■ Beware, My Lovely
ヘレンはアパート経営をしている。ハワードが掃除のために派遣されて来た。
しかしハワードは精神的に不安定で記憶が途切れるという問題がある。それが原因で、いろいろなところでトラブルになっている。
製作年:1952、監督:Harry Horner、脚本:Mel Dinelli、原作:The Man(Dinelli)
■ はじめに
登場人物(キャスト)
ヘレン・ゴードン(アイダ・ルピノ) アパート経営、未亡人
ルース・ウィリアムス(バーバラ・ホワイティング) ヘレンの姪、バイト、ルーシー
コーキー(?) ヘレンが飼っている犬
ハワード・ウィルトン(ロバート・ライアン) 掃除人
ウォルター・アームストロング(テイラー・ホームズ) アパートの住人
ルーシーは高校生。セーラー服の制服を着ているが、口紅をしていて、長~いスカート、ヒールの高い靴。チャラチャラ腰を振りながら歩く。
ロバート・ライアンは精神的に不安定な役がはまり役。「(1947)十字砲火/Crossfire」「(1950)暴力行為/Act Of Violence」「(1949)魅せられて/Caught」。
アイダとロバートは「(1952)危険な場所で/On Dangerous Ground」でも共演している。
■ あらすじ
◆ ハワード・ウィルトン
ハワードは派遣会社に登録して、いろいろなところで掃除など雑用をする仕事をしている。
ハワードには頭痛や記憶の途切れという障害がある。自分でもはっきりしないが、戦争の時の後遺症のようである。しかし医者にはかかりたくない。
記憶が途切れた時に自分が何をしていたのか分からない。もしかしすると犯罪を犯しているかもしれない。このような不安がある。
このような状態なので、自分に自信がなく精神的に不安定である。それが派遣先で仕事をしている時にも現れて、同じところで続けて仕事を依頼されることがない。したがって生活も安定してない。
あるところに派遣された。作業を終了して挨拶をしようとドアを開けた。そこには死体っ!
正常な人間ならば、自分がやったものではないことが分かり、確認して警察に知らせるなどの処置ができるが、自分の記憶が正常ではないので「もしかしたら自分が犯人かも?」と思う。
ハワードは逃げ出した。
◆ ヘレン・ゴードン
ヘレンは夫が戦争で死亡して、今はアパートを経営している。自分ひとりで切りまわしているが、まだ子供の姪のヘレンやその他の人にも時々手伝ってもらっている。
住人のウォルター・アームストロングが出て行こうとしている。しかしまだ戻ってくるかもしれないようなことも言っている。ちょっと予定がはっきりしない。
またウォルターがいない時にウォルターの知人に貸すという話もある。
◆ ハワードが派遣されてくる
アパートの掃除も大変なので派遣の人に作業を手伝ってもらうことにする。
ハワードが派遣されてきた。さっそく作業を始めた。
ハワードは例によって精神不安定な様子を見せる。それに対してヘレンは理解ある態度を示す。若干波乱含みながらも作業は進んでいく。
ハワードは「自分はおかしいので、同じところでは継続して雇ってくれない」のようなことをいう。ヘレンは「週に二三日はお願いしたい」と言う。
また「ウォルターが出て行った後の部屋を使って住んでもよい」という話もする。
◆ いろいろ問題が発生する
しかしそうはいかないのがハワードである。ハワードが悪いわけではないが、細かな手違いや誤解が少しずつ重なってくる。
ハワードが切れる。対してヘレンは収めようとするが、しかしヘレンはだんだん怖くなってくる。ヘレンが怯えるので、ハワードは反省して謝る。
しかしまた別の問題が発生する。同じような状況が繰り返される。次第に相互不信が増幅されてくる。
◆ ヘレンが監禁される
そこにウォルターの知人という人が訪問してくる。「ウォルターの住んでいた部屋に住みたい」と言う。
これははっきり言ってヘレンの不手際である。そこには自分が住めると思っていたハワードが切れた。ヘレンはオロオロして弁解する。
ハワードはカギを持ち出して、表口のドアも裏口のドアもカギをかけてしまう。カギは自分のポケットに入れた。
ヘレンは外に出ようとしてドアが閉まっているのに気がつく。慌てて裏口から出ようとするが、こちらもカギがかかっている。
こっそりと外に電話しようとしたが、ハワードは電話の線を引きちぎってしまった。
◆ 小切手を切る
ある少年が訪ねてくる。いつも店から商品を届けに来る少年である。
ハワードはヘレンを「変なことはするな」と脅しながら少年を入れる。
この店とは月締めで代金を払うことになっているのだが、ヘレンは「今回は小切手で払う」と言う。少年はいつもと違うので不思議がる。
ヘレンは奥の部屋で小切手を書いている。実は「監禁されている。助けて」のメモも書いている。そこにハワードが入ってきて発見された。
ヘレンは地下の部屋に監禁された。
◆ 電話会社の修理係
さて電話の線が切られているので、ヘレンに電話をかけた人が電話会社に連絡する。
それで電話会社の人が訪ねてきた。ヘレンは監禁を解かれて応対した。
ここで突然ハワードは「作業が終わったので帰る」と挨拶してくる。ハワードの記憶がおかしくなったのか?あるいは回復したのか?
ハワードは直前の状況を忘れているようである。
ともかくヘレンはほっとして「電話会社の人に送ってもらえば」と提案する。ハワードも修理係も了解して、ハワードは外の車のそばに行った。
ヘレンは修理係に監禁されていることを訴えた。
ハワードと修理係は車に乗って去っていった。
補足。ヘレンが監禁されていることを訴えたことへの反応はない。ヘレンがおかしいと判定されたのか?
■ 出演作
◆ アイダ・ルピノ
(1941)ハイ・シェラ/High Sierra
(1941)生きてる死骸(生きてゐる死骸)/Ladies in Retirement
(1948)秘境/Lust for Gold
(1952)危険な場所で/On Dangerous Ground
(1976)巨大生物の島/The Food of the Gods
(1948)深夜の歌声/Road House
(1953)二重結婚者/The Bigamist
(1942)夜霧の港/Moontide
(1954)地獄の掟/Private Hell 36
(1955)悪徳/The Big Knife
(1934)女装陸戦隊/海兵隊へようこそ/Come on Marines!
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1941)海の狼/The Sea Wolf
(1952)優しき殺人者、記憶が途切れる男/Beware, My Lovely
◆ ロバート・ライアン
(1947)浜辺の女/The Woman on the Beach
(1947)十字砲火/Crossfire
a href="https://ameblo.jp/artery3000/entry-12562087587.html">(1949)魅せられて/Caught
(1949)罠/THE SET-UP
(1952)危険な場所で/On Dangerous Ground
(1951)生まれながらの悪女/Born to Be Bad
(1953)地獄の対決/Inferno
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1959)拳銃の報酬/ODDS AGAINST TOMORROW
(1955)ビルマの逃亡劇/Escape To Burma
(1952)優しき殺人者、記憶が途切れる男/Beware, My Lovely