屋から逃げ出した。教授が追いかけてくる。ヘレンは部屋から部屋へと逃げて回る。教授は追いかけてくる。

保安官が訪ねてきた。教授が応対する。そして保安官は立ち去ろうとする。ヘレンは窓を叩いて知らせる。しかし保安官は気がつかないで去っていった。

ヘレンの逃走と教授の追跡が続く。

しかし遂に、二階に上がる階段のところで、ヘレンは教授に追いつめられた。ヘレンは階段に座り込んで動けなくなる。教授が近づいてくる。
 


■ 出演作

ドロシー・マクガイア
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1945)ブルックリン横丁/A Tree Grows in Brooklyn
(1947)紳士協定/Gentleman's Agreement
(1959)避暑地の出来事/A Summer Place
(1951)幻のカウボーイ/Callaway Went Thataway
(1954)蛇のような男/Make Haste To Live
(1950)美女と老人と偽札/Mister 880

◆ エルザ・ランチェスター
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1950)海の無法者/海賊の女/BUCCANEER'S GIRL
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1935)浮かれ姫君/Naughty Marietta
(1942)ベンジャミンの復讐
(1941)生きている死骸/Ladies in Retirement
(1949)検察官閣下/The Inspector General
(1954)ハワイ犯罪地図/Hell's Half Acre
(1952)ドリームボート:大学教授の過去/Dreamboat
(1950)フレンチー:殺された父親の仇/FRENCHIE

ロンダ・フレミング
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1947)過去を逃れて/Out of the Past
(1949)腰抜け大捕物/The Great Lover
(1951)犯人を逃がすな/Cry Danger
(1957)OK牧場の決斗/Gunfight at the O.K. Corral
(1951)最後の砦/The Last Outpost
(1952)ゴールデン・ホークの復讐/The Golden Hawk
(1952)楽園の死闘/Hong Kong
(1953)楽園の決闘/Tropic Zone
(1953)地獄の対決/Inferno
(1955)対決の一瞬/Tennessee's Partner
(946)静かなる対決/Abilene Town
(1954)風雲のバビロン/バビロンの女王/The Queen Of Babylon
(1954)ヤンキー・パーシャ/Yankee Pasha
(1956)口紅殺人事件/While the City Sleeps
(1960)奴隷の叛乱/Revolt of the Slaves
(1965)甘い大陸/THE AMERICAN WIFE
(1950)メキシコの鷲と鷹/The Eagle and the Hawk
(1956)オドンゴ/odongo
(1958)西部を股にかける女/Bullwhip
(1964)インスタント・ラヴ/Instant Love
(1959)腰抜け列車強盗/Alias Jesse James
(1958)黄昏に帰れ/Home Before Dark
(1956)殺し屋は放たれた/The Killer Is Loose
(1953)ナイルの妖女、クレオパトラ/Serpent of the Nile
(1980)ヌード爆弾/The Nude Bomb
(1951)欲望の河/Crosswinds
(1957)連発銃は知っている/Gun Glory
(1960)翼の男:海軍機と旅客機が空中衝突/The Crowded Sky