■ The Prowler
警官のウェブ・ガーウッドは不審者情報が寄せられたギリヴレイ家に行った。その後、夫人のスーザンと親しくなった。
ついに夫のジョンを罠にかけて殺した。裁判となったが無罪で結審した。
その後スーザンと結婚したが、スーザンは妊娠四か月であることを明かした。ウェブの子供ではない。
そしてスーザンは「夫を殺した」とウェブを責めた。


製作年:1951、監督:Joseph Losey、脚本:Dalton Trumbo、Hugo Butler、原作:Robert Thoeren、Hans Wilhelm


■ はじめに

登場人物(キャスト)
 ウェブ・ガーウッド(ヴァン・ヘフリン) 警官
 スーザン・ギリヴレイ(イヴリン・キース)
 ジョン・ギリヴレイ(シェリー・ホール) スーザンの夫
 


■ あらすじ

◆ 不審者が...

スーザン・ギリヴレイは夫のジョンと暮らしているが、ジョンは常に仕事でニューヨークにいる。たまに帰ってくるだけである。子供はいない。

入浴していて、誰かが窓からのぞいているのに気がついた。警察に電話した。

警官が二人来た。一通り周囲を見てもらったが、特に怪しい人物は発見できなかった。

警官は帰った。

◆ ウェブ・ガーウッド

二人の警官のうちウェブ・ガーウッドは、相棒の警官と別れてパトカーで帰宅しようとした。

ちょうど先ほどの屋敷が通り道にあるので、また寄ってみた。

スーザンが応対し中に入った。スーザンが「コーフィーは?」というのでソファに座ってコーフィーをもらった。

先ほどの訪問で用事は済んでいるので世間話をした。

二人ともインディアナ州の出身で、しかも同じ高校を卒業したことが分かった。話が弾んだ。

スーザンは結婚しているが、夫がいつもいないことを話した。

◆ 二人は接近する

その後、ウェブは私服でスーザンを訪問するようになった。

二人が接近するのは必然である。訪問が繰り返された。

ウェブは「そろそろ頃合いだ」と思ったのかスーザンにキスしようとした。

しかしスーザンは拒否して怒った。

その後、ウェブは制服で訪れて「謝罪にきた」と言った。簡単に話して帰った。

◆ ラス・ヴェガス

しかしまたウェブはスーザンを訪問するようになった。ソファに座って肩を抱き寄せるくらいの関係ではある。

ある時ウェブは「明日から二週間の休暇だ。ラス・ヴェガスに行こう」と誘った。わりと強い口調である。

スーザンは嬉しそうな顔をしたものの「行けないわ」と断った。

ウェブは「明日の夜だ」と命令して出て行った。

ウェブは空港で待っていたが、スーザンは来なかった。

◆ スーザンが訪ねてきた

屋敷に行ってスーザンを呼び出した。夫のジョンが戻っている。

こっそりと外に出てきたスーザンと話した。少し話したがスーザンは二人の仲を躊躇している。

ジョンが気づいてでてきた。ウェブは帰った。

ウェブはアパートに戻った。ベッドの上にいる。電話がかかった。ウェブには電話がかかってくるような知人はいない。スーザンからと分かっている。

電話を無視した。しばらくするとまた電話。

ウェブはいかにも面倒くさそうな声で応答した。

スーザンが訪ねてきた。「夫には離婚を要求した。私を連れて行って」と言う。

それには答えずスーザンを帰らせた。その後ウェブはニヤリと笑った。

◆ ジョンを殺した

ウェブは相棒と別れた。その後、パトカーをスーザンの屋敷に走らせた。

屋敷に近づいて、わざと音を立てた。

パトカーに戻って走らせた。無線で指示が入った。「ギリヴレイ家に不審者」とのことで、屋敷に向かう。

中には入らず、茂みに隠れた。そして音を立てた。

ジョンが拳銃を構えて出てきた。奇声を発した。ジョンは振り返った。ジョンを撃った。これで正面から撃ったことになる。

ジョンに駆け寄ってジョンの拳銃で自分の左腕を撃った。

スーザンが走り出てきた。「すぐに警察に電話しろ」。

◆ 裁判

ジョンは死亡して裁判となった。

ウェブは「(射殺したのは)私のミスです」といかにも神妙に喋った。

スーザンも証言する。「以前にも不審者がいて警戒していた。その時に被告(ウェブ)に来てもらって世話になった」。

陪審員団はウェブを無罪にした。

◆ 二人は結婚した

ウェブは警官を辞めた。

プレゼントを持ってスーザンを訪ねて行った。

スーザンはあたふたと作業をしていた。引っ越すつもりのようである。

プレゼントを渡したが困惑したような顔をしている。そして「あれは事故だったの?」と聞いた。

しかしスーザンは突然抱き着いた。

二人は結婚した。

◆ モーテル

二人は車で出発した。モーテルについた。

ウェブが外に出ている間にスーザンはウェブの荷物を整理した。しかしその中に拳銃が入っているのに気がつき元にもどした。

ウェブが入ってきたが、拳銃のことは喋らなかった。

夜になってベッドに入ったときに、スーザンは妊娠四か月であることを明かした。二人がまだ関係していないときである。

ウェブは「なぜ言わなかった?」聞いたが、二人は黙った。

その後、スーザンは「どこか知らないところに行きましょう」と提案した。

◆ 廃鉱山へ

二人は砂漠を車で走った。砂漠を抜けて山道にかかった。「CALICO」の立て札があった。

CALICOとはかっての銀鉱山て、いまでは廃鉱になっている。注、CALICOは有名な銀鉱山。モハーヴェ砂漠の一角。

さらに突き進むと、岩山の間にいくつもの小屋があった。もう使われていない。そして地中から掘り出された土砂が高く積まれて富士山になっていた。

スーザンがここが気に入ったようである。「PENTHOUSE OF THE BRIDAL」と言った。注、「ベントハウス」の源義は「ビルの屋上にある豪華な家」。

一つの小屋に住むことに決めた。

注、「食料はどうするの?」とか言う突っ込みはなしね。電気も通じていたりする。

◆ 出産が近づいた

ともかく二人はここで暮らした。嵐が来て大変なこともあったが切り抜けた。

そしてスーザンのお腹が大きくなってきた。そろそろ出産である。

スーザンは「一人で大丈夫よ」と言うが、ウェブは「医者を呼んでくる」と出かけた。

里に下りて医者を訪ねた。医者は不審そうな顔をする。ウェブは警官を辞めた時に戻していなかったバッジを見せた。

二台の車を連ねて廃鉱山に向かった。

◆ 出産した

医師はスーザンを診察して「大丈夫だ」と言った。

医師は外で待機する。

ウェブとスーザンが話す。ここでスーザンは突然「あなたは夫を殺した」と言い出した。

ウェブは「お前はおかしい」と言ったがスーザンはしつこく責めた。ウェブはスーザンの夫を殺したことを認めた。

いよいよ陣痛が始まった。医師が部屋に入った。ウェブは外で待機。

元気そうな男児が生まれた。

注、この間にスーザンは夫殺しの件を医師に話したと思われる。

◆ 医師を追いかけた

無事に出産したので医師は戻る。医師は二人の車のキーを抜いて自分の車をスタートした。その間にスーザンは予備キーを隠した。

気づいたウェブは追いかけようとしたがキーが抜かれている。

ウェブはキーを探した。スーザンは「あなたは私の夫を殺したのよ。出て行ってっ!」と叫んだ。

スーザンはキーを投げつけた。ウェブは医師を追いかけた。

狭い絶壁の道にさしかかった。こんなところに車が上ってきた。夫婦が乗っている。

すれ違えないので夫婦の車が後退する。しかし遠くにパトカーが来るのが見えた。

ウェブは車を反転させた。

◆ ウェブは撃たれた

ウェブは廃鉱山まで逃げてきた。しかし行き止まりである。

ウェブは車を捨てて富士山に登った。しかし滑りやすくなかなか登れない。

警官は照準を合わせてライフルを撃った。ウェブは倒れて斜面を滑り落ちた。

スーザンは小屋の中から、その様子を見ていた。
 


■ 出演作

◆ ヴァン・ヘフリン
(1940)カンザス騎兵隊/Santa Fe Trail
(1946/呪いの血/マーサの奇妙な愛情/The strange love of Marth Ivers
(1949)三銃士/The Three Musketeers
(1953)シェーン/開拓農家と牧場主+殺し屋の対決/Shane
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1965)偉大な生涯の物語/The Greatest Story Ever Told
(1965)駅馬車/Stagecoach
(1950)暴力行為/Act Of Violence

◆ イヴリン・キース

(1945)魔法のランプ/Magic Lamp
(1943)無頼漢/Desperadoes
(1939)大平原/Union Pacific