上院議員のランス・ストダードは名もないトム・ドニファンという牧場主の葬儀に出席した。記者の質問に答えて出席の理由を説明した。
製作年:1962,監督:John Ford,脚本:James Warner Bellah,Willis Goldbeck,原作:The Man Who Shot Liberty Valance(Dorothy M. Johnson)
■ はじめに
◆ キャスト
ランス・ストダード(ジェームズ・ステュアート)
ハリー・ストダード(ヴェラ・マイルズ) ランスの妻
トム・ドニファン(ジョン・ウェイン)
ダットン・ピーボディ(エドモンド・オブライエン)
リバティ・ヴァランス(リー・マーヴィン)
◆ 補足
準州/Territoryから州Stateに昇格するときの話だが、どの州かは明示されていない。「シンボーン」という町も検索しても見つからない。架空の設定と思われる。
ちょっと映画とは無関係だが、1880~90年代に州になったものを調べた。ノースダコタ州(1889)、サウスダコタ州(1889)、モンタナ州(1889)、ワシントン州(1889)、アイダホ州(1890)、ワイオミング州(1890)、ユタ州(1896)。
ジョン・ウエインとジェームズ・ステュアートは説明する必要がない俳優である。
推薦作はジョン・ウエイン:「(1939)駅馬車/Stagecoach」とジェームズ・ステュアート:「(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73」にしておく。
エドモンド・オブライエンも有名俳優。推薦作は初期の「(1939)ノートルダムのせむし男/The Hunchback of Notre Dame」。
ヴェラ・マイルズもわりと出演作は多い。「マイルズ」は最初の夫の姓のようである。「(1960)サイコ:モーテル殺人事件/Psycho」のマリオン(ジャネット・リー)の妹のライラ役。後は同じくサイコスリラーの「(1995)多重人格/Separate Lives」。
■ あらすじ
◆ 上院議員は無名の人物の葬儀に出席した
20世紀初頭、西部のある町シンボーンの町に上院議員のランス・ストダードと妻のハリーが来た。
トム・ドニファンという牧場主の葬儀に出席するためである。
「名もない男性の葬儀になぜ上院議員が来たのか?」と問われたストダードは、ドニファンとの関係を説明した。
◆ 弁護士は襲撃された
1880年代、当州はまだ準州/Territoryであった。州に昇格させようとする勢力と反対する勢力が対立していた。
ストダードは新進の弁護士として希望に燃えて当地にやってきた。
途中で当地の無法者リバティ・ヴァランス一味の襲撃を受けて傷を負った。
小さな牧場を経営しているトム・ドニファンに助けられ、町の食堂に運ばれて手当を受けた。
◆ 準州の代表になった
その食堂の経営者の娘ハリーはドニファンの恋人だった。
ハリーの手厚い看護のお陰で傷は次第に回復した。
ストダートは新聞社を経営しているダットン・ピーボディと一緒にヴァランス一味と対決することにした。
これとは別に学校も建設した。ドニファンに「ヴァランスは力しか信用しない」と聞いて拳銃も練習した。
ストダートは準州の代表を選ぶ選挙に立候補して、同じく立候補したヴァランスに勝った。
◆ ヴァランスと対決した
怒ったヴァランス一味はピーボディに暴力を振るって半殺しにした。
ストダートは拳銃を握ってヴァランスと対決した。
路上で二人は拳銃を持って睨み合った。
二人が引き金を引いた。ストダートは手を撃たれたが、ひるまずに反撃した。
思いがけずもヴァランスが撃たれて倒れて死亡した。
◆ ハリーの心はストダートに
傷ついたストダートに駆け寄ったハリーを見て、ドニファンはハリーの心が自分からストダートに変わったことを知った。
牧場の中に用意していたハリーとの新居を潔く焼き払った。
◆ ストダートは出世した
さらにその後、ワシントンに送る代表を選ぶ選挙が行われた。
ストダートは、弁護士の資格、立派な見識などに加えて、ヴァランスを倒した正義の味方として、多くの住民から評価されて代表に選ばれた。
だが彼は暴力を否定する者として「ヴァランスを倒した者」という評価を恥じた。
ここでドニファンは「ヴァランスを撃ったのは自分」と明らかにした。
ちょうどストダートが引き金を引いたタイミングで、ドニファンが別方向からヴァランスを撃ち倒した。
その後、準州から州に昇格し、ストダートはハリーと結婚し、上院議員になった。
◆ ストダートの伝説
ストダードの話を聞いた記者たちは、この話を記事にすべきかどうか迷った。
彼がヴァランスを撃ち倒したことは、ストダートの伝説の重要な一部になっていた。
記者たちは、記事にしないことにした。
■ 出演作
◆ ヴェラ・マイルズ
(1956)枯葉/Autumn Leaves
(1960)サイコ:モーテル殺人事件/Psycho
(1961)裏通り/Back Street
(1960)五人の札つき娘/ドイツ軍に抵抗するパルティザンの部隊/Five Branded Women
(1995)多重人格/Separate Lives
(1972)モリーと無法者ジョン/Molly and Lawless John
◆ エドモンド・オブライエン
(1939)ノートルダムのせむし男/The Hunchback of Notre Dame
(1947)二重生活/ A Double Life
(1953)二重結婚者/The Bigamist
(1966)ミクロの決死圏/Fantastic Voyage
(1953)ヒッチ・ハイカー/THE HITCH-HIKER
(1949)都会の牙/D.O.A./Dead On Arrival
(1947)罠にかかった弁護士/The Web
(1950)ブックメーカー殺人事件/711 Ocean Drive
(1953)恐怖の町/Man in the Dark
(1952)黒い街:ターニングポイント/The Turning Point
(1956)1984年/1984
(1950)拳銃無情/Between Midnight and Dawn
(1948)分断された家族/Another Part of the Forest
◆ ジェームズ・ステュアート
(1940)フィラデルフィア物語/The Philadelphia Story
(1950)折れた矢/Broken Arrow
(1968)バンドレロ/Bandolero
(1977)エアポート'77/バミューダからの脱出/Airport '77
(1978)大いなる眠り/The Big Sleep
(1938)モーガン先生のロマンス/Vivacious Lady
(1948)出獄/CALL NORTHSIDE 777
(1940)街角 桃色の店/ピンクのみせ/The Shop Around the Corner
(1948)ロープ/Rope
(1950)ウィンチェスター銃'73/Winchester '73
(1948)不時着結婚/u Gotta Stay Happy
(1941)結婚を買う女/Come Live With Me
(1939)砂塵/Destry Rides Again
(1955)ララミーから来た男/The Man from Laramie
◆ ジョン・ウェイン
(1939)駅馬車/Stagecoach
(1949)黄色いリボン/She Wore a Yellow Ribbon
(1963)マクリントック McLintock!
(1948)赤い河/Red River
(1950)リオ・グランデの砦/Rio Grande
(1942)絶海の嵐/Reap the Wild Wind
(1939)アレゲニーの反乱/アリゲニー高原の暴動/ALLEGHENY UPRISING
(1953)ホンドー:砂漠の牧場で暮らす若い母親と息子/Hondo