フランク・エンリーをジョー・パークソンという男が訪ねてきた。妻のエディスが応対したが不在だったので帰った。戻ってきたフランクは怯えた顔をしたが理由は話さない。
まだジョーはうろうろしている。夜中にフランクは「業界の会合にでる」と言って逃げ出した。ジョーは追いかけた。
フランクは酒場で知り合った女性から殺し屋を紹介された。
戻ってきたフランクはエディスに「もう安心」と言ったが、今度はジョーを追いかけた。
製作年:1949、監督:Fred Zinnemann、脚本:Robert L. Richards:原作:Collier Young
■ はじめに
フランク・エンリー(ヴァン・ヘフリン)
エディス・エンリー(ジャネット・リー) フランクの妻
ジョージー・エンリー(?) 息子
フレッド・フィニー(Harry Antrim) 隣人、釣りに一緒に行く
マーサ・フィニー(Connie Gilchrist) フレッドの妻
ジョー・パークソン(ロバート・ライアン) 兵役時のフランクの部下
アン・スタージェス(フィリス・サクスター) ジョーの恋人
パット(メアリー・アスター) 酒場で会った女性
ガヴェリー(テイラー・ホームズ) 弁護士
ジョニー(ベリー・クルーガー) 殺し屋
■ あらすじ
◆ ジョーは出発した
ジョー・パークソンは引き出しから拳銃を取り出してバッグに入れた。ロスアンジェルス行のバスに乗った。
長い旅を終えてロスアンジェルスに到着した。ホテルの電話番号帳で住所を確認した。
◆ フランクは釣りに出かけた
フランク・エンリーは退役軍人である。今は建設業をしている。
住宅団地の完成の記念式典があり、みんなの前で演説した。
フランクはしばらく仕事を休んで、隣家のハリー・アントリムと釣りに出かける。三日間の予定。
フランクが出かけた後、電話があった。妻のエディスは受話器を取ったが、無言のまま切れた。
その後チャイムが鳴った。ドアを開けると男性。フランクを訪ねてきた。「仕事の関係?」と聞くがそれには答えない。「どこに行っている?」と聞くので「レッドウッド湖に釣りに」と答えた。
男性は足を引きずりながら立ち去った。
◆ ジョーはフランクを狙った
ジョーはレンタカーを借りてレッドウッド湖に来た。貸しボート屋に「フランク・エンリーは?」と聞く。
「沖で釣りをしている」と聞くと、ジョーは手漕ぎボートを借りて漕いでいった。
フランクとハリーが釣りをしている。ジョーは岩の陰にボートを持ってきて拳銃を取り出した。
しかし二人は貸しボート屋の方へ戻っていった。
貸しボート屋の主人はボートを下りたフランクに「尋ね人がきた」と言った。
続けて「足の悪い人だ」と聞くとフランクはすぐに帰り支度を始めた。料金を払ったが釣銭を受け取らないで車に乗った。
主人とハリーは「何事か?」と不思議に思った。
◆ またジョーが訪ねてきた
エディスはフランクが早く帰ってきたので驚いた。訪ねてきた男性のことを話した。
フランクは家中のカーテンを閉めてライトを消した。電話が鳴った。フランクは「出るな」と制止した。
エディスが事情を聞く。「何でもない」と言うが、そんな表情ではない。何かを恐れている顔である。
チャイムが鳴った。フランクはエディスを制止して陰に隠れた。ドアノブを回す音がした。ドアが開かないので立ち去った。
「どうして隠れたの?」「会いたくないんだ」。
エディスが聞くので軍隊時代の部下だと話したが、それ以上の具体的な話はしない。
◆ フランクは逃げ出した
夜になった。外を見ると車が止まっている。フランクは眠れない。
パトカーが来て注意をしたので車は走り去った。
エディスは警察に電話しようとするが、フランクは止めさせる。エディスは再度事情を聞く。
フランクは戦争中に爆撃機で出撃して撃ち落とされて捕虜になったことを話す。しかしそれはすでに聞いていることである。やはりそれ以上は離さない。
エディスは夜中に起きた。フランクがいない。置手紙。「ロスアンジェルスの建設業者会議にでかける」。
真夜中に出かけるのは奇妙である。
◆ エディスはフランクを追いかけた
朝、エディスが家の外に出ていると、ジョーがやってきた。慌てて家の中に駆け込もうとしたが、ジョーに捕まった。
ジョーは拳銃を構えて家の中を探した。
エディスはジョーに抗議していろいろ言った。ジョーは反論する。しかしエディスは本当の事情を知らない。
ジョーは「また来る」と立ち去った。
エディスは隣家のマーサのところに行って「ロスアンジェルスの建設業者会議に行くのでジョージーを預かって」と頼んだ。
エディスは会場に行ってフランクを見つけた。ジョーが押しかけてきて、家探しをしたことを報告した。
やっとフランクは事情を話した。
爆撃機が撃墜されて捕虜収容所にいた時。フランクは部隊長。部下たちが脱走を計画した。しかしフランクは脱走が成功するとは思えないので、思いとどまるように説得した。
部下たちは聞き入れない。困ったフランクは司令官に、部下たちの命は助けてくれるという条件で密告した。部下たちは脱走した。そして殺された。ジョーだけが助かった。
エディスは帰っていった。
◆ ジョーはフランクを追いかけた
ジョーはフランクの隣家に電話した。事情を知らないマーサは正直にフランクの行き先を教えた。
ジョーのホテルに恋人のアン・スタージェスが訪ねてきた。アンはジョーの部屋にあった新聞を持って来た。
フランクが記事になっている。この記事を見てジョーはロスアンジェルスまで来たのだ。
アンはジョーを引き留めるが、ジョーは出かけた。
◆ アンとエディスが会う
アンはエディスを訪ねて行った。補足。どうして住所を知ったのか不明。
エディスはアンを見て反発する。エディス「彼(ジョー)は殺人者よ」「私にもできることがある」。あ互いに苦しんでいることが分かる。
エディスはバッグを落とした。中から拳銃。「でも拳銃の扱いは知らない」。
アンからジョーがフランクを追いかけたことを知り、ホテルに電話をかけた。しかし周りが大騒ぎをしているので、エディスの声は伝わらない。
◆ フランクは逃げ出してバットと会う
フランクはエディスからの電話を受けたが、周りが煩いので聞き取れない。しかしジョーが会場に入ってきたことに気が付いた。
フランクは会場から逃げ出した。外は人通りが少ない。走って逃げた。ある酒場に入った。
「もう閉店だ」と言われた。中に一人だけ女性が残っていた。バット。
パットはフランクの異常な様子が気になって声をかけた。
二人でパットのアパートに行った。パットは「恋愛問題?金銭問題?」「奥さんがいるんでしょ?」といろいろ聞くがフランクは首を振る。
やっとジョーのことを聞き出したパットはホテルに電話をかけた。「あなたがこの町を去れば二万ドルをあげる」。しかしジョーは相手にしない。
◆ フランクは殺し屋と会う
パットはフランクを誘い出してある酒場に行った。ガヴェリーという弁護士に会った。いかにも怪しそうなヤツである。
そばにまた怪しそうな男がいたので、三人は別室に入った。しかしその男はドアの外から聞き耳を立てている。
ざっと事情を聞いたガヴェリーはドアの外にいた男を招き入れた。ジョニー。殺し屋らしい。ガヴェリーは「警察がダメなら手段がある。一万ドル必要だ」と言う。
フランクが躊躇しているとガヴェリーは「同じことをドイツでもやっただろ」。
フランクは外に出た。しかし「同じことをドイツでもやっただろ」という言葉が頭から離れない。
線路を歩いている。列車が近づいてくる。線路に足を踏み入れる。列車から警告。直前で避けた。
倒れたフランクにパットとジョニーが駆け寄った。
三人はパットのアパートに行った。ジョニー「あんたのために働く。心配するな。奴はどこだ?」フランク「ブレイクホテルだ」。注、フランクがなぜジョーのホテルを知っているのか疑問だけど。
◆ ジョニーはジョーを呼び出した
ブレイクホテル。アンがジョーを訪ねてきた。ジョーは拳銃を用意している。
アンは必死で説得する。「彼は奥さんと子供がいるのよ」「復讐して何になるの?」「私が来たのはあなたのためよ。彼を殺したらあなたはお終いよ」。
電話が鳴った。ジョニーから。「サンタ・リサに来い」。
◆ フランクは家に戻ったが
フランクはタクシーで家に戻った。エディスに「もう大丈夫だ。心配しなくていい。彼は町をでる」。エディスは笑顔。
しかしフランクの顔はまだ迷っている顔である。エディスが心配して聞く。フランクは「もう終わった」。
二階からジョージーの鳴き声が聞こえた。エディスは二階に上がった。
その間にフランクは家を飛び出した。
◆ ラスト
フランクはサンタ・リサにきた。アンが立っている。フランクはアンを知らないので、前を通り過ぎた。注、場所はパットに聞いた。
フランクは周りを見回した。ジョーが見えた。ジョーもフランクを認識して近づいてきた。ジョーは拳銃を取り出した。
近くの車の中にジョニーがいる。ジョニーも拳銃を取り出した。
フランクとジョーはジョニーに気が付かない。ジョーとフランクとジョニーが鋭角三角形になった。
フランクとジョーが睨み合う。ジョニーがジョーに狙いをつけた。
ジョニーに気が付いたフランクは走って二人の間に入った。ジョニーが引き金を引いた。
弾はフランクに当たった。フランクは倒れた。しかしフランクはすぐに立ち上がって車に走った。
ジョニーは車を発車。フランクは車にしがみついた。ジョニーは運転を誤り建物に衝突した。車は大破し燃え上がった。
フランクとジョニーは死亡した。
アンがジョーに近寄った。「誰が(エディスに)話すの?」「俺が話す」。
■ 出演作
◆ ヴァン・ヘフリン
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1949)三銃士/The Three Musketeers
(1953)シェーン/開拓農家と牧場主+殺し屋の対決/Shane
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1965)駅馬車/Stagecoach
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1951)不審者/The Prowler
(1942)ギャングとの闘い/Kid Glove Killer
(1953)政府軍と革命軍と金鉱:黄金の大地/Wings of the Hawk
◆ ジャネット・リー
(1949)若草物語/Little Women
(1949)フォーサイト家の女/That Forsyte Woman
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1949)ママの青春/Holiday Affair
(1958)黒い罠:凄腕の警部/Touch of Evil
◆ ロバート・ライアン
(1947)浜辺の女/The Woman on the Beach
(1947)十字砲火/Crossfire
(1949)魅せられて/Caught
(1949)罠/THE SET-UP
(1952)危険な場所で/On Dangerous Ground
(1951)生まれながらの悪女/Born to Be Bad
(1953)地獄の対決/Inferno
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1955)ビルマの逃亡劇/Escape To Burma
(1952)優しき殺人者、記憶が途切れる男/Beware, My Lovely
(1958)真昼の欲情/God's Little Acre
◆ フィリス・サクスター
(1952)無法街の決斗/Fort Worth
(1947)大草原/The Sea of Grass
(1948)十番街の天使/Tenth Avenue Angel
(1950)暴力行為/Act Of Violence
◆ メアリー・アスター
(1941)偉大な嘘/The Great Lie
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1949)若草物語/Little Women
(1964)ふるえて眠れ/Hush... Hush, Sweet Charlotte
(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young
(1937)ゼンダ城の虜/The Prisoner of Zenda