■ The Prisoner of Zenda
イギリス人のラッセンディルは大陸の小国ルリタニアに入国した。国王のルドルフ大公に偶然出会ったが二人は酷似していた。
二人は親交を深めたが、朝になると大公が眠ったまま起きない。その日は戴冠式があり、ぜひとも出席しなければならない。
大公が起きてこなかったのは、国王の地位を狙う異母兄のミハエル公爵の陰謀である。
ラッセンディルは急遽大公として戴冠式に臨み危機を乗り切った。しかしその間に大公がミハエルに誘拐されてゼンダ城に閉じ込められた。


製作年:1937、監督:John Cromwell、W. S. Van Dyke、脚本:John L. Balderston、原作:The Prisoner of Zenda(Anthony Hope) ■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ルドルフ・ラッセンディル(ロナルド・コールマン:二役) イギリス人

 ルドルフ大公(ロナルド・コールマン:二役) → ルドルフ五世
 フラヴィア姫(マデリーン・キャロル) 恋人
 ゼプト大佐(C・オーブリー・スミス) 部下
 フリッツ・フォン・ターレンハイム大尉(デイヴィッド・ニーヴン) 部下

 ミハエル公爵(レイモンド・マッセイ) ルドルフの異母兄
 ルパート(ダグラス・フェアバンクス・Jr.) ミハエルの手下
 アントアネット(メアリー・アスター) ミハエルの愛人

舞台は(架空の国)ルリタニア/Ruritaniaだが映画では明示されない。本作は何度も映画化されている。

本当はステュアート・グレンジャー主演の1952年版をレヴューしようと思ったのだが、手違いでこちらになった。だがしかし1952版ではフラヴィア姫役はステュアートの当時の妻ジーン・シモンズではなくデボラ・カーである。これが悔しい。他にはエリノア・パーカーが候補に上がったらしい。
 


■ あらすじ

◆ ルリタニアに入国した

19世紀が終わる頃、イギリス人のルドルフ・ラッセンディルは、釣りをするために大陸に渡りルリタニア公国へ向かった。

また同国では、国王の戴冠式が予定されており、それを見物する予定もあった。

国境を通過したあたりから、ラッセンディルは自分が驚きの目で見られているのに気がついた。

しばらくは理由が分からなかったが、自分が国王のルドルフ大公と瓜二つであることに気がついた。

◆ ルドルフ大公と出会った

ラッセンディルは川のほとりで釣りをしていた。そこへ三人の男性が現れた。

一人はルドルフ大公である。改めて自分と瓜二つであることを確認した。

ラッセンディルは大公が泊っている小屋に行き親交を深めた。

明日は戴冠式とのことである。

◆ ミハエル公爵の陰謀

ミハエル公爵は大公の異母兄である。母親が国王の正妻ではないために国王になれない。これが大いなる不満である。

そこでミハエルは次のような陰謀を謀った。

大公の酒に睡眠薬を飲ませる。眠り込んだ大公は戴冠式に出席できない。その無責任を国民に訴えて、自分が国王として即位する。

ミハエルは手下のルパートに命じて、大公の酒に睡眠薬を混入した。

◆ 身代わりで戴冠式に出席した

朝になったが大公が目を覚まさない。

ゼプトとフリッツは頭を抱えてしまったが、間もなく素晴らしい案を思いついた。「ラッセンディルに大公の代わりをしてもらう」。

なかなか納得しなかったラッセンディルも、それ以外に案がないと分かると納得した。

急いで首都に駆けつけて戴冠式をこなした。少々というよりもかなりモタモタしたが、無事戴冠式を終了した。

◆ 大公が捕らえられたっ!

ミハエルは戴冠式の大公が偽物であることは分かったが、当然ながら表立って反対することはできない。

三人が戴冠式に出ている間に眠り込んでいる大公を誘拐して、自分の居城であるゼンダ城に運んで地下牢に閉じ込めた。

◆ フラヴィア姫

ラッセンディルは偽大公を続けざるをえなかった。そして大公の婚約者のフラヴィア姫と付き合った。

実はフラヴィア姫は、大公のことはあまり好きではない。

しかしラッセンディルとフラヴィア姫は波長が合ったようである。次第に愛し合うようになった。

◆ アントアネットが動いた

さてアントアネットはミハエルの愛人である。そしてミハエルが国王になりフラヴィア姫と結婚したとすると、自分は捨てられる。

アントアネットはミハエルが国王にならなくてもよい。自分と一緒になってほしいと考える。

アントアネットは「大公がゼンダ城に捕らえられている」とラッセンディルなどに知らせた。

ラッセンディルはゼンダ城の堀を泳いで侵入した。

◆ 大公は助け出された

またルパートはアントアネットが好きである。ルパートはミハエルを襲い刺し殺した。

その後、ラッセンディルはルパートと剣を交えルパートを倒した。

大公は無事に助け出された。

ラッセンディルはフレヴィア姫に別れを告げ、ゼプトとフリッツに見送られて列車に乗った。列車は国境を越えた。
 


■ 出演作

◆ ロナルド・コールマン
(1935)嵐の三色旗/二都物語/A Tale of Two Cities
(1937)失はれた地平線/Lost Horizon
(1937)ゼンダ城の虜/The Prison of Zenda
(1947)心の旅路/Random Harvest
(1947)二重生活/ A Double Life
(1956)80日間世界一周/Around the World in Eighty Days

◆ ダグラス・フェアバンクス・Jr.
(1946)船乗りシンバッドの冒険/Sinbad the Sailor(1946)
(1950)絶壁の彼方に/State Secret

◆ メアリー・アスター
(1950)暴力行為/Act Of Violence
(1949)若草物語/Little Women
(1964)ふるえて眠れ/Hush... Hush, Sweet Charlotte

(1940)約束の地を目指せ/Brigham Young