Vivacious Lady

植物学助教授のビーターは歌手のフランシーと結婚した。しかしピーターには婚約者ヘレンがいた。
当然のごとくヘレンや親からは激しいクレーム。そしてフランシーとヘレンの殴り合いも発生する。
しばらくの間フランシーは学校の学生となったが、戻ることにして列車に乗った。ビーターは追いかけた。


製作年:1938、監督:ジョージ・スティーヴンス、脚本;P・J・ウルフソン、アーネスト・パガノ、原作:I. A. R. Wylie


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

フランシー・ブレント(ジンジャー・ロジャース) 歌手
ビーター・モーガン・Jr.(ジェームス・ステュアート) 植物学助教授
ピーター・モーガン・Sr.(チャールズ・コバーン) 父親、学長
マーサ・モーガン(ビューラ・ボンディ) 母親
キース・モーガン(ジェームス・エリソン) 従兄弟
ヘレン(フランシス・マーサー) ビーターの婚約者

◆ 補足

本作はフランシーのキャラクタがポイントで、非常に面白い。しかし言葉で説明するとややこしい。

母親は心臓が悪いと言っているが、これは仮病、都合によって発病する。最後は父親がこの手を使う。
 


■ あらすじ

◆ ビーターはフランシーと結婚した

ビーター・モーガン・Jr.は父親が経営する大学の植物学の助教授。

ピーターは、従兄弟のキース・モーガンがニューヨークで遊んでいるので、父親から連れ戻すように言われてニューヨークに行った。

キースをあるナイトクラブで見つけた。歌手が歌っていた。

あるきっかけがあってその歌手と話した。フランシー・ブレント。ビーターは学者、フランシーは歌手と我々から見れば水と油だが、なぜか気が合ったようである。

外に出かけて夜通し飲んだり歩いたりした。朝、フランシーのアパートの前で別れた。

フランシーが部屋に戻ると、すぐに電話があった。再びデート。

二人は列車に乗ってビーターの大学があるオールドシャロンに向かった。キースも一緒の列車。

補足。プロポーズする場面も結婚式の場面もないが、この間に二人は結婚した。もう一つ補足。キースもフランシーが好きだったはずだが、特にトラブルは発生しない。

◆ ピーターには親も認めた婚約者がいた

オールドシャロンに到着。父親が迎えに来ている。一緒にヘレンと言う女性が来ている。

ヘレンは実はビーターの婚約者。父親も認めている。キースは「親にどういう風に話すんだ?」と言っている。

とりあえずキースとフランシーが腕を組んで列車を下りた。下りてきたビーターにヘレンがキス。

フランシーは「あれ(ヘレン)は誰なの?」と聞く。「ビーターの婚約者」との答え。「身も知らぬ女性が夫の婚約者なんて困るわ」。

一方父親はフランシーを見て「なんであんな金髪女と一緒なんだ?」と言う。

ピーターとヘレンの車が発車しようとするとフランシーが来た。「モーガンさん、いろいろありがとう。鳥肌がたつほど楽しかったわよ。いつもあなたを思っている」と強引にビーターの顎を引っ張ってキス。ヘレンは睨みつけた。

フランシーは明るい声で「グッバ~イ」と手を振った。我々にも「これはスゴイ展開になるな」との予感。

◆ ダンスパーティで殴り合い

とりあえずフランシーはキースの家に行っている。フランシーとビーターが電話で話す。フランシーは大きな声で話しかけて受話器にキスをする。

ビーターの後ろには父親がいて、話し声とキス音が聞こえている。「電話を切れっ!」。

ピーターは「先ほどの女性の件で話が..」と切り出す。ここで母親が入ってくる。母親は心臓が悪く胸を抑えた。二人は母親を慌ててソファに座らせる。で、ビーターの話は中断。

補足。ストーリーの中ではまだ後で明らかにされるのだが、先にばらしておく。母親の心臓の病気は偽装で、自分の都合に応じて発作が発症する。

ビーターはフランシーに電話をかけて大学のダンスに誘う。「そこで両親に話す」。

フランシーは入り口で止められるが「学生」と偽って入り込む。

ヘレンがビーターを呼んで「彼女は何者なの?」と追及していると、フランシーがヘレンの背後に来て、腰の高さくらいの足がついた灰皿を振り上げてヘレンを殴ろうとする。そこに両親が来て、灰皿を元にもどした。

その後ヘレンとフランシーが口論から、双方ボクシングの構えをして殴り合いになる。さらに足で蹴とばしてキックボクシングになる。

ピーターと父親が来たが、フランシーは手元が狂って父親を殴り倒した。

◆ フランシーは偽装学生になった

フランシーは女性専用のホテルに引っ越した。ビーターは父親に追及されて「フランシーは学生」ということにした。

ピーターが授業をしているところに、フランシーが腰を振りながら入ってきた。講師席まできて「I love you」と囁く。

ビーターはフランシーを席まで連れて行って座らせた。学生たちは「何が起こったのかっ!?」とフランシーを見ている。

父親は学校の理事が集まっているところで挨拶をしている。そこにビーターが入ってくる。そして場違いに「あの女性は僕の妻だ」と話す。

慌てた父親は別室に入ってビーターに意見する。二人は言い合うが、母親とヘレンが入ってくる。ここで母親が偽装心臓発作。

◆ フランシーはニューヨークに帰る

ビーターとフランシーはドライヴをした。ここでフランシーは「ニューヨークに帰る」と話す。

フランシーはニューヨーク行の切符を買ってホテルに戻った。

ヘレンから「彼女はピーターの恋人」と聞いた母親が訪ねてくる。「あなたとビーターのことは知っている」「それだけでうれしい」。

ここで母親はタバコを吸おうとする。フランシーが心配するが、心臓病が偽装であることを明かす。ここで二人は一本のタバコを二つにして吸う。注、最後の場面を参照。

(女性専用だけど)キースが入ってきた。キースとフランシーがダンスをする。母親も加わってどんちゃん騒ぎ状態。

ここで父親が入ってくる。キースとフランシーは気づいて隣の部屋に逃げた。

逃げ遅れた母親は、また急に偽装心臓病。

父親はフランシーにビーターと別れることを要求。フランシーは(ニューヨークに帰るつもりだが)強気になって別れることを拒否する。

父親は「ピーターは首にする」。ここで母親が切れた。父親の常に学校大事の姿勢を批判する。今までにはなかつたことである。

父親と母親は部屋を出て行った。フランシーも部屋を出て行った。駅に行く。

◆ ピーターは父親と喧嘩する

ピーターは授業中。キースが入ってくる。「フランシーが出て行ったぞ、四時の列車だ」。

教室の中ではあるが、ビーターは酒をグイっと飲んだ。

父親が理事たちを連れて授業参観に来る。ビーターは教室の控室に入る。

キースはビーターに「お前がフランシーと別れてくれれば、俺がフランシーと結婚できる」と言う。これは逆手で説得しようとするもの。

ピーターが酔っぱらって教室に戻った。理事たちは驚いた顔。ピーターは大声。学生たちを帰らせる。理事たちも帰る。

父親に向かって「この大学のために妻を犠牲にするのはごめんだっ!」。父親は「解雇するっ!」と叫ぶ。

◆ ピーターはフランシーを追いかける

フランシーは駅に来て列車のコンパートメントに入る。列車は発車した。フランシーはボーイにタバコを要求した。タバコはないとのこと。

隣のコンパートメントにも女性がいる。実は母親。母親も同じようにタバコを要求する。

このやり取りを聞いたフランシーが母親のコンパートメントに来る。

母親は一本だけ残っていたタバコを半分に分けて、二人でタバコを吸う。補足。以前に二人がタバコを分け合う場面がある。

母親は「私も夫を置いてきたわ。今はとても自由な気分」。

二人はニコニコしたり泣いたりを繰り返す。

ここで突然列車が停止する。そして父親とピーターが入ってきた。

母親は父親の顔を見て拒否する。ここで父親は胸を押さえて「心臓が苦しい」という。母親は心配して駆け寄る。父親はニコっと笑う。

ピーターはフランシーに「夫なしの新婚旅行はダメだ」と言ってキスする。
 


■ 出演作

◆ ジンジャー・ロジャース
(1939)五番街の女/Fifth Avenue Girl
(1938)モーガン先生のロマンス/Vivacious Lady
(1944)恋の十日間/I'LL BE SEEING YOU
(1955)消された証人/Tight Spot
(1952)ドリームボート:大学教授の過去/Dreamboat
(1946)スリ学校の学生/Heartbeat
(1947)結婚式からの逃亡/It Had to Be You
(1942)恋の情報網/Once Upon a Honeymoon

◆ ジェームズ・ステュアート
(1940)フィラデルフィア物語/The Philadelphia Story
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1968)バンドレロ/Bandolero
(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77
(1978)大いなる眠り/The Big Sleep
(1938)モーガン先生のロマンス/Vivacious Lady
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1940)街角 桃色の店/ピンクのみせ/The Shop Around the Corner
(1948)ロープ/Rope
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1948)不時着結婚/u Gotta Stay Happy
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1939)砂塵/Destry Rides Again
(1955)ララミーから来た男/The Man from Laramie
(1962)リバティ・バランスを射った男/The Man Who Shot Liberty Valance
(1958)めまい:知人の妻の正体/Vertigo
(1958)媚薬:魔女に魔法をかけられた男/Bell, Book and Candle
(1954)裏窓/Rear Window