かって二枚目俳優だったブルース・ブレアは現在は名前をソーントン・セイヤーと変えて、大学で英文学を教えている。
だが共演者で今は司会者をしているグロリア・マーローがブルースの現在の姿を暴露した。ブルースと娘のキャロルは、いろいろな騒動に巻き込まれていく。
製作年:1952、監督:Claude Binyon、脚本:Claude Binyon、原作:Love Man(1950、John D. Weaver)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ソーントン・セイヤー(クリフトン・ウェブ) ブルース・ブレア、別名ドリームボート
キャロル・セイヤー(アン・フランシス) 娘
マティルダ・メイ・コフィー(エルザ・ランチェスター) 学長
ビル・エインスレー(ジェフリー・ハンター) キャロルの恋人
グロリア・マーロー(ジンジャー・ロジャース) 司会者
ドリームボートの出演映画が数作紹介される。わりと面白い。最初は「怪傑ゾロ」、最後の映画「愉快な家族」は実在の映画。
■ あらすじ
◆ キャロルは映画を見た
キャロル・セイヤーは大学生。同じ大学で英文学を教えている父親のソーントンと住んでいる。
母親はすでに死亡。ビル・エインスレーという同じ大学の学生と交際している。
学校でサイレント時代の映画が上映されるというので、ビルたちと鑑賞した。
主人公の男性に、なぜか見覚えがあった。ちなみにこの映画は「怪傑ゾロ」だったりする。
◆ ソーントン・セイヤーの正体
グロリア・マーローという有名な司会者の番組がある。元は女優をしていた。
グロリアは自分が出演した過去の映画を紹介する。そして共演者であったブルース・ブレア、別名ドリームボートが英文学を教えているソーントン・セイヤーであると暴露した。
キャロルも初めて知った。ソーントンは自分は俳優である前に教師であると断言した。
◆ 父娘の生活が一変した
だがソーントンやキャロルの今までの生活は一変した。まず家に頻繁に電話がかかって来るようになった。
教授会はソーントンの解雇を要求したが、学長のマティルダ・メイ・コフィーが拒否した。
ドリームボートの熱烈なファンであったマティルダはソーントンを学長室に呼んだ際に、ソーントンに迫り、彼をソファに押し倒した。
ソーントンとキャロルがダイナー(←簡易食堂)に出かけた時には、経営者の女性が、店に来ている客が放送されていた映画の俳優ドリームボートであると知って感激のあまり卒倒した。
またバーで飲んでいた時に、ソーントンがテレヴィのスイッチを切ったので、他の客と殴り合いが発生した。
キャロルとビルの間は微妙な隙間風状態となつた。
◆ 中止を要求したが、
ソーントンはニューヨークのテレヴィ局に出かけた。まずグロリアに会って番組を止めるように要求したが、グロリアは拒否。
テレヴィ局の経営者にも会ったが埒が明かない。
ついに裁判に訴えた。過去の出演作が法廷で上映されて審議されたが、ソーントンは敗訴。
グロリアが司会するパーティが開かれて、ソーントンも招かれた。みんなの前で紹介され挨拶をする羽目になった。
だがソーントンの表情を見ていると、それほど嫌そうな顔はしていない。気が変わったのか、それとも押し切られたのか?
◆ 新作が製作された
マティルダは必死に引き留めたが、ソーントンは大学を辞任した。
新聞に大々的にドリームボートの復活が報道された。
ソーントンすなわちブルース・ブレアの新作が撮影された。
新作「(1948)愉快な家族/Sitting Pretty」のプレミア上映。ソーントン、ビルとキャロル、グロリアなどが揃って見に出かけた。マティルダは来ていないようだが。
補足。この映画は実際の映画。出演はクリフトン・ウェブの他にロバート・ヤング、モーリン・オハラなど。キング家(ロバート&モーリン)が新聞で子守を募集すると、中年の男性(クリフトン)が応募してくる。
■ 出演作
◆ エルザ・ランチェスター
(1946)らせん階段/The Spiral Staircase
(1950)海の無法者/海賊の女/BUCCANEER'S GIRL
(1952)アンドロクレスと獅子/Androcles and the Lion
(1935)浮かれ姫君/Naughty Marietta
(1942)ベンジャミンの復讐
(1941)生きてる死骸(生きてゐる死骸)/Ladies in Retirement
(1949)検察官閣下/The Inspector General
(1954)ハワイ犯罪地図/Hell's Half Acre
◆ ジンジャー・ロジャース
(1939)五番街の女/Fifth Avenue Girl
(1938)モーガン先生のロマンス/Vivacious Lady
(1944)恋の十日間/I'LL BE SEEING YOU
(1955)消された証人/Tight Spot