Psycho

マリオンは会社の金を盗んで恋人がいるカリフォルニアに向かった。途中でモーテルにとまった。
だがマリオンはシャワーを浴びている時にナイフで切りつけられて殺害された。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1960,監督:Alfred Hitchcock,脚本:Joseph Stefano,原作:Psycho(Robert Bloch)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

マリオン・クレイン(ジャネット・リー)
ライラ・クレイン(ヴェラ・マイルズ) マリオンの妹
サム・ルーミス(ジョン・ギャヴィン) マリオンの恋人
ミルトン・アーボガスト(マーティン・バルサム) 私立探偵
アル・チャンバース(ジョン・マッキンタイア) 副保安官

ノーマン・ベイツ(アンソニー・パーキンス) モーテル経営
ノーマ・ベイツ(-) ノーマンの母親

◆ 補足

マリオンは半分くらいのところで殺害されるので、以降ジャネット・リーは登場しない。

「psychology」「knowledge」の最初の文字は黙字だが、このような単語はギリシャ語由来。

私にとってはジャネット・リーもヴェラ・マイルズも好感度が高い女優である。二人とも知的な感じキャラクターを演じる。

ジョン・ギャヴィンは次を推薦。「(1957)青春物語:ペイトンプレイス物語/Peyton Place」。共演はラナ・ターナー。後ほどロナルド・レーガン大統領によって駐メキシコ大使に任命されている。

アンソニー・パーキンスは出演作は多いが、ほとんど本作のみで知られている。
 


■ あらすじ

◆ マリオンは会社の金を盗んだ

アリゾナ州フェニックス。マリオン・クレインは不動産会社に勤めている。

カリフォルニアに恋人のサムがいる。だがサムはバツイチで元妻への慰謝料を支払わなければならず、また父親が残した借金がある。

このような事情でサムとの結婚はお預けになっている。

マリオンは顧客が支払った四万ドルを銀行に運ぶことになった。

だが四万ドルを持って自宅に戻り、車に乗ってカリフォルニアに向かった。

途中で夜になったのでハイウェイの路肩で車を止めて眠った。

朝になってパトカーが来た。免許証の提示を求められた。

特に問題はなかったが、パトカーはマリオンの車をつけてきた。

◆ モーテルに入った

町に着いてマリオンは車を買い替えようと中古車店に寄った。新聞を見て、自分の事件は報道されていなかった。

車を買い替えたが、通りの向こうから、その様子をパトカーの警官が見ていた。

新しい車で走っていった。

再び夜になり強い雨が降り出した。モーテルがあったので泊まることにした。

モーテルの背後に数メートルの崖があり上に屋敷があった。屋敷の窓に女性の姿が見えた。

クラクションを鳴らすと、下りてきたのは若い男性だった。チェックインの手続きをした。男性はノーマン・ベイツと言う。

◆ ノーマンの母親

マリオンは自分の部屋に入って荷物を解いた。持ち出した金をどうするか迷ったが、新聞紙にくるんで棚の上に置いた。

上の屋敷から怒ったような女性の声が聞こえてきた。

ノーマンが来て食事をしようと誘った。フロントの裏の部屋に入った。

ノーマンは女性の声は母親だが、いつもと様子が違うと説明した。

ノーマンが五歳の時に父親が死亡して母親に育てられた。母親は数年前に別の男と出会いモーテルを立てた。だがその男も死んだ。

それ以来母親は病気になった。自分が面倒を見るしかないと話した。

◆ マリオンは殺された

「人間はみんな罠に捕らえられている」とノーマンの言葉を聞いて、マリオンはフェニックスに戻ろうと考えた。

マリオンは自分の部屋に戻った。中古車の価格をメモに書いて、この金額ならば、自分の貯金で払えることを確認して、そのメモをトイレに捨てた。

マリオンはシャワーを浴びた。

だが人影が現れる。その人物はナイフでマリオンに切りかかった。

マリオンは悲鳴を上げたが何度も執拗にナイフで刺された。

マリオンは血まみれになり倒れた。血が排水口に吸い込まれた。

ノーマンが現れて、血を洗い流して、死体をくるんでマリオンの車に積み込んだ。彼女の荷物も積み込んだ。

沼地まで車を走らせて、車を沼に沈めた。

◆ 私立探偵はモーテルに

サムの勤務先にライラが現れて、マリオンの消息を聞いた。

そこにマリオンの上司に雇われた私立探偵のミルトン・アーボガストが来た。

サムはマリオンが金を持ち逃げしたと聞いて驚いた。

アーボガストは二人を追及しても意味はないと判断し、いろいろなところを探し回った。

やがてノーマン・ベイツのモーテルに辿り着いた。宿帳にマリオンの偽名と思われる名前を発見し、ノーマンにマリオンの写真を見せたが、否定された。

ノーマンの態度に疑問を持ったアーボガストはいったん、モーテルを出て、再びモーテルに忍び込んだ。

マリオンを探しても見当たらないので、上の屋敷に向かった。だがアーボガストは屋敷から出てきた人物に刃物で襲いかかられ、仰向けに倒れて石段を転げ落ちた。

◆ サムとライラもモーテルに

サムとライラはアーボガストが戻ってこないので、保安官を訪ねた。

保安官はノーマンの母親は10年前に関係があった男が既婚者と判明して、相手をストリキニーネで毒殺し、自分も自殺したと話した。

二人は、カップルを装ってモーテルに行った。中を調べるとマリオンが落としたメモをトイレで見つけた。マリオンが落としたものと判断した。

サムがノーマンと話している間に、ライラは屋敷に入って行った。

だがノーマンはサムが時間稼ぎをしてるのに気が付いて、サムを殴り倒して、屋敷に戻っていった。

◆ ミイラ化した女性

ライラは屋敷に上ってくるノーマンを見て、屋敷の地下室に逃れた。

地下室には、椅子に座っている女性がいた。髪が乱れており年寄りのようである。

ライラが女性の肩に手をかけると、女性は崩れ落ちた。ミイラ化した女性であった。ライラは恐怖のあまり悲鳴を上げた。

女が入ってきてライラに襲い掛かった。女装をしたノーマンだった。

追いかけてきたサムがノーマンを制圧した。

◆ ノーマンは殺した母親と一体化した

警察署でノーマンを診断した精神科医が結果を解説した。

ノーマンは10歳で父親を亡くした。ノーマンと母親は依存関係になり、ノーマンは二人だけの世界で成長した。

母親が男と深い関係になった時、ノーマンは自分が見捨てられたと考えて、二人を殺害した。

孤独に耐えられなかったノーマンはいったん埋葬した母親を墓から掘り出して生き返らせようとした。結果母親はミイラ化した。

ノーマンは女装を始めて、母親の役割も演じた。

やがてノーマンの中に母親の人格が目覚めて、ノーマンは二重人格となった。ノーマンの体の中で、二人は主導権を争った。
 


■ 出演作

ジャネット・リー
(1949)若草物語/Little Wome
(1949)フォーサイト家の女/That Forsyte Woman
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1949)ママの青春/Holiday Affair
(1958)黒い罠:凄腕の警部/Touch of Evil
(1962)影なき狙撃者/The Manchurian Candidate
(1954)炎と剣:ヴァリアント王子/Prince Valiant
(1949)ある医師の生きざま/The Doctor and the Girl
(1960)サイコ:モーテル殺人事件/Psycho
(1947)リッシー・アンのロマンス/The Romance of Rosy Ridge
(1953)裸の拍車/The Naked Spur
(1969)妄執の館:失踪した夫/HONEYMOON WITH A STRANGER
(1980)恐怖の霧/The Fog
(1972)ウサギの怒り/Night of the Lepus
(1951)ブロード・ウェイへの切符/Two Tickets to Broadway

ヴェラ・マイルズ
(1956)枯葉/Autumn Leaves
(1960)サイコ:モーテル殺人事件/Psycho
(1961)裏通り/Back Street
(1960)五人の札つき娘/ドイツ軍に抵抗するパルティザンの部隊/Five Branded Women
(1995)多重人格/Separate Lives
(1972)モリーと無法者ジョン/Molly and Lawless John
(1962)リバティ・バランスを射った男/The Man Who Shot Liberty Valance
(1956)捜索者/The Searchers